#しんみりする話【1話完結!スーパー短編】



「こんばんは、クリス米村です。


前ほど出歩かなくなったせいか、しんみりする夜が多くなった気がする。


リスナーのみんなはどうだい?


ラジオは不思議でさ。


例えば、部屋に1人でいるとするだろ。


そういうときに、ラジオって、DJが自分へ向かって語りかけてくれてる感じがするんだ。


あ、もっといい例を思いついた。


教室に、先生と自分の2人だけがいるとするだろ。


その状況で、先生が授業してるのを、目の前でオレが聞いてる感じ。


この2つの例で、よくわかったんじゃない?


わからなかったら、無理にわかろうとしなくていい。


あせったら、迷宮入りだ。


まあ、そんなラジオ好きっぽいことを言ってみたものの、10代のオレは、ラジオをまともに聞いたことがなかったのを、正直に告白する。


radikoもなかったし。


オレが10代の頃は、テレビの方がはるかに盛り上がってた。


いい機会だから、昔話でもしようか。


しんみりついでにな。


まあ、オレの高校時代は、普通だよ。


そつなくやってたと思う。


勉強もスポーツも、ある程度、できた。


友達も多かったし、かわいい彼女もいた。


自分でいうのも何だが、モテてたと思う。


カッコいいとか、おもしろいとか言われてさ。


調子に乗ってた部分もあったんじゃないかな。


だけど、1番ではなかったんだ。


どんなことでも。


勉強でもスポーツでも、1番になったことはない。


せいぜい15番が最高だったかな。


言っとくが、20人中の15番じゃないぜ。


200人中だ。


そこははっきり言っておく。


200人だ。


1番じゃないという意味では、オレも人生で負けを経験してることになる。


負けもあるのさ。


このオレでも。


信じられないだろ。


親近感、わいたか?


とにかく、とりたててどうってことのない高校生活だった。


大学受験も、自分に受かりそうなところを受けて、そのまま合格した。


都内の2流大学でさ。


合格したけど、うれしくもなんともなかったね。


だって、受かるところを受験したんだから。


でまあ、大学時代に、ほんとの偶然からDJデビューすることになったんだ。


学校のサークル仲間と電車に乗ってたらさ。


ほんとの偶然だったんだけど。


それより、オレの出身校って、Wikiに載ってるんだっけ?


ん?


載ってる?


どうせ間違った情報だろ。


ほら、やっぱり正しくない。


これって、誰が書いてんだろーな。


ここ、見てみ。


オレが12歳のときに、地震を調べる気象庁のアンテナをへし折って、緊急地震速報システムを誤作動させたって書いてるけど。


するわけないだろ、そんないたずら。


ここに書かれてるのが誤報だよ、誤報。


オレは愉快犯じゃない。


そろそろ時間か。


じゃ、今日の1曲目は、せっかくだからウィキペディアにちなんだのにしようか。


Wikiには、かなり迷惑をこうむってるがな。


たまにはこういう曲もいいんじゃないか。


聴いてくれ。


『Wikiに寄付した人、ご苦労さまです』」



   ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

教訓👉寄付した人、私の周りでは聞いたことがありません。でも必要なサイトです笑





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ラジオ品川 99.92FM

Navigator クリス米村

『クリス米村のGO❗️GO❗️レインボー❗️〜今夜もパーリーしようぜ〜』

毎週木曜ほぼ21:30〜恋人たちが眠るまで

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