ゼロスキルのアーマー育成物語～アーマーを装着育成して成り上がれ！～

第32話 ドラゴンの脅威

「っち！　まじかよ…こいつ、絶対にEランクモンスターじゃねぇだろ？　おい、あんた？　すまねぇが、あいつの気を引いてもらえねぇか？」

「ちょ、ちょっと！　彼はまだ！？」

「俺もグレンに賛成だ。　俺達じゃ、あいつの気を引けない。　圧倒的火力が必要になって来る」

「そうね。　私達が言うのもなんだけど、彼の攻撃の方が私達よりも何倍も有効よ。」

「ってな訳で。　ちょっくら頼まぁ！！」

男はすかさずドラゴンの身体に向かって攻撃を仕掛ける。

俺もそれを見て同時に頭部への攻撃を開始した。

ズガガ！

『グォォォォ！！』

『残弾数――残りわずがです。　気を付けて下さい』

『モーターのバッテリーもちょっちやばいかも～』

「…くっ。　長期戦は避けたいか…」

全くもってしぶといドラゴンだ。

他の連中も一斉に攻撃を始めたというのに、ほとんどダメージが通っていないかのような素振りでこちらに攻撃を続けるドラゴン。

しかし、大振りなせいもあってか…なんとかダメージは最小限に抑えられている。

「っち！　くそっ…こいつどんだけタフなんだ。　アリス！！　魔力残量は？」

「そろそろ、やばいかも…」

「グレン、こっちもそろそろ危ないわ」

「済まんな。　タンクの俺は今回役に立ちそうにもない」

どうやら向こうもそろそろ限界の様子。

だが、どうすればあいつに決定打を与えられる？　下手に動き回った所で消耗するだけだ。

『解析完了。　マーキング開始します――――そちらを狙えば効率よくダメージを与えられる筈です』

ピコンッ

すると目の前のドラゴンの尻尾の付け根部分に向け”赤いポインター”が表示された。

「おいおい…まずは尻尾からって事か？」

『いえ。　頭部へのダメージ効率は最悪です、個人での撃破は不可能と断定――――ですが、尻尾を切り落とす事でドラゴンの肉質内部へのダメージを可能とします―――』

「ようはさっさと切り落とせと言う事か―――すまない！　そこの大盾の！」

「ん？　おれか？」

近くに居た青髪の男が反応する。

「あぁ、危険だが…可能な限り奴に接近してくれないか？」

「――――解った。　何か策があるのだろう…持っても10秒だ！　それ以上は今の俺でも難しい！　いくぞ！」

「話が早くて助かる！　ブイ！！」

『了解！！　最大出力でびゅびゅ～ん！！』

キュィィィン！！！

「アックス装備…からの…いくぞ！　チャンスは1回…うぉぉぉぉぉ」

アックスを両手で構えた俺はドラゴンの尻尾へ向かい全力で振り下ろす！

ガインッ！！

「いやっ！　固ってぇなおい…！！」

『グギャァァァ！！』

「ぐぬぬぬぬ…うぉぉぉぉ！！　でぇい！！」

ザクッ！！

『グォォォォォ！！』

「「「お！？」」」

『必殺。　大切断…』

両断された尻尾が痙攣を始めるとゆっくりと動きを失っていく…よし――――

「今だ！！　尻尾の付け根に集中しろ！！」

「よしっ！　任せろ！！　全員…突撃っ！！」

―――――――――――――――――――――

それからどれくらいの時間が経った頃だろうか、気付けば全員はボロボロの状態で地面に倒れ込んでいた。

「や、やべぇ…ここ数年で一番やばかったかも…」

「はぁ、はぁ…はぁ…も、もう、無理。　動けない―――」

『戦闘終了―――――チュートリアル終了に伴い、魔石の吸収を開始致します』

「魔石の吸収！？」

すると突如としてドラゴンの身体がブワッと発光を始めると再びぐったりと倒れた。

―――――――――――――――――――――――――

アーマー名：アイアン（ノーマル装備）lv4 開発可能レベル到達

ポイント＋16

AP:4000　

EN:40　　

攻撃:40　

覚醒攻撃:5

防御:35

機動力:40

アーマースキル

マガジンドロップ

―――――――――――――――――――――――――

「まて！？　どういう事だ！？　このドラゴン、光らなかったか！？　おい！？」

「落ち着いて、グレン！　何が起こったのか…」

「まて…こいつの魔石は何処へ行った？」