第5回 SING/シング/ゴジラVSメカゴジラ

雷華:Twitter:rairai345

最近、風邪をひきましたがコロナではありませんでした(安堵

アマゾンプライムビデオ。


小城:Twitter:ogisaburo

無事にワクチン二回目が終了。副反応は微熱程度で終わった。

Hulu。


・SING/シング

 倒産寸前の劇場を経営するバスタームーンは、運営資金が底をつき出演者へのギャラの支払さえもできないほどに追いつめられる。銀行からの返済を求められた彼は歌のオーディションを行い、一発逆転を狙うが、賞金1000ドルのところを10万ドルと打ち間違えてしまい、参加者が殺到する。それさえもチャンスと見た彼はオーディションを続行するのだが、集まったのは一癖も二癖もある変わり者ばかりであった。


雷華「どうだった?」

小城「俺はね、ミュージカルは普通に好きだから全然あり。てか、ディズニー系は放っておいても勝手にミュージカルになるよね」

雷華「まぁね」

小城「誰が悪いってわけでもないけど、状況がどんどん悪化していく前半の展開は見てて面白かったよね」

雷華「この映画、明確な悪役はいないんだよね、ヴィランというか」

小城「悪いことしてるやつらって、自業自得な部分があって、それはそれなりに作中でも報いを受けてるからね」

雷華「ゴリラの家族ね」※1

小城「ゴリラの家族はちゃんと捕まるしね」


 ※1

 登場人物の一人、ジョニーとその父親、ビックダディのこと。ビックダディは盗賊団を率いており、息子にもそれを無理やり手伝わせていたが、歌手を目指す息子がオーディションを優先したせいで盗みが失敗し、投獄される。

 そのために息子と絶縁するのだが……歌手を目指して真っ当な道を進みたいジョニーと父親との関係の変化もこの映画の見どころの一つ。


小城「あ、でもクマは報いを受けているわけではないが」

雷華「クマのチンピラね」※2

小城「あいつらは特に何の影響もなかったね」

雷華「そもそも、本筋にあまり関わってこないからね」

小城「あいつらがいるからネズミが関わらざるえなくなるんだけど」


 ※2

 登場人物の一人、ストリートミュージシャンのマイク(ネズミ)と関わるチンピラ。カジノでマイクと対決するも、彼がイカサマをしていることに気付いて追いかける。


小城「皆の行動がテンプレートから外れないから、全部お約束を踏襲していってくれるのは、見てて不快にならなかった」

雷華「なんだかんだで皆、憎めないキャラクターなんだよね」

小城「奇をてらって変なことをするキャラクターがいないから、ストレスがないんだよね」

雷華「ネズミもね、なんだかんだいって愛されキャラというか。ちゃんと実力を持っているやつなんだよね」

小城「本当にビックマウスなんだよ」

雷華「ネズミだけにね(笑」

小城「俺はこの映画は嫌いじゃないし、ディズニーピクサーは見たら好きになるんだけど、『別に今すぐ見なくてもいいよな』てなっちゃう作品が多くて……」

雷華「言いたいことはわかる」

小城「見たら面白かったっていうんだけど、見るまでにハードルが高いわけでもないんだけど、『急いで見なくてもいいよね』てなるんだよね」

雷華「メジャーだから、なのかな?」

小城「微妙なラインではあるけどね」

雷華「この映画の『変わりたい』と思ってる子たちが変わっていくのが見てて気持ちいいんだよね」

小城「オーディションは抜きにしても、最初は燻ってた奴らが集まって事を成し遂げていくっていうサクセスストーリーなんだよね」

雷華「最初は私利私欲というか、自分のことしか考えてなかったコアラのバスタームーンも関わっていくうちに初期の夢を思い出していくのがいいんだよね」※3


 ※3

 今作の主人公で赤字経営で取り壊し一歩手前の劇場の支配人。劇場の経営を立て直すためにオーディションを開いて才能ある人物を集めようとするのだが……。彼の劇場にかける熱い思いと、物語を通じて『どうしてこの劇場なのか』というのを思い出していくのがこの映画のメイン。


小城「バスタームーンに関しては俺が一番いいなと思ったのが、ラストのほうで崩壊した舞台でみんなで集まって、ショーをしようって準備して開催するんだけど、最初、集まった客数を見て一瞬げんなりするの。でも、『ここでショーをすることに意味があるんだ』てちゃんと言葉にし直したところ。自分の利己的な部分がやっぱり残ってるけど、変わろうとしている方向に舵取りをし直したところが凄い評価できるなって」

雷華「利己的な部分もあるんだけど、ちゃんと善人の部分も持ってるんだよね」

小城「作品的に完全に切り替わったわけじゃなくて、そういう部分も残ってる、ていうのが凄い現実的でさ」

雷華「それが人間臭さに繋がるというか、そこがまた憎めないんだよね」

小城「客数を見てがっかりしたっていう、あの描写がさ、じわじわ来るんだよね」

雷華「そういう部分も変わらず根っこにありつつ物語を通じて変わっている、というのをちゃんと見せるんだよね」

小城「再スタートを取るにあたっても、初心を取り戻したのが大きいんだろうね。お父さんとのくだりから洗車を始めるってのもグッとくるし」

雷華「劇団に集まったみんなは新しいことを始めるんだけど、バスタームーンだけはそれを通して初心を取り戻していくんだよね」

小城「彼にとってはスタート地点に帰るのが一番大切なことだったんだよね」

雷華「『自分はどうしてこの劇場を必死に守ろうとしたのか』のを一回全部無くしてから思い出すのがいい」

小城「そこのスクラップ&ビルドに舵取りしたのはホントすごいと思う」

雷華「バスタームーンの親友も良いんだよな……ドラ息子(笑」※4


 ※4

 ヒツジのエディ。バスタームーンの親友で親から過保護に育てられたドラ息子で、独り立ちするために一人暮らしを始めたのだが、それが実家のガレージという有様。バスタームーンの相談役であり、困ってるときに手を貸してくれる。


小城「ただの放蕩息子(笑」

雷華「ただの放蕩息子なんだけど、最初から最後までバスタームーンに付き合ってくれるんだよね」

小城「よくいる悪友ポジションだよね」

雷華「ぶっちゃけあいつ、付き合う必要はないのに洗車も含めて全部付き合ってくれるんだよな」

小城「あれもアメリカ映画のお約束だよね。ギーグが一番の親友(笑」

雷華「ずっと友達のギーグね(笑」

小城「口では『もう駄目だ、無理だよう』て言いながら、最後のここ一番で『それでもやらなきゃな!』て味方してくれるやつ」

雷華「あいつも滅茶苦茶いい味出してるんだよ」

小城「やっぱキャラ全体的にいいし、そのへんディズニーさすがだな、て思うよね」

雷華「みんなキャラが濃いんだけど、根っこは善人なんだよね」

小城「気持ちよく最後まで見れたわ」

雷華「ピクサーはいいよ」

小城「わりと数が出てるからさぁ、どれを見たかわからなくなるんだよね。やっぱこういう機会がないと見ないよね」

雷華「結構ポンポン新作を出すんだよね」

小城「結構、宣伝を見てるから見る気になっちゃってるんだよね」

雷華「日常的に見るからね」

小城「ピクサーもそうだし、洋画のアニメ系はスルーしがちなのはある。昔は家族で金ローとかで見てたってなるけど、一人だと進んで金ローみないんだよね」

雷華「金ローはCM多いからな。カットもする」

小城「見てもちゃんと見れてない感覚になるんだよね」


 映画が好きだとどうしても気になってしまうところ。


小城「ピクサーが子供向けでを意識してるからためになる話を入れてくるんだよね」

雷華「日本昔話風というか」

小城「教訓になる話を入れてくれるから、そこもやっぱ気楽さにつながるしね」

雷華「たまに見るとしみじみと『いい映画だな』って感じる(笑」

小城「点数にすると72点ぐらい」

雷華「結構いったね」

小城「65点以上はね、良作」

雷華「ありがとうございます……やっとまともな点数取れた気がする(笑」


・ゴジラVSメカゴジラ

 度重なるゴジラによる被害を重く見た国連はゴジラ対策センター及び対ゴジラ部隊Gフォースを結成し、日本に設置、破壊されたメカキングギドラを回収して23世紀の技術を手に入れ、究極の対ゴジラ兵器メカゴジラを完成させた。

 一方、ベーリング海のアドノア島で発見された卵からベビーゴジラが誕生。刷込みにより人間に友好的となったベビーゴジラを使い、ゴジラを誘き寄せる作戦をとるGフォース。同じくラドンも現れ、ベビーゴジラを巡って激闘を繰り広げる。


雷華「やっぱ平成シリーズ好きだな(笑」

小城「好きなシリーズでも見てないのは割とあるからね」

雷華「何よりもね、ラドンが活躍したのが嬉しい」※5


 ※5

 ラドン……プテラノドンの怪獣。初登場はゴジラシリーズではなく『空の大怪獣 ラドン』という映画から。ゴジラシリーズには第5作目『三大怪獣 地球最大の決戦』から同じく単独映画出身のモスラと共に登場する。最強の怪獣キングギドラに対して、それぞれ単独映画の主役であるゴジラ・モスラ・ラドンが協力して戦うという怪獣映画のアベンジャーズ的な形でゴジラファミリー入りしている。


小城「ゲスト枠で登場するんだよね」

雷華「最初、ラドンが出てくるとは思ってなかったからさ」

小城「あの作品だとラドン、めちゃくちゃいいポジションなんだよな」

雷華「タイトルの割にラドンめっちゃ活躍するじゃんって」

小城「スペゴジはまだ見てない?」

雷華「まだ見てない」

小城「実はゴジラはラドンの魂を受け継いだことでファイヤーゴジラになりかけてるんだよね。だから必殺技が強化されてるの」

雷華「ああ、そう言う……」

小城「確か熱線の色が違ったはずなんだよ。青い炎から赤い炎に変わってると思うんだよね。ひょっとしたらスペゴジからかもしれないけど」

雷華「それが結果的にメルトダウンに近づいて行くのね」

小城「加速した、て形かな。原子炉が歩いているようなものだから、最終的には同じ結末になるんだろうけど」

雷華「段階が上がってしまったってことか」

小城「ラドンの力で凄いパワーアップしたけど、その代償みたいな形だね」

雷華「ラドンが活躍したのは凄いよかったね。平成シリーズはラドンいないものと思ってたからさ」

小城「実はメカゴジにいるっていうね」

雷華「しかもかなり活躍するっていう」

小城「アンギラスは平成シリーズいたっけ、キングギドラか何かに」

雷華「アンギラスはいなかった気がする」※6

小城「平成ではいないか……」

雷華「平成以降だとファイナルウォーズしかいなかった気がする」


 ※6

 アンギラス……第2作目『ゴジラの逆襲』で登場した怪獣で、ゴジラが初めて戦った怪獣。第9作目『怪獣総進撃』で再登場した際にゴジラの良き相棒となり、共闘することが多くなる。平成シリーズでは終始出番がなく、ミレニアムシリーズの最終作(28作目)である『ゴジラ FINAL WARS』でのみの出番となった。

 ちなみに小城がキングギドラで出演したと勘違いしたのは、怪獣総進撃でゴジラと共にキングギドラと戦っているためだと思われる。


雷華「メカゴジラの設定も良かったよね。これまでのスーパー兵器の技術の粋を集めた機体は熱い」

小城「メカゴジラのディティールもよくない?」

雷華「わかる、あのデザイン超好きだよ」

小城「旧シリーズのラストになったのが、メカゴジラだったわけじゃん。あのデザインを踏襲しつつ、当時風に格好良くリデザインしたの凄いと思う」

雷華「旧メカゴジラも、この後に来る三式機龍も、デザインとしてはスリムな体型をしているんだけど、このメカゴジラは足が太いというか……」

小城「太ももだよね」

雷華「そう、太ももが特に顕著なんだけど、マッシヴな体型にしてあるのがいいよね。旧メカゴジラとの差別化もできてていいと思うし」

小城「このメカゴジラは、ゴジラの骨を使って作ったんだっけ?」

雷華「それは三式機龍の方だね、こっちはメカキングギドラの残骸を回収したやつ」※7※8

小城「そっちだ。未来の技術を吸収して作りましたって設定も良いんだよね」


 ※7

 三式機龍……第26作目『ゴジラ×メカゴジラ』第27作目『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』に登場したメカゴジラ。両作ではメカゴジラとあまり呼ばれず、基本的に三式機龍と呼ばれている。ゴジラの骨を骨格に使った一種の生態兵器。


 ※8

 メカキングギドラ……第18作目『ゴジラVSキングギドラ』に登場した兵器。ゴジラに敗れたキングギドラをサイボーグ化して有人兵器にしたもの。23世紀の技術が使われており、圧倒的な火力でゴジラを追い込むも、急ごしらえのために攻め切れず敗北する。今作のメカゴジラはその残骸を解析して生み出された、という設定。


雷華「そこにスーパーX1・2の技術も上乗せされてるんだよね」※9


 ※9

 スーパーX……「首都防衛移動要塞」とも呼ばれるVTOL機。それぞれ1号機がゴジラ(84年)、2号機がVSビオランテ、3号機がVSデストロイアに登場する対ゴジラ兵器。1.2号機は強固な装甲でゴジラの熱戦を受け止めつつ反撃する戦法をとっており、それが今作のメカゴジラにも生かされている。


小城「現在の対ゴジラ兵器+未来の技術力でそれを操作できるみたいな」

雷華「今回さらにベビーゴジラの情報からゴジラの弱点を知った上で、万全の対策をしてるからね」

小城「メカゴジラがガルーダと合体してスーパーメカゴジラになるっての言うのも、ゴジラとラドンのタッグに対する皮肉になってるんだよね」

雷華「ガルーダに乗るのがプテララノドン大好きな奴っていう(笑」※10※11


 ※10

 本作の主人公、青木一馬のこと。無類の翼竜マニアで、不真面目でお調子者ではあるが、技術者であり腕や発想は本物。彼の提案からスーパーメカゴジラが生まれることになる。


 ※11

 ガルーダ……メカゴジラよりも前に開発された対ゴジラ兵器。メカゴジラが完成したことでお蔵入りしていたのだが、メカゴジラを強化するために合体機能が付けられる。


雷華「あのギミックも最終的にシナリオの盛り上げと言うか、メカゴジラ単体だと、ゴジラに勝てないんだけど、ガルーダと合体したら機動力が上がってまともに戦えるという流れにして物語に起伏をつけたのも良いよね」

小城「ゴジラを模倣しただけでは勝てないからプラスαを用意するのは、素晴らしいよね」

雷華「序盤でラドンもメカゴジラも、ゴジラの前に一方的に倒されちゃって、そこでゴジラの強さを視聴者に意識させて、ガルーダと合体を経てゴジラとまともに戦えるようになったという見せ方がうまいよね。スーパーメカゴジラの強さがわかるからね」

小城「本当に格好いいよね、スーパーメカゴジラ。足の球体関節が素晴らしいんだよ。関節部分を球体にしてるから、無理がないアクションができてるんだよね」

雷華「デザインラインに曲線が入ったんだよね。旧メカゴジラはほぼ直線で作られたデザインをしてるんだけど、今回のメカゴジラは曲線を入れて動きに無理が出ないようにしてあるんだよね」

小城「旧メカゴジラってさ、言い方は悪いんだけど、寸胴に手足が生えてるようなデザインしてるじゃん」

雷華「あの時期のロボットのデザインのトレンドなのかな」

小城「メカゴジラとか、ニセウルトラマンとか、模倣してるんだけど、どこかチープになるってのは当時の美学だったんだろうね。本物と比べるとどこかダサいっていう。でもメカゴジラはそれを一新させたよね、模倣してるけど格好いい」

雷華「シンプルに格好いいんだよね」

小城「その格好良さがあったから三式機龍にも反映されたんだろうな」

雷華「旧メカゴジラはあくまで侵略兵器だったっていう部分もあるんだろうけど」

小城「宇宙人が作った兵器だからね」

雷華「今回は人類の味方としてのメカゴジラだったからね。そこら辺、違いはあるんだろうね。いやでも、あのデザインは格好いい」

小城「やっぱね、ゴジラ映画、メカ戦もやっぱ魅力だから。スーパーXから続く、『人類がどうゴジラに抵抗するか』てところも見所なんだよね」

雷華「ゴジラに限らないんだけど、円谷の作るメカニック超好きだわ(笑」

小城(笑)

雷華「ウルトラマンとかもそうなんだけど、好きなんだよなぁ(笑」

小城「リアル特撮で変形合体のギミックを持たせるの本当に卑怯なんだよね。今回のガルーダもそうだし、ダイナのガッツイーグルとかもね」

雷華「αβγに分かれるやつね。そっか、そうだねリアル特撮で合体するのは円谷の十八番かもね」

小城「スーパー戦隊が合体するのはわかり切ってるんだけどさ、そうじゃない作品で、メインどころじゃないのに変形合体のギミック持たせるのやたら格好いいんだよね」

雷華「わかる」

小城「ああいうの本当に好きでさ……それがわかるならスペゴジも見てください」

雷華「あ、はい(笑」

小城「後、ベビーゴジラなんだけど、あれは昭和シリーズのミニラを踏襲してるんだろうけど、デザインがシュッとしてて格好いいんだよね」※12


 ※12

 ミニラとベビーゴジラ……どりらもゴジラの子供。ミニラは昭和シリーズに登場した。ブサ可愛い見た目をしており、その見た目はかなり人型に近い姿をしているが、本作に登場したベビーゴジラはティラノザウルスに近い姿をしており、元々は恐竜だったことがよくわかるようになっている。


雷華「ベビーゴジラの絡ませ方も上手かったよね」

小城「これが後のスペゴジ、デストロイアに繋がっていく関係性になるからさ」

雷華「いやぁ、面白かったわ。何よりも怪獣バトルの回数が多かったのもよかった。最初のラドン、中盤のメカゴジラ、終盤のスーパーメカゴジラ、て90分映画の中に3回戦闘を入れたのも凄いし、それぞれ戦闘の特色が違うっていうのも純粋に凄いよね」

小城「1回怪獣が攻めてきて、その足元でどうするか、じゃないんだよね」

雷華「冒頭のゴジラ対ラドンは陸上の怪獣と空の怪獣との戦いじゃない、それでも圧勝するゴジラの力強さ」

小城「パワーこそ全てだ!てね」

雷華「で、メカゴジラとゴジラの初陣に関しては、ゴジラのパワーにメカゴジラが圧倒されてしまう」

小城「だから、スーパーメカゴジラになって挑む」

雷華「2回目はそれも踏まえて、挑むんだけどラドンもやってきて最終決戦ていうね。ちゃんと違う色をつけてるのも凄い」

小城「一戦目が怪獣島でやって、2戦目が郊外で、3戦目が千葉の幕張でのバトルだから、その都度、シチュエーションが変わっていくのもいい」

雷華「で、今回はそのシチュエーションが変わる理由にベビーゴジラを置いているのが上手いんだよ」

小城「そう、ゴジラとラドンが移動する理由ね」※13


 ※13

 ゴジラが同族であるベビーゴジラを追うのはわかりやすいが、ラドンがベビーゴジラを追うのは、托卵されて同じ巣で生まれたために同族と思っているため。


雷華「そう、2体の怪獣が移動する理由はベビーゴジラだし、人類側もそれをわかっていて利用する形で決戦の場を作るっていう、ちゃんとドラマとして出来てるのがうまい」

小城「うん」

雷華「シンプルにこの映画、色々と作りが上手い」

小城「平成シリーズは見せ方がよくわかってる。ストーリーも破綻してないし」

雷華「90分映画に全て詰め込んでるってのが凄いよ」

小城「だから完成度が高いんだよね。平成シリーズ」

雷華「無駄なところがなかったな、特にメカゴジラは。ちゃんと全部物語に絡んでるのは凄いと思う。……メガロ見ただけに(笑」

小城「メガロ見た後に見ると完成度の高さにビビるでしょう?(笑」

雷華「無駄なカーチェイスシーンないもんなぁ(笑」


 けちょんけちょんに言ってますが、メガロも面白い映画だと思っています。面白さの方向性が違うだけで。


雷華「世代ってのもあるけど、平成ゴジラは刺さるなぁ」

小城「平成ゴジラが刺さるのならば、そのままスペースゴジラも見て、モゲラいいわっていう俺らと同じ部族の人間になってください」

雷華「スペースゴジラ見た人、みんなモゲラ好きっていう(笑」

小城「過大評価じゃないから!(笑」


 モゲラの異様な人気。


小城「で、機会があれば、ガメラも見てください(笑」

雷華「面倒くさいファン来た(笑」

小城「映画としての完成度はね、三部作で完結してる分、ガメラの方が高いと思う」

雷華「ガメラ強火オタ(笑」


 この後、異様な熱量のガメラトークが入りましたが本編に関係ない上に長かったのカットします。


・次は何を見る?


小城「俺はお前を地獄に叩き落とす準備が出来ている」

雷華「待って、穏やかじゃない」

小城「待たない」

雷華「地獄に叩き落とすってどういうことよ?」

小城「ちゃんと見せるために予習もしてきました」

雷華「熱量が怖い」

小城「致命傷にならない程度の和ホラーを薦めようと思います」

雷華「なんでさ!?」


 雷華の苦手なジャンル:和ホラー


小城「そろそろ違うジャンル見ておくべきでしょう」

雷華「違うジャンルはまだいっぱいあるやん」

小城「せやな」

雷華「せやろ?」

小城「せやかて○藤!」

雷華「せやかてじゃないねん!お前の引き出しはそんなもんじゃないだろう!」

小城「引き出しそんなもんじゃないから、ここら辺でジャブを入れて」

雷華「なんでよ」

小城「大丈夫だとわかったら、本命を叩き込むみたいな」

雷華「意味がわからないよ」


 良い子は真似をしないように。


小城「大丈夫、タイトルを聞いたら興味湧くと思うから」

雷華「どういうこと?」

小城「というわけで、今回お薦めするタイトルは『コープスパーティー』です!」

雷華「あー、ゲームで有名な……」

小城「そう、それの実写版コープスパーティーです!」

雷華「えーっと……」

小城「それの1作目です!」

雷華「2作目あるんだ……」

小城「コープスパーティーはちゃんと2作目あるから

   ちなみに俺はゲームの方はPSP版をプレイしました」

雷華「ねぇ、アマプラの評価が2.5なんだけど?」

小城「……うん」

雷華「クローバーフィールドでも3あったよ?」

小城「今回に関してはね、別に面白くないです(断言」


 企画の趣旨をガン無視し始める小城。


小城「和ホラーを見せたいけど、ガチ目の見せたら引くじゃん!」

雷華「まぁ、引くよ!(笑」

小城「ギャグ目に見れる映画を探した結果がコープスパーティーなんだよ! ひぐらしはもっとギャグになっちゃうから!」

雷華「すげぇ、ひぐらしのアマプラ評価1.5だ……」

小城「ひぐらしよりはマシですね!」


 五十歩百歩である。


小城「今回、薦めるためにちゃんと見直したけど、なんら怖い要素はなかった」

雷華「それを、信じるとするか」


 戦々恐々。


雷華「でも評価が低いとちょっとワクワクするよね。俺だけ?」

小城「そういうところだぞ(笑」

雷華「おかしい、俺だけなのか」

小城「ゲームとしてはわりかし長いし、アドベンチャーゲームとしてはギミックがえぐくてゲームの方がまじ怖かった」

雷華(笑)

小城「ゲームの怖さが100ならゲームは20だよ」

雷華「えらい下がったな」

小城「展開は何も変わってないのに演出のせいで別にそこまで怖くないっていう。和ホラーを楽しめるようになるためにまず甘口のメニューで鍛えましょう」

雷華「甘口というか、これは苦味に行ってませんか……?」

小城「…………大丈夫!」

雷華「間が怖い!」

小城「和ホラーの何が怖いって唐突に呪いが発動する、てところあるじゃん」

雷華「わかるよ」

小城「霊的なものによる理不尽を受けるんだけど、コープスパーティーはそれが物理的なモノばっかなのよね。霊が物理的に襲ってくるみたいな」

雷華「ほう」

小城「物理ダメージ振り切ってるから、そんなに怖くないなって」

雷華「洋画のホラーに近い感じなんだね」

小城「雰囲気はね和ホラーを作ろうとしてるんだけど、やたらと物理に振り切ってるのでほぼ洋ホラーになってるかな」

雷華「はぁ……」

小城「だから頑張って和ホラーを見てください!」

雷華「はーい(渋々」

小城「ガチ怖くて鳥肌が立ちました、みたいなのを見たいけどなぁ」

雷華「俺は遠慮しておきます」

小城「ちゃんと見れてないから『仄暗い水の底から』を一緒に見るでもいいんだけどね」

雷華「友達と?」

小城「親友の雷華ってやつとさ」

雷華「こんな奴と見ない方がいいよ」

小城「怖いものを見て、本気で怖がってる人と見る方が楽しい」

雷華「楽しめる人と見ようや」

小城「見て『ふぅー!』とか言ってるやつと見てもしょうがないでしょう」

雷華「それも一興じゃないですかね!」


 これはあくまでも信頼関係の上で行なっていますので、良い子の皆さんは真似しないように。嫌がる人に無理やり見せるのは止めましょう。


雷華「『ハドソン川の奇跡』て見た?」

小城「戦争映画?」


 ちなみにここで小城は「遠すぎた橋」と勘違いした模様。


雷華「飛行機で川に着水したやつ」

小城「あー、話は聞いたことある」

雷華「じゃあ、これにするか。これね、邦題の悪いところが出てるの」

小城「ほう?」

雷華「タイトルだけ聞くと感動系の映画に見えるんだけど、実際はヒューマンドラマというか」

小城「ジャンルとしては『生きてこそ』と同じジャンルかな」

雷華「『生きてこそ』とはちょっと違うんだよ。タイトルだけ聞くと事故のことを扱っているのかな、て思うんだけど、この映画は事故の後に起きた出来事がメインなの」

小城「なるほどね」

雷華「これも実際にあったことだからノンフィクション映画なんだけど、感動系の映画かと思って見たらめっちゃ重いヒューマンドラマの映画です」

小城(笑)

雷華「だからこそ、ラストシーンが映えるんだけど」

小城「うむ」

雷華「原題と邦題が違いすぎてね、原題だと『Sully』て言ってね、意味合いとしては誹謗中傷する、とか貶すみたいな意味合いのタイトルなのよ」

小城「うむ」

雷華「生きてこそ、とは別方向でしんどい映画です。……大丈夫、人は死なないよ!」

小城「偽物かなこいつ?」

雷華「本物だよ!」



終わり。

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