番外編 ゴジラ対メガロ

雷華:Twitter:rairai345

好きなゴジラはVSビオランテ。企画の関係で平成シリーズは全部見たが、それ以外はわりととびとび。

アマゾンプライムビデオ。


小城:Twitter:ogisaburo

好きなゴジラはVSスペースゴジラ。これを気にガメラも見てほしいと思っている。

Hulu。


小城「いま暇?」

雷華「暇やで」

小城「それじゃあ見るか」

雷華「お、メガロ?(笑」

小城「そう(笑」


 そんな感じで始まったゴジラ対メガロ視聴会。ジェットジャガーが登場すると異様にテンション上がったり、『そうはならんやろ』と突っ込みながらも見終わった後の感想をまとめます。


・ゴジラ対メガロ

 197X年、アリーシャン列島のアスカ島で行われた国際核実験はゴジラたちの住まう怪獣島やシートピア海底王国にも大きな被害をもたらせた。これを地上人による攻撃だと受け取ったシートピアは青年科学者、伊吹五郎の作ったジェットジャガーを強奪、利用してシートピアの守護神メガロを地上に派遣し、報復攻撃を行う。

 防衛隊を壊滅させたメガロの前に伊吹五郎の活躍でコントールを取り戻したジェットジャガーは、地上を守るためにゴジラと協力してメガロと戦う! キャッチコピーは「海底王国のすごいやつメガロ! 傷だらけのゴジラ必殺のウルトラC!」


雷華「嘘でしょう……嘘でしょう??」(終了後最初に出た言葉)

小城(爆笑)


 あまりの内容に困惑してなんと言えばいいのかわからない雷華。


小城「誘っておいてなんだけど、今日の残ってた体力、全部持っていかれたわ(笑」

雷華「いやぁ……最後にゴジラとジェットジャガーが固い握手をするところには感動しましたよ(棒」

小城(爆笑)

小城「ゴジラ一人ではできなかったよね、フライングキック」

雷華(爆笑)


 これは是非、映画を見て確認してほしいのだが、飛び蹴りとかドロップキックとかではなく、直立不動の姿(仰向け)で飛んでいくので初見だと物凄いインパクトを受けるのである。


雷華「違うんだよな……なんでゴジラにキックさせた?? 100歩譲ってゴジラじゃなくてジェットジャガーにキックさせれば良かったでしょう」

小城「ちょっと待って水分補給させて(笑」

雷華「いいよ(笑」


 何故かめちゃくちゃ消耗している二人


小城「映画見て、疲れたって思ったのすげぇ久しぶり。映画見て良かったは結構あるんだけどな、余韻を楽しもうって映画じゃないんだよな(笑」

雷華「いやぁ、面白い映画でしたね!(笑」


 ヤケクソ気味。


雷華「いや、なんだろうね……違うんだよね、全体的に。ジェットジャガーの主張が激しんだよね」


 この映画の主役はゴジラです。


雷華「ゴジラ対メガロってタイトルついてるのにジェットジャガーの主張がめちゃくちゃ強い」

小城「ビオランテ以降の、平成ゴジラシリーズの出来が良かったことが凄いわかるよね」

雷華「(平成シリーズは)ドラマの部分しっかりしてたなぁ……」


 個人の意見です(強調。


雷華「全体的に嘘でしょみたいな展開が多い」

小城「そうはならんやろ、としか突っ込めない」

雷華「大まかなあらすじはなんとなく知ってたけど、ジェットジャガーと子供が交流して心が芽生えるんかな、て思ってたんですよ」

小城「そんなもん、あるわけないやん」

雷華「ジェットジャガーが意思に目覚めるみたいな展開、どこにあった!? みたいな」


 本当にないです。唐突に心が芽生えます。


小城「気づいてはいけないことに気づいてしまった」

雷華「なにさ」

小城「ゴジラ対メガロ、ヘドラよりも後だわ」

雷華「嘘でしょ」

小城「え、マジです……」

雷華「ヘドラでテーマ性に戻ったみたいな話してませんでした?」

小城「テーマ性に戻ったはずなんだけど、これはただプロレスしてましたね」

小城「戻りはしたけど、それがウケるかは別問題なんだろうな。エンタメ映画のほうがウケたんだろうな」

雷華「良いか悪いかは別として、全体的に怪獣がコミカルだよね」


 メガロがゴジラに向かってお尻ペンペンしたりとかね。


雷華「実はさ、今日さ、メカゴジラ見る前に復習しようと思ってビオランテとキングギドラ見たのよね(笑」

小城「最高やん」

雷華「その二作見た後にメガロ見ると温度差で脳がバグる」

小城「同じシリーズだと思えないんだよなぁ」

雷華「パンチパンチパンチ!じゃないんだよな」

小城「俺の脳にパンチパンチパンチされても困るんだが」

雷華「凄いよね、ゴジラが立ち去ってからジェットジャガーのテーマソングがかかるっていう。お前何様なんだよ」※1


 この映画の主役はゴジラです(二回目


 ※1

 今作の主題歌である「ゴジラとジェットジャガーでパンチ・パンチ・パンチ」のこと。困ったことに今作の雰囲気に非常にマッチしている。


小城「ゴジラの登場が最後の20分だけって言うのがやばいし、その20分が濃すぎる」

雷華「ゴジラが熱線をぜんぜん撃たなくて、めちゃくちゃ殴るじゃんっていう」

小城「しかもゴジラのパンチだけでダウンするガイガンがヤバくない?

   ちなみにガイガンはこの前の作品にでてた怪獣」※2

 

 ※2

 前作「地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン」。タイトルの通りにガイガンはこの作品が初出演作。ゴジラのヒーロー路線を確定させた作品でもあり、今作にも大きな影響を与えている。


雷華「人気があったんだろうなぁ……」

小城「あのデザインは受けたんだろうなぁ」

雷華「当時の空気感がわからないから、なんとも言えないんだけど、全体的にこう……雑ね(笑

   当時の人はジェットジャガーが急に巨大化したのをどう受け止めたんだろう」

小城「子供向け特撮としか受け止められなかったんじゃないかな。大人は無理でしょう

   リピーターがいなかったんじゃないかな。この映画、一回見たらなんか……もういいじゃん? 2回目見る?」

雷華「悩むなぁ……(笑」

小城「だから観客動員数、減ったんだよ」※3

雷華「でも、楽しいは楽しかったよ」

小城「ネタになったよ、本当に」


 ※3

 観客動員数は前々作のヘドラが174万人、ガイガンが178万人に対して、メガロは98万人と大きく減っている。昭和ゴジラシリーズとしては最終作のメカゴジラの逆襲の次に低い。


小城「あと、とどめを刺していないのは、今後のゴジラ映画で再利用しようと思ってたのかな」※4

雷華「まぁ、その今後がこなかったわけですけど」

小城「基本、一回こっきりで怪獣を使い終わる、てことはしてないんだよね」


 ※4

 メガロはゴジラに倒されることなく、地割れの中に落ちて退場する形となる。その地割れ自体はシートピアの入り口になっているので、おそらく死ぬことなく戻ったと思われる。

 結局、メガロはその後の映画でも再登場することなく、5分番組の「ゴジラアイランド」を除けば、映像作品に登場していない。アニメ作品の「ゴジラSP」には別の怪獣であるクモンガにメガロの意匠を組み合わせた個体が登場する。

 

雷華「メガロ君は萌えっ子よね。ダム壊したシーンで自分も流されてるの超好きなんだけど」※5

小城「なんでお前流されてんの(笑」

雷華「お前も流されるんかいて(笑」

小城「ダム壊す理由もわからんし」

雷華「多分、ダム壊して洪水を起こす作戦だったのかな……」


 ※5

 今作で一番力がこもっているであろうシーンで、オープンセットで作られたダムをメガロが突き破って破壊するシーンはとても見応えがあるのだが、水量に押し負けたのか破壊したメガロ自身が流されてしまうという、なんとも締まらない結果に。


小城「俺ヘドラがもう少し後の作品だと思ってたんだわ。内容も原点回帰だしさ、公害に対してのアプローチだったし。そしたらまさかのメガロの前だなんて」

雷華「でもまぁ、お馬鹿映画として楽しめたからよかったんじゃないかな」

小城「B級映画でもここまで破綻したストーリーはないよ」

雷華「ストーリーあった?」

小城「ないよ(即答」

雷華「全部をエンタメに振り切っていたな、というかその場の勢いで作ってる感じしたな」

小城「ライブ感を大切にしてるよね。ゴジラ対メガロはライブ感だわ」


 ゴジラ対メガロはライブ感(パワーワード


雷華「いやまじカーチェイス長いんだわ(笑」

小城「この時期の特撮だとカーチェイスに尺をつけたいのわかるんだけどさ、目に見えてわかりやすいし、アクション性があるから。でもちゃうやん、これ怪獣映画やん」


 この映画の主役はゴジラです(3回目


雷華「それ求めて見に来てないんだよな」

小城「もう全てが荒い。何をしてるのかはわかるんだけど、それに繋がる台詞を言ってくれないから、お前の行動が何一つ、伝わらない」

小城「あのセクシーなお姉さんたちが踊っていたのはなんだったの」※6

雷華「あれはメガロを起こす儀式、なのかな」

小城「ふいんき(変換できない)みたいなもんじゃん」


 ※6

 メガロ登場前にシートピアで行われていた謎の儀式。ビキニ姿の美女たちが踊るのを背に司令官がメガロに出撃命令を出すというよくわからない光景。


雷華「なんだろうね、そう言う感じのことをしてるんだろうな、てシーンが多かったね(ただし説明はない」

小城「トラックからコンテナポーンしてから全員が生き残ってるのもおかしいしさ」※7

雷華「あそこ完全にギャグなんだよな。トラックからコンテナが落ちました、メガロが弾きました、飛んで行きました、助かりました、はおかしいだろって」

小城「て言うか、それに対して簡単に発見しちゃうもおかしいんだよな。GPSついてるのか」

雷華「その前に、落ちるか、落ちるのか、て散々引っ張ったのに簡単に落ちてメガロがポーンとするのほんと笑ってしまうんだよな」


 ※7

 シートピア人に捕まった主人公がコンテナに閉じ込められ、そのコンテナごとダムに沈められそうになるのだが、落ちた瞬間にメガロが打ち上げて山一つ飛び越える距離を飛んで落下する。それにも関わらずにコンテナも主人公も無事というツッコミどころが満載のシーン。


小城「後、追い剥ぎ連中やばったよね、良いからコンテナを落としてくれ、てそんなことやってやれるか、て車強奪して逃げる」※8

雷華「あいつらまじわけわかんないからな」

小城「あいつらこそライブ感の産物だからな」

雷華「凶悪なんだよな、10万もらった雇い主を車から突き落とすし、かと思ったら車強奪して逃げるし」


 ※8

 シートピア人に雇われたトラックのドライバー二人。コンテナ輸送中にシートピア人と口論になり、トラックから突き落して(!?)結果的にシートピア人を倒す。その後、依頼主がいなくなったのにコンテナ投棄を強行するも怪獣が出てくると主人公たちの車を強奪して逃げる(!?)というモブキャラの割に妙に記憶に残る活躍をする。


小城「情報が飽和してるんだわ、情報量が多すぎて追いつけないんだわ」

雷華「突然、訳のわからないシーンを突っ込んでくるんだよね」

小城「しきりにジェットジャガーがゴジラに握手を求めるのもヤバイ」

雷華「何回、あいつら握手した? 20分で3回ぐらいしなかったか?」

小城「犬神家してるジェットジャガーを掘り起こすゴジラの図もやばい」

雷華「そのシーン、やたら尺が長いんだよな。早く引き抜けやって」

小城「ジェットジャガーが視界から消えると速攻でやられてるのも笑う」

雷華「ジェットジャガー対ガイガンでゴジラ対メガロに分かれて、ある程度ゴジラの方が落ち着いて振り返ったらジェットジャガーが埋まってるっていう」

小城「助けに行ったら、火に囲まれて身動きできなくなるっていう」

雷華「どうする?てなったら」

小城「ジェットジャガーは飛べるぞ!ていう」

雷華「いちいち、危機を煽るシーンが長い割に単調なんだわ」

小城「途中に挟まるドラマを全カットしてるからさ、ゴジラたちの行動に対して登場人物の解説がないから、ただただ最後の20分間、ゴジラのプロレス見てるっていう。そこを映像の面白さで乗り越えようとしてるから、妙な面白さがあるんだよね。ツッコミがしやすい」

雷華「ワンシーンワンシーンの戦闘が単調に感じるんだよね」

小城「本当だったら冒頭にゴジラとメガロが戦って、ゴジラやばいこのままじゃ勝てないから撤退だ!とかドラマを挟んで戦いの展開を変えてればよかったんだけどね。平成シリーズとかそういう展開多いじゃん」

雷華「戦闘が1回だけなんだよね。で、そこで全部やろうとしてるんだよな」

小城「そこで全部片付けてるから、仕切り直しをしろよっていう(笑」

雷華「凄い……凄いなー」

小城「逆に、人間の声を入れないで20分間プロレスしたのは凄いと思う」

雷華「それはそうだね」

小城「苦戦する展開、逆転する展開、あのアクションシーンで全て出し切ってるからそこは純粋に評価できるんだけど」

雷華「うん」

小城「ただただシナリオの不備でそうなってしまった気がして、複雑な気持ち」

雷華「最後はバトルで締めればいいか、みたいに感じるんだよな」

小城「ゴジラが完全に助っ人外国人枠だったからさ」

雷華「ゴジラシリーズの割にゴジラの扱いがクッソ軽いんだよなこれ」

小城「なんか別の単独映画を作りたかったのかな」

雷華「完全にジェットジャガーの映画にゴジラが出演します、て流れなんだよね」


 この映画の主役はゴジラです(4回目


雷華「キャッチコピーがさ、海底王国のすごいやつメガロ! 傷だらけのゴジラ必殺のウルトラC!てなってるんだけど、ウルトラCって何?」

小城「フライングキック」

雷華「それかぁ」

小城「後、傷だらけになったのはジェットジャガー」

小城「ゴジラとジェットジャガーでパンチパンチパンチは確かに内容とは合ってるんだよな」

雷華「合ってるだけに余計にタチが悪いんだよな」

小城(笑)


 主題歌とともに主人公たちと共に去っていくジェットジャガーの姿は、ゴジラ映画であることを除けば違和感はなかった。


小城「調べてみたんだけど、スケジュールの都合でこうなったって感じみたい」

雷華「あ、これテーマに一応反核があったのね……」

小城「核実験を続ける限り、こういった戦いがまた起こるかもしれないっていう皮肉だったわけね」

雷華「なるほどね」

小城「これ、よくあるワンマン体制で作ったらこうなるよねって言うパターンかな」

雷華「ひょっとしたら、そうかもしれないね」

小城「脚本依頼をした人が間に合わなかったから、監督が脚本を起こした。監督がやりたいことを詰め込んだ自己満足作品になってしまったところはあると思う。カーチェイスシーンも、本編に他にも何か見せ場が欲しいと言う福田監督の意向で入れられたみたい」

雷華「そこは普通にいらなかった……」


 念のために擁護しておくと、カーチェイスシーン自体の出来は非常に素晴らしかった。


雷華「それだったらメガロの活躍シーンを増やせっていう」

小城「低予算映画って言うのはなんとなくわかる」

雷華「そうね」

小城「低予算で時間もないな中で撮影場所と出演者を絞って低予算で組まれてたのはよくわかったね」

小城「反核っていうテーマ性はよかったけど、よくわからなかったというか、映画内で重要視されてないだろ」

雷華「まぁ、反核のテーマわかった?て言われるとわかんねぇ、てなる。どこら辺にあった?て言う」

雷華「確かにシートピア人との対立のきっかけになったのは核実験だったけど、そこらへん深掘りされなかったしな」

雷華「だからカーチェイス入れる前にそう言うところ入れなさいよ(笑」

小城「今週の映画をこれにしないでよかった」

雷華「本当にね……逆に盛り上がったかもしれないけど」

小城「辺な盛り上がり方しただろうね」

小城「今日、なんか魔がさして誘ったけど……ごめんとは言わないから!」

雷華「なんで俺はビオランテとキングギドラ見た日にこれを見る羽目になったんだ(笑」


終わり。

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