第4回② 次回は何を見る?

 ※ゴジラシリーズのネタバレが多く含まれています。ネタバレが苦手な方はご注意ください。


小城「今回もね、すでに決めてきてるんだ」

雷華「お、早いね」

小城「俺もね、ちゃんと見てないからこの機会に見返したい映画なんだけど、もしかしたら見てるかもしれない」

雷華「俺が見てる可能性がある映画なんだ」

小城「見てる可能性はめちゃ高い」

雷華「ほう、なんだろ?」

小城「ゴジラ対ヘドラです」

雷華「あー、それは……見てる(笑」

小城「見てたか」

雷華「子供の頃にね、地上波とかで」

小城「そっか。なんでヘドラかって言うとね、ゴジラの転換期に当たる映画だからさ」

雷華「ふむふむ」

小城「ゴジラのスタートが原爆から生まれた怪獣が日本を襲う、巨大な怪獣の前にどうする子もできない、ただ怪獣が街を破壊するだけで、すごい、て感じだったんだけど」

雷華「うむ」

小城「モノクロからカラーに変わったぐらいで、エンタメに比重がおかれてきて、ゴジラと他の怪獣を戦わせます、になってきたんだよね」

雷華「良くも悪くもエンタメ重視になったんだね」

小城「エンタメ映画になった後、一周回って社会問題に立ち返って公害問題から生まれたヘドラを作ることで、最初のテーマ性に戻したのがゴジラ対ヘドラなんだよね」

雷華「シリーズの中でも重要なポジションなわけね」

小城「その後からね、平成シリーズに入っていくんだけど、ゴジラシリーズの転換期となる作品だからゴジラ好きとしては抑えておかないといけない作品だなって」


 小城による熱いゴジラ語り(これでもちょっと端折ってます。

 また、容赦なくネタバレを小城が言っていますが、雷華に許可を取ったうえで語っています。


小城「個人的な好みを言えばね、ゴジラVSビオランテかゴジラVSメカゴジラ(93年)が好き」

雷華「ビオランテは俺も好き(笑」

小城「でもね、ゴジラVSスペースゴジラも捨てがたいんだ」

雷華「実はスペースゴジラ見たことないんだよな」

小城「マジで?」

雷華「そう、かなり飛び飛びでしか見てないんだよゴジラ」

小城「平成シリーズはどこまで見た?」

雷華「えーっとね、どうだったかな」

小城「順番に確認しようか、ビオランテ」

雷華「見た」

小城「キングギドラ」

雷華「見てる……はず(曖昧」

小城「モスラ」

雷華「見た」

小城「メカゴジラ」

雷華「それは……見てない」

小城「メカゴジラを見てない?」

雷華「見てません」

小城「ならね、スペースゴジラはメカゴジラの後に見てほしい」

雷華「そうなの?」

小城「重要なキャラクターがね、共通して出てるので、メカゴジラ見た後の方がいい」

雷華「なるほどね」

小城「で、最後にデストロイア」

雷華「見た」

小城「デストロイアに出てきたベビーゴジラいるでしょ、あれの初登場はメカゴジラなんだよ」

雷華「そうなんだ」

小城「メカゴジラの時に出てきて、人間と友好的に接触したから、人間に対して好意的なんだよ」

雷華「人間が嫌いってわけじゃないんだ」

小城「デストロイアで街とか破壊しなかったでしょ?」

雷華「確かに、言われてみれば」

小城「あれはね、メカゴジラの時に人間と交流してるからなんだよ」

雷華「そういう繋がりもあるんだね」

小城「スペースゴジラでもね、重要なポジションというか、火種になるんだよね」

雷華「ベビーゴジラの変遷というか、そこに繋がりがあるんだね」

小城「デストロイア見てるなら、メカゴジラとスペースゴジラは見てもいいと思う」

雷華「そうなの?」

小城「その二作は平成ゴジラシリーズの中でも群を抜いて面白いから」※6

雷華「そこだけちょうど見てない(笑」


 ※6

 ゴジラには放映された期間によって大まかに分類されており、昭和に作られた初代から15作品目までの昭和ゴジラシリーズ(第1期)、第1期から9年の期間を経て平成の時代に作られた16作目から22作目までの平成ゴジラシリーズ(VSシリーズ・第2期)、2000年から作られた23作目から28作目までのミレニアムシリーズ(第3期)と大きく三つに分けられている。昭和・平成・ミレニアムとつけられてはいるが、平成シリーズの1作目のゴジラ(84年)は昭和だったりと、あくまで制作時期が近いものが固まっているだけの大雑把な分類であり、人によっては含める含めないが別れたりする。シン・ゴジラやモンスターバース、アニメ三部作などもこの分類では入っていない。

 今回の会話では17作目から22作目までは平成シリーズとして扱っている。


小城「この二作はね、デストロイアに繋がる作品なのよ」

雷華「そうなの?」

小城「要所要所でゴジラのメルトダウンの伏線が貼られてるのよ」※7

雷華「あ、そうなんだ。それでデストロイアでメルトダウンが云々の話が出てくるのね」


 ※7

 ゴジラVSデストロイアではゴジラは体内炉心の暴走により核爆発一歩手前の状態になっている。その状態のゴジラをいかに被害を出さずに処理するか、が人類側の大きな目標となっている。


小城「スペースゴジラの誕生もね、過去の作品の出来事が関わってたりするの。キングギドラでもビオランテの話が関わってくるし、平成ゴジラシリーズは全部繋がりがあるんだよ」

雷華「それは知らなかった」

小城「ビオランテ以降はね、デストロイアまで全部繋がってるんだよね。で、最後にゴジラのメルトダウンが起こるっていう」

雷華「なるほど」

小城「ヘドラ見てるんだったら、メカゴジラでも良いかな。見やすいし、面白いし」

雷華「じゃあ、メカゴジラにする?」

小城「だって、平成ガメラも見てるでしょう?」

雷華「……実は見たことないです」

小城「マジで言ってんの?」

雷華「昭和ガメラは何作か見てるけど、平成の三部作は全部ノータッチです」

小城「え、小さき勇者たちは?」

雷華「見てないです(笑」

小城「あの映画はね、平成三部作の完成度が高すぎて、小さき勇者たちはすごいガッカリしたファンが多いんだよ(笑」

雷華「小さき勇者たち自体の完成度は高いの?」

小城「平成ガメラ三部作で書かれたダークな作風じゃなくて、『ガメラは子供の味方』てのをやったのね。平成三部作のダークな作風でガメラは人類の味方なのか? て後にそれをやったから戸惑いが大きかった」

雷華「それはファンも戸惑うわな(笑」

小城「平成三部作が有名になってしまって『ガメラはダークな作風』て思ってる人が多くなっちゃったのよ」

雷華「下手に間が空いちゃっただけにね」

小城「そう、昭和ガメラに原点回帰したのは逆に面白かったね、てなるんだけど。作品としては悪くないけど、平成三部作のとばっちりを受けた感じ」

雷華「ガメラも大変だな……」

小城「ガメラ3が大好きだから見て欲しいんだけど、その前にガメラ1・2を見ないと話にならないから、ここでは出しにくい(笑」

雷華「そうね」

小城「別に単独でも十分面白いんだけど、それで語ってほしくもないなって」

雷華(笑)

小城「平成ガメラ見てないんだったら、平成ガメラを見てもらっても良いんだけどな」

雷華「ガメラはね、あんまり作品を見てないから思い入れは低いんだよね」

小城「俺の中ではね、ガメラはゴジラと同じぐらいなのよ。俺の中ではどっちも平成シリーズで完結してて、小さき勇者たちも、ミレニアム以降のゴジラも、あんまり俺の中では評価は高くない」

雷華「うん」

小城「だからね、その時代のガメラとゴジラは面白かったという話もしたいからガメラ一作目を進めたいんだけど、そうしたら絶対に二作目三作目も見ろって言っちゃうしな……」

雷華「面倒くさいオタクの心理でとる(笑」

小城「好きなものを薦めようとすると害悪になるんだよ、見るなら全部見て欲しい(笑」


 薦められない理由『愛が重すぎる』


小城「あえて逆行してゴジラ対メガロでも良いけど」

雷華「あ、見たことないわ(笑」

小城「ゴジラSPで出てきたジェットジャガーの元ネタはこれです、でしかないんだけど(笑」※8


 ※8

 ジェットジャガーはゴジラ対メガロに登場したロボット。脚本に『仮面ライダーのようなロボット』と記述されているように、かなりヒーローチックなデザインの上、良心回路の影響から正義の意思が芽生えて巨大化する(!?)というあまりにもぶっとんだ設定からファンの中でも否定的な意見が多いキャラクター。


雷華「昔はファンの中でも駄作って言われがちだったけど、ゴジラSPで注目された結果、お馬鹿映画に認知が変わったよね」※9

小城「面白いから見てとかじゃなくて、単にジェットジャガー繋がりでみようぜっていうしょうもない理由なんだよね」


 ※9

 ゴジラSP(シンギュラリティポイント)は21年のアニメ作品。歴代ゴジラシリーズの怪獣が登場するのだが、ラドンやアンギラスといったメジャーな怪獣から、クモンガやバラゴンと言ったマイナーな怪獣が登場するほか、ジェットジャガーが主役級の扱いをされているこでファンの間で話題になった。


雷華「でも困ったことに見たことはないんだよ(笑」

小城「なんでのり気なんだよ(笑」

雷華「さっきも話したけど、お馬鹿映画は好きだからね(笑」

小城「何がってちょうどゴジラがエンタメしてた時期の作品なんだよな」

雷華「そうそう」

小城「ゴジラ強いぞ、他の怪獣と戦え!みたいな時期(笑」

雷華「人類の味方してたゴジラ(笑」


 エンタメしてる時期のゴジラもそれはそれで面白いんですよね。


雷華「え、じゃあメガロで行く?」(ノリノリ

小城「それはそれでなんかちょっと…(笑」

雷華(笑)

小城「怪獣映画を見たいけど、どうするかな……もう選んでもらうか」

雷華「おう(笑」

小城「平成ガメラ1作目か、ゴジラVSメカゴジラか、ゴジラ対メガロ(笑」

雷華「メガロ選びてぇ……(笑」


 ネタを選びたいという欲求。


雷華「うーん……メカゴジラにするか」

小城「真面目なところ選んだ(笑」

雷華「悩んだけどね(笑」

小城「メカゴジラ見るなら、スペースゴジラも見てほしい。個人的に最推しのモゲラが登場する」

雷華「スペースゴジラ見た人、みんなモゲラ好きっていうよね(笑」

小城「スペースゴジラのモゲラ、めっちゃ格好いいんだよ(笑」

雷華「えーっと、じゃあ次は俺か」

小城「うん」

雷華「SINGって見たことある?」

小城「あー、金ローか何かで流しっぱなしにしてたのをチラ見した程度かな。記憶にはほぼない」

雷華「なら、それで行こうかな……金ローってことは吹き替えで見た?」

小城「うん、今回も吹き替えで見ようと思うけど」

雷華「あー……できれば字幕で見てほしい」

小城「ほう?」

雷華「吹き替えでも良いんだけど、これミュージカル映画なんだけど、声優さんに歌を本職にしてる人を呼んでいるので、できればオリジナルの音声で見て欲しい、てのがある。まぁ、吹き替えも声優さんに歌手を呼んではいるんだけど」※8


 ※8

 厳密にいうとミュージカル映画ではないのだが、声優には歌がうまかったり、歌手経験のある俳優や、シンガーソングライターが起用されている。吹き替え版でもスキマスイッチの大橋卓弥やMISIA等の歌手、坂本真綾や宮野真守といった歌手としての実績をもつ声優が起用されている。

 歌が上手いと有名な芸人の斎藤司も吹き替えで起用されているが、持ちネタをディズニーを無理やり説得して入れたことが話題になった。実をいうと私が本作の吹き替えを好きじゃないのはそれが影響している。


小城「それを言うとね、次に勧める映画が決まるかもしれない」

雷華「なんかフラグが立った?(笑」

小城「役者を集めたってなるとね、ブルースブラザーズを見てくれ、てなる」

雷華「あ、見たことない」

小城「かなり大物の歌手が登場する上にね、今では撮れないんじゃないかっていうカーチェイスもあって今の時代では作流には予算的に厳しくなりそうな映画」

雷華「へぇ、気になるな……」

小城「待って、SINGってことはあれじゃん、お前が薦めてる映画なのに人が死なない」

雷華「そう、今回は人が死なないんです!!」(強調

小城「奇跡じゃん(笑」

雷華「それも考えて選びました」(ドヤ顔

小城「お前、人が散々ネタにしたからって……(笑」

雷華「俺への偏見を払拭したいな、て思ってね! 血が出ない映画をお薦めしたのよ!」

小城「必死か(笑」


次回「SING/シング/ゴジラVSメカゴジラ」

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