第2回 アウトブレイク/超高速!参勤交代

雷華:Twitter:rairai345

ワクチン2回摂取済み。ファイザー製。副作用で下痢になり、死にかけた。アマゾンプライムビデオ。


小城:Twitter:ogisaburo

ワクチン1回摂取済み。モデルナ製。副作用は腕が痛くなる程度で終わった。Hulu。


・アウトブレイク(雷華推薦)

 アフリカ・モタバ川で発生したモターバ・ウィルスにより一つの村が壊滅した。現地調査に訪れた軍医研究所のサム・ダニエルズはその脅威を目の当たりにしたことから軍に警戒態勢を進言するも、却下され、自身も担当から外されてしまう。

 そんな中、密輸された猿によってウィルスがアメリカに持ち込まれ、カリフォルニア州の街でパンデミックが発生する。サムは元妻であるロビー・キーオと共に致死率の非常に高い殺人ウィルスの封じ込めと血清の開発のために奮闘することとなる。


雷華「勧めてから気づいたんだけどさ、これかなりタイムリーな映画だよね」

小城「本当にな(笑)」

雷華「場所によってはコロナウィルスの学習に使った学校もあるらしいよ」

小城「確かに感染症の怖さについては嫌ってほど伝わる映画だよね」

雷華「個人的には結構好きな映画なんだけど、どちらかと言えばマイナー気味の映画なんだよね。どうだった?」

小城「点数にするなら、65点ぐらいかな」

雷華「あら、微妙なライン」

小城「物語の鍵になる猿※1の発見の流れが少し都合が良すぎてファンタジーになっているのがね」

雷華「あー、偶然、見つかるって感じだからね」


※1

 映画のポスターやパッケージにも載っているシロオマキザル。作中において猛威を振るうモターバ・ウィルスの宿主であり、そのために抗体を持っているために問題解決に必要不可欠なのだが、密売人が森の中に逃したために居場所が分からなくなってしまう。

 だが、テレビで捜索を募ったところ、割とあっさり見つかってしまい、むしろ機密保持のために主人公を殺そうとする軍上層部とのドックファイトのほうが気合が入っている。


小城「パンデミック映画として他の描写がしっかりしてるだけに、そこだけが浮いちゃってるのが残念だったね」

雷華「あー、確かにそうかもね」

小城「あとね、主人公が軍属の割に命令違反しまくりでさ」

雷華「作中だと守っている方が少ないぐらいだしね(笑)」

小城「これ軍隊が悪者だったからこそ許されてるけど、そうじゃなかったら問題行動ばっか起こしてるよね」

雷華「最終的にはヘリ強奪するからね、そりゃ撃墜命令も出るわな(笑)」

小城「どうしてもそこら辺が気になってしまったね」

雷華「なるほどなぁ」

小城「でも、主人公とヒロインが命を守る活動を通して復縁していくのはよかったよね」

雷華「二人とも命を守ることを最優先するから、こういった危機を前にすると息が合うんだよね」

小城「そういえば、一つ気になってるんだけど、中盤くらいでお母さんがウィルス感染して隔離される家族さんの描写があるじゃんか」

雷華「あるね」

小城「あのあと、あのお母さんがどうなったのかフォローが一切なくて(笑)」

雷華「いやぁ、助かったんじゃないんですかね(笑)」

小城「終盤のヒロインもかなり危なかったじゃん?」※2

雷華「そうね」


※2

 感染者の治療にあたっている最中に些細な事故でヒロインもモターバ・ウィルスに感染してしまう。後半からはヒロインの死亡までのタイムリミットが迫る中で、ワクチン開発のために猿が見つかるか、という時間の戦いになるも、何とか間に合いヒロインは助かる。


小城「時間の流れを見ると助かってない可能性もあるんじゃないかって」

雷華(笑)

小城「せめて、エンディングで元気になったワンシーンを写すとかしてほしかった(笑)」

雷華「助かってると信じよう」

小城「不満がないわけじゃないけど、感染症の怖さを十分に伝えてるし、十分に面白い作品だと思う」

雷華「今でこそ、人に見てほしい映画だよね」

小城「いや、俺の知り合いにコロナの被害者いなかったから良かったけど、いたら最悪だったからね」

雷華「確かに、それだったら俺、最低だわ(笑)」

小城「とりあえず、ワクチン2回目しっかり受けるわ」

雷華「感染症、怖いからね」


・超高速!参勤交代(小城推薦)

 陸奥国磐城の小藩・湯長谷藩の藩主・内藤政醇は、1年間の江戸での勤めを終えて湯長谷に帰国した。ところが、それから間もなく帰国を果たしたばかりの政醇に対し、湯長谷藩が所有する金山の調査結果に疑義があるため、事情説明のために「5日のうちに再び参勤せよ」との命が下る。先の帰国で予算をほぼ使い果たした上に通常ならば10日はかかる距離に湯長谷藩は頭を抱えるも、お取壊しと嫌疑の払拭のために節約しつつ高速で参勤交代を目指す。

 しかし、その背景には無理難題をふっかけて湯長谷藩を取り潰し、金山を手に入れようとする松平信祝の謀略があった。


雷華「いや、すごく面白かったわ」

小城「お、マジで?」

雷華「それなりに有名な映画だからあらかたあらすじを知ってたから、コメディ映画だと思ってたんだけど、内容はちゃんと時代劇してて感心したわ」

小城「ストーリーがしっかりしてるんだよね。最初はコメディ色が強いんだけど、徐々に真面目な話になっていく、ていう」

雷華「ちゃんと私腹を肥している悪代官がいるんだよね」※3


※3

 登場人物の松平信祝のこと。主人公たちの藩にある金山(実際は金山ではなく、松平の勘違い)を狙い、潰すために様々な暗躍をする。本作における黒幕。


雷華「悪党がいて、ちゃんと最後に成敗される、ていう時代劇の体裁をしっかりと取ってあるんだよね」

小城「勧善懲悪なんだよね」

雷華「構成が上手く作られてて、自然にギャグからシリアスに移っていくので違和感も少なかった」

小城「最初は悪い奴も無理難題をふっかけてるから成功しないとたかを括ってるんだけど、主人公たちはコメディ混じりにそれを突破するから、慌てて処理しようとしてボロを出していく、ていう」

雷華「それがきっかけで破滅していくんだよね」

小城「キャラクターも個性的で親しみがあるんだよね。主人公が、貧乏大名だけど農民たちから慕われているっていう」※4

雷華「本来であれば時代劇で悪党になりがちなポジションを、貧乏大名でちょっと情けない感じにしてるから親しみやすく感じるし、本来であれば権威の象徴たる大名行列をコメディに描くことができるんだよね」


※4

 内藤政醇。主人公で根っからのお人好しなために部下からも色んな小言を言われているが、そのために慕われている。作中において、その人の良さが最終的に彼を助けることになる。


雷華「個人的には雪隠段蔵が好きかな。主人公に絆されていく感じが凄い好き」※5

小城「彼は続編でも大活躍するよ」


※5

 主人公たちに協力する忍者。里を抜けた抜け忍であり、報酬を目的に協力をする。最初はお人好しの主人公たちを内心、馬鹿にしていたのだが、徐々に主人公たちに絆されていく。


雷華「タイトルでコメディ一辺倒の映画に勘違いされそうだけど、一本の映画としての完成度が高いよね。笑いあり、感動ありで、アクションも見応えがある。いい作品だったよ」

小城「いやぁ、オススメした映画を好きって言われるとやっぱ嬉しいわ(笑)」


・次は何を見る?


小城「次は何を勧めようか、悩んでるんだよね」

雷華「意外と映画が少ないよね、Hulu」

小城「まぁ、特撮作品目当てで登録したからなぁ」


※互いにHuluで映画を検索しながら話しています。


雷華「ダブルヘッドジョーズにシャークネードシリーズあるじゃん」

   ※令和3年10月3日現在

小城「でもジョーズはないんだよ」

雷華「何でだよ(笑)」

小城「邦画ですすめたい作品はあるんだけど、原作付きとかが多くてな……」

雷華「例えば?」

小城「破裏拳ポリマーとか」※6

雷華「流石にそれは原作を見るのが大変だな……(笑)」

小城「リメイク映画だけど、リスペクト部分が多いから原作見た上でのほうが面白いからなぁ」


※6

 74年のアニメ。全26話。2017年にリメイク映画が作られている。


雷華「別に邦画に拘らなくていいよ。洋画でも好みは違うし」

小城「そうね……」

雷華「俺も二作連続でパニックものだったし、違うジャンルをすすめたいな」

小城「下手な作品すすめて微妙だったって言われるの嫌だしな」

雷華「確かに(笑)」


 そんな話をしながら十数分。


雷華「あ、『生きてこそ』があるじゃん。これにしようかな」

小城「『Alive』てやつ?」

雷華「そうそう、雪山に墜落した飛行機の生存者の体験を映画化したノンフィクション映画。感動系の映画になるのかな」

小城「じゃあ……『許されざる者』と『ソードフィッシュ』があるけど、どっちがいい?」

雷華「そうね……げ、どっちもアマプラにないのか」

小城「マジか、違うのにする?」

雷華「いや、Netflixにソードフィッシュがあったわ」

小城「ソードフィッシュはね、こんなに勝てそうにない悪党はないな、て感じかな」

雷華「アウトロー映画なのね」

小城「そうそう。それじゃあ、このふたつで」

雷華「おけ」


次回「生きてこそ/ソードフィッシュ」

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