第3回 生きてこそ/ソードフィッシュ

雷華:Twitter:rairai345

最近、Vtuberの切り抜きを見るのが楽しくなってきた。伊藤ライフ先生が好き。洋ホラーは見れるけど和ホラーは苦手。

普段はアマゾンプライムビデオだけど今回はNetflix。


小城:Twitter:ogisaburo

推しのVtuberがいる。ホラーについては和洋関係なく行ける。

Hulu。


・生きてこそ(雷華推薦)

 ウルグアイ空軍機571便遭難事故を題材にした(正式にはピアズ・ポール・リード著『生存者』を題材にした)ドキュメンタリー映画。ウルグアイのステジャ・マリス学園のラグビーチームとその親族を乗せた旅客機がアンデス山脈で墜落する。奇跡的に生き残った生存者たちはまともな装備もない中、真冬の雪山でサバイバルを強いられる。絶望的な状況下でも諦めずに懸命に生き残ろうとする生存者たちの物語。


小城「お前が推す映画って理不尽に人が死ぬよね」

雷華「……偶然ですよ」

小城「ジュラシック・パークもだし、アウトブレイクもそうだし、そしてこれも……」

雷華「映画って誰かしら死ぬものでしょ!」

小城「死なない映画もあるよ、青春映画とか」

雷華「青春映画でも死ぬときは死ぬよ!」

小城「お前はそういうの滅多に見ないでしょうが(笑」


 閑話休題


雷華「で、どうだった?」

小城「ノンフィクション映画ってことで、壮絶な展開というか、人間が自然の脅威に対して如何に無力かがよく描かれていた」

雷華「実際にあった事件、ていうのがね。余計に重く感じるんだよね」

小城「主人公のポジションの子がいいよね。意識不明から生還して、妹を亡くして、それで救援を求めに下山してっていうのがドラマチックで」※1


※1

 事故の生存者の一人、ナンド・パラードのこと。母親と妹と一緒に飛行機に乗り、唯一生き残った。母親は事故で死亡、妹は衰弱死することになる。本人も事故の際に頭を強打し、数日の間、意識不明となりながらも意識を取り戻し、その後は生存者の中心人物の一人となった。少ない装備の中で、下山を行い、救援を呼ぶことに成功する。


雷華「中盤で起こる雪崩に巻き込まれた部分が本当に絶望的なんだよね」

小城「あの極限の中で生き残れたのは凄いな、て。いろんな要因があったんだと思うんだけど。人肉を食べたことで食料問題が解決したこととか」

雷華「雪山だから、死亡者の遺体が腐らなかった、てのも大きいんだろうね」

小城「あと、みんながタバコを吸って感覚を麻痺させることで苦痛を和らげさせた、のも大きかったよね」

雷華「あの絶望的な環境で、誕生日会をやったところも好きだなぁ。アレのおかげでメンタルが保てた部分もあるよね」

小城「ノンフィクションゆえの現実感ある展開も良かったね。これがフィクションなら、もっといろんな展開が入ったんだと思う」

雷華「衝撃的な展開も多いんだけど、それが全部、事実なんだよね」

小城「ただ、ノンフィクション映画っていうよりは出来のいい長い特番を見てるって感じだったかな」

雷華「ほう」

小城「せっかく冒頭で生存者の人を呼んでるんだから、ナレーションとしてもっと活用した方がノンフィクション映画として面白かったんじゃないか、て思うのよね」

雷華「あー、そういう部分はあるかもね」

小城「ただ、それを差し引いても映画としては非常に出来がいい作品だったと思う」

雷華「そうなんだよ、いい映画なんだけど、人に薦めづらい作品なんだよ!」

小城「題材が題材だけにね」

雷華「いい作品なんだけどさ、見てて楽しい映画ではないじゃん(笑」

小城「前回のアウトブレイクもそうだけど、明るい映画ではないからね」

雷華「だからこそ、こういう企画向きの映画でもあるんだけどね」


・ソードフィッシュ(小城推薦)

 かつてハッカーの帝王と呼ばれたスタンリーの所に、ミステリアスな女・ジンジャーが巨額金強奪計画の話を持ってきた。謎に満ちた冷徹な男・ガブリエル。ロサンゼルスは95億ドルをハッキングで強奪するために彼をスカウトする。暴力によって脅されながらも、離婚した妻に奪われた娘の親権を取り戻すためにも協力することなったスタンリー。実は潜入調査をしているジンジャーと共にガブリエルの本当の目的を探っていくこととなる。


雷華「あのラストはずるいって」

小城(笑)

雷華「法律では裁くことができない悪党を主人公がぶっ倒して娘と再会してハッピーエンド、かと思ったら真の黒幕がいました! は卑怯だよ!(笑」

小城「その反応が見たかった(笑」

雷華「何だろうね、下手に映画を見てるだけにお約束というか、『ああ、こういう流れで終わりか』て思ってたら結末でやられたわ」

小城「あの結末にこの映画の真髄があるからね」

雷華「一見すると唐突に見えるけど、振り返って見てみるとそれらしい伏線もしっかり貼ってあるんだよね。そういえば主人公に最初に接触したのは、あのキャラの言動は、あの場所でもこいついたな……とか」

小城「そう思って見返すと、それらしい伏線は結構あるんだよね」

雷華「正直、最後の結末がなくても一本の映画としてしっかり完成してるだけに、余計に最後の結末が映える」

小城「クライム映画としての完成度も高いんだよね。最初のシーンで派手な爆発シーンを入れるのもいい」

雷華「冒頭のシーンも映画のつかみとしてとても良かったね」


 この映画は終盤のシーンを冒頭にもってきており、ジョン・トラボルタ演じるガブリエル・シアーが独特の美学を語るシーンから、急転して600台のカメラを使ったマシンガン撮影による大迫力の爆発シーンが流れる。ほんの数分のシーンだが、トラボルタの高い演技力と昨今の映画と比べても色褪せない爆発シーンで視聴者の心を鷲掴みにしてくれる。


雷華「ガブリエルがいいよね、悪党として完成しているというのか、冷徹で無慈悲なマフィアのボスとしての存在感がすごい」

小城「だからこそ、最後の結末が余計に映えるんだよね」

雷華「ジョン・トラボルタにヒュー・ジャックマン、それにハル・ベリーでしょ。メンツが豪華すぎるんだよな……」

小城「本当にね」

雷華「それであの結末でしょ……いや、この映画作ったスタッフ、性格悪いわ(笑」

小城「あの結末を見てほしくてオススメしたんだよね。俺も最初にこの映画を見たときに衝撃的な結末に魅了されて、安くなってたDVDを買ったんだよんね」

雷華「一種の王道崩しというか、見てる側の先入観を逆手に取った構造だよね。主人公と一緒に視聴者も掌で回されているっていう」

小城「ただね、ある程度、映画を見てる人だとそういう風に思ってくれるんだけど、見慣れてない人は唐突な結末に見えちゃってウケが悪かったりするのよね」

雷華「あー、確かに衝撃的な結末ではあるけど、見方によっては唐突に感じるのはあるかもしれないね」

小城「そういう意味では、『生きてこそ』と一緒であんまり人にすすめにくい作品ではあるんだよね」

雷華「でもあれだね、たまにはこういう、ちょっと捻くれた作品というか、王道から外れた作品を見たくなるんだよね」


・次は何を見る?


小城「今回はね、もう作品を選んである」

雷華「お、早いね。なに?」

小城「『風が強く吹いている』」

雷華「あー、タイトルは知ってる」

小城「これはね、元々は三浦しをん先生の小説が原作の映画で、ほかにも漫画化とかアニメ化とかされているんだけど」

雷華「箱根駅伝のお話なんだね」

小城「そうそう。で、俺が最初に見たのは2018年のアニメを見たのがきっかけなんよ」

雷華「あー、それでタイトルを知ってたのかも。確かN(共通の友人)がTwitterで褒めてたの思い出した」

小城「で、その後に実写の映画版を見たんだけど、『ここをこういう風に省略するんだ』みたいな目線で楽しめたのよ」

雷華「ほうほう」

小城「ただね、俺の場合はアニメから入ってみたから、ある程度のあらすじは知ってたし、そもそもアニメが面白かったからある程度、評価は高かったわけ」

雷華「うむ」

小城「だけどね、何も知らない状態でこの映画を見たときに、面白いのか、てのがわからないんよ」

雷華「あー、なるほどね。アニメを見てるだけにね」

小城「そうそう。せっかくだから、この企画を使って、何も知らない人が見たこの映画の評価を聞きたいな、て」

雷華「なるほどなー。確かに俺は何も知らないから、うってつけってわけだ」


 恥ずかしい話、三浦しをん先生も名前しか知らないような有様です。


小城「そういう意味でも、企画的に面白いかなって」

雷華「考えてるなぁ……俺の方はね、まだ作品が絞り切れてなくて」

小城「うむ」

雷華「最初はね、『ミッドサマー』にしようかと思ったんだけど」

小城「ミッドサマーいくなら俺もホラー映画推していい?」

雷華「いや絶対に和ホラー映画推してくるでしょ!!」(上記参照)

小城「面白いよ?」

雷華「そういう問題じゃないんだよ!!」


 いやほんと勘弁してください。


雷華「話を戻して……ミッドサマーも良いかな、て思ったんだけど、なんかあまりにも有名すぎてどうなんだろうって」

小城「別にこの企画、マイナー縛りじゃないからね(笑」

雷華「で、もう一個考えたのが『クローバーフィールド/HAKAISHA』」

小城「どういう映画?」

雷華「モキュメンタリー映画ってわかる?」

小城「名前だけは聞いたことがある」

雷華「素人がとった映像記録、みたいな作りの映画なんだけど」


・モキュメンタリー

 フェイクドキュメンタリー等とも言われるジャンル。実際に作られたドキュメンタリーのように架空のインタビュー、ニュース映像、関係者の証言を織り交ぜて作られたり、あるいは被害者や行方不明者が残したり、失踪した場所などで発掘されたビデオという触れ込みで作られる映像。99年に『ブレアウィッチ・プロジェクト』という映画がこの作風で作られ、6万ドルの低予算ながら全世界で興行収入2億ドルを超える大ヒットを飛ばしたことで有名になる。

 高価な機材がなくても撮影できることからB級映画でもそれなりに人気がある(出来はともかくとして


雷華「それの怪獣版、みたいな。ニューヨークに現れた謎の怪獣から逃げ回る市民目線で話が進んでいく映画」

小城「なるほど……あのさ」

雷華「何?」

小城「これどっちも理不尽に人が死ぬ映画よな」

雷華「はい、正直最初の話してるときにも内心思ってました(笑」

小城(笑)

雷華「うーん、どっちがいい?」

小城「そうだなぁ……ミッドサマーは2時間半もある長い映画だから、今回はクローバーフィールドにしようかな」

雷華「おけ」


次回「クローバーフィールド/HAKAISHA/風が強く吹いている」

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