第17話 決着

爆発が晴れた中心に、二人の人間が居た。

一人は横になり息も絶え絶え。

もう一人はその人間を上から見ていた。


「はぁはぁ、どうだ…?痛いだろ。」

肩で息をしながら言う。


「俺が…負けたのか…?」

苦しそうに言うハデス。


「俺はたとえ相手がどれだけ強かろうが…命を重んじないやつには絶対に負けない。」

「…」

ハデスは沈黙。


「っ…!!立てよ!」

月火はハデスの胸ぐらをつかみ上げる。


「陽火の仇だ…!」

そして、瀕死のハデスを殴った。

疲れてるとはいえ、毎日過度に鍛えていた月火の拳は重く、ハデスは吹き飛んでいった。


「吐けよ。お前らのボスは誰なんだよ!」

「……言わない…」

「なんだと…!」

まさかここに来て言わないとは思わなかった。


「…そうか。」

俺は諦めた。

「…お前強いんだな…」

ハデスは唐突にそう言った。


「最期にお前みたいな強いやつと戦えて…良かった…」

そして…ハデスは息絶えた。

とっても清々しい顔で。


「……ちっ…何だよ……」

“お前だって強かっただろ”

月火の呟きは誰も聞いていなかった。

──闇──

思い空気の中、言葉を発したのはやはり男だった。

「………まさかハデスまでもがやられるとはな…」

「………」

「……休んだらどうだね?エリア君」

「いえ、大丈夫です。」

「そうか…無理はするな。」

そして男は手を叩きこう言った。

【冥界】………

そしてエリアと呼ばれた灰色の髪の美女はいつの間にか自分の部屋に居た。

そして赤い目で月を見て呟いた。




貴方は私が直々に殺す。

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