第4話君はもう洋ナシだ!3

「おい!」

洋ナシは男の腹目がけて突進した。

「ぐえええええ!痛い!ゆ、夢じゃない、のか…?」

「ああ、夢じゃないよ。」

「じゃあ何で喋ってるんだ!?」

「元人間だからだよ。」

洋ナシは、魔王の呪いによって洋ナシに変えられてしまったのである。

「おばあさん、どうしてそんなにお口が大きいの?」

「それはね…お前を食べるためだよ!って、そうじゃねえええええ!!!」

何故か赤ずきんちゃん、もとい…男を食べてしまうところだった。

「俺は、元人間だ!魔王の呪いのせいでこうなったんだよ!!」

「そうなのか…?」

「俺の名前聞いたことないか?レンだよ。」

「レン?あっ!あの勇者パーティーの?呪いで死んだんじゃ…?」

勇者は、魔王の呪いで吐血して死んだことになっていた。

「死んだことになってるのか?」

「ああ。国をあげて慰霊会っぽいのしたよ。でも、よく考えたら変だったな…。遺体が無かった。」

そうなのだ。遺体が無かったのである。呪いで粉々になったのならまだ分かるが、魔王の呪いは、死ぬまで吐血させる呪いだと言われていた。百歩譲って、レンの体が粉々になってしまったとしても、遺物は残る筈だ。剣や盾、防具など。

だが、何も無かったのだ。

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君はもう洋ナシだ! るり @k197

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