5ー13

 この5年目には、ルピアーノのライブイベントの企画で、俺らの1年後にデビューしたRay-zarとジョイントライブをやらせてもらうことになった。

これは、めちゃくちゃ楽しかった。

RealとRay-zarをシャッフルして2チームを作って、そのチームでそれぞれ3曲ずつ曲を作り、ライブで初めてファンの前で演奏した。


俺は、大輝と悠弥と、Ray-zarのボーカル蓮とキーボードの虎太朗と一緒のチームになった。

龍聖以外の人が歌う想定で曲を作ったのが初めてだったから、蓮のキーに合わせて作るのに苦労した。

だけど蓮の歌声は、龍聖とはまた違った良さがある。

繊細な表現力もある。低音の響きもすごくいい。

まずは、JAZZにしようと思った。

Realでは、あまりやらないようなJazzyな感じにしてみた。

思った通り、蓮の歌声と合う。

大輝のドラムも悠弥のベースも、Jazzyな演奏がすごく良かった。

虎太朗は、アレンジャー的なことをいつもしているそうだ。

普段シンセサイザーをよく使うって持ってきてくれた。

俺は、シンセはイジったことなかったから、興味津々でいろいろ教えてもらった。

普段やった事ない、電子音的な打ち込みの音を出してもらって、2曲目はテクノポップなダンスミュージックって感じの曲にした。

せっかくのダンスミュージックだからって、部分的に振り付けも考えて、蓮と悠弥と俺でダンスもした。

Realでは考えられない。

Ray−zarとしても、やったことなかったみたいで、蓮が歌って踊ることが衝撃だったらしい。

だけど、ノリノリでやった。

3人でメチャ笑顔だった。

Realとしては、シンセを使ってライブをすることはないかもしれないけど、作曲作業をしたりする時にはいいかもしれないなと思った。

俺としては、音楽の幅が広がった気がした。

3曲目は、唱歌ってゆうような感じにした。

イメージは、滝廉太郎の荒城の月。

そんなイメージで作って、俺は伴奏のピアノ。

大輝、悠弥、虎太朗で、リコーダーを3パートで吹いた。

リコーダーなんて、中学生ぶりじゃね!!高校でやったっけ?って、なんかわいわいがやがやと楽しかった。



もう一つのチームが、龍聖、瞬、Ray-zarのギターでリーダーの陸斗、ベースの大河、ドラムの祥太の5人。

いつもは、詞は祥太が書き、曲は陸斗が作っているそうだ。

今回も、その2人が作り、編曲とアレンジを瞬がして、それを龍聖が歌う。

1曲目は、ファルセットからの歌い出し。ブルース的な曲。

予想外な感じだったけど、すごく良かった。いい雰囲気を出していた。

2曲目は、ガッツリとロック。これは、割とRealでも、Ray-zarでも共通点があるような いかにもって感じのロック。

3曲目は、なんてゆうのか、アイドルが歌うようなラブリーな感じの軽めの曲だった。

Ray-zarって、こうゆうの作るんだ?って感じだったし、龍聖がこうゆう感じの曲も歌えるんだ!!って、俺が作った物以外の曲を歌う龍聖を、客観的に聴くことができて、なんだか新鮮だった。


普通に、Realとして7曲。

Ray-zarも7曲やった。

途中のMCも、雑談ってゆうか、大河と陸斗と悠弥と俺の4人で、ガンガン喋った。

面白くて、しゃべりまくって、笑いまくった。

RealのファンもRay-zarのファンも、仲良く一緒に楽しんでもらえて、本当にいいライブだった。


このライブは、DVDも出してもらった。

初回特典で、メイキング映像も入っていて、こんなのいつ撮ってたの?って素の感じ。

チームで曲を作ってく過程とか、振り付けの練習風景とか、わいわいがやがやと、学園祭の準備をしている学生みたい。

後々 自分で観ても、あの時の楽しかった感じが出ていて良かった。 


これをきっかけに、Ray−zarのメンバーとも仲良くなって、頼まれれば楽曲提供をしたりするようにもなった。




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