ゆらり、散光

さぁ 手をとって 一緒に踊ろう


煌びやかな今夜限りの幸せ感じて

周りの目なんか気にしなくていいよ

ただその身体を音楽に乗せて動かして

音が反響する 熱が伝播する 心も


街の景色がいつもと違った日

いつもより騒がしく感じた特別感

人の密度が濃くなっていく気配


高揚していく感情と拍動が

そこかしこで火花のように散って

爆竹のように広がっていって


それぞれにつらいことを乗り越えて

今夜を楽しむためだけにここに集う


大きな天井が 大きな闇に呑まれて

隣にいる誰かの小さく速い息づかいすら

忘れそうなほど 巨大な沈黙 訪れて


そして 一転 


弾ける音楽 視界が眩い 夜がはじまる

ボルテージあがってく 目頭と胸が熱い

遠く 遠くに ミラーボールに照らされ

優雅に舞う君 ようやくみつけた


私のことも君に見つけて欲しくて 

心は君に向けたまま音に身を任せる


二度とこんな日は来ないだろうから

今日は人生で最高に特別な日だから


理由なんて たった それだけさ

どこまでも 一緒に踊りたくなった


涙や汗に反射した光は散らばって

虹になる 想いがミラーボールになる

すべてがひとつになったとき 此処は

何色ともつかないような散光に満ちる


視線が絡んだと思ったら

本当に絡んでいるんだって

そんな噂を信じてここにいる


踊っているうちに夜が明けていた

明けない夜はない なんて現実

希望と絶望を同時に はらんだ言葉


だけど終わらない昼間もないんだろう

次の夜がきたらミラーボールのしたで

君にまた会えるんじゃないかなって

小さな希望が反射して胸に散らばる

いつもの夜にも夢見心地連れていける


絡む視線に鼓動が乗って伝わっていく

この夢が終わらなければいいのにな

きっとこの場所の誰もがそう思ってる

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る