夢の再来 2/3

暗闇のなかで 感情の津波に耐えた

絞り出せない 想いと言葉たちが

涙になって ついに溢れ出していく

動き出してしまえばもう止められない


胸につよく 手のひらを押し当てる

鼓動がどんどん 早く強くなっていく

吐息が荒くなっていく 興奮が襲う


心臓が暴発して逃げ出さないように

つよくつよく胸に手を押しあてて

声に出せない叫びを指先に込めて


どうにか 夢を言葉にしたい

どうにか 夢をかたちにしたい

どうにか どうにか生きたい


迷いが 立ち切られた瞬間だった


いつか出会えるはずと思っていた

ただ変化のきっかけを待っていた

とっくに出会っていたというのに

どうしてそれを忘れていたんだろう


あの日の自分を少し怨んでしまう

諦めたあの日のことを少し後悔


刻まれた傷は 癒えるわけじゃない

積み重ねてきた 失望も挫折も無力も

けっして 消えるわけじゃないけど


それでも夢を見ることだけは 誰にも

誰にも 止められなかったはずなのに

歩みを止めたのは あの日諦めた自分


何度も夢を砕かれ 何度も未来を絞られ

そんなことで 砕けるくらいの夢なら

もともと夢なんて 呼べなかったのに


今ようやく この手に 夢を掴んでる

逃げ出さないでくれよ この胸にいて

つよく 胸に握った手を押しつけて

なんとか 胸にしまいこもうとした


今この手に 夢を掴んでる


不相応だとすら思うほどの夢を

もう一度 みてもいいのかな

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