相槌ひとつ

口下手な私はいつも聞き手にまわる

そうだよね、そうなんだねって

繰り返すたび なんだか軽くなる言葉

しまいにはちゃんと聞いてるのって

君に怒られる始末 今日もまた

ごめんね、もっと言葉にできれば


虹をみて 綺麗だねって君がいって

君をみて そうだねって私がいうの


そういう繰り返しに疲れてるの気付いてる

ごめんね、ちゃんと言葉にできたら


言葉が雨のように降り注いでくれたら

気持ちが雨のように湧き出てくれたら

ずぶ濡れにできるほど伝えられたら

そのあとにかかった虹の美しさも

もっと際立ってくれるだろうにな


狼少年は嘘をつく 嘘をつく

真実が隠れてしまうほど


羊少女は黙り込む 黙り込む

本音も隠れてしまうほど


あなたの気持ちに寄り添うことで

あなたの気持ちが離れていく


ただ言葉にできないままの

自分がいちばん嫌いなの

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