甘ったるい生き方で

恋愛にルールなんてないんじゃない?

奪ったもんがち 手をつけたもんがち

その唇を先に奪った方に軍配はあがる


そんなやんちゃな理論だって

間違ってるとは言い切れない

だってそうやって人は奪い奪われる

想いも身体も家族すら 人間は

思ってるよりサバイバルな生き物だ


街角の影に隠れてキスをする

バレなければ罪じゃない

ふたりで隠れて入った密室も

そんなつもりはなかったなんて

あとから言えばなんとでもなる


それが良いことではなくて

悪いことだとわかってたって

自分にとって最善ならば

結局人はそれを選ぶんだから


僕らの今が良ければいいんだと

だって人はいつ死ぬかわからない

そんなふうに僕らが堂々と言ってやれば

否定なんてする根拠は誰も見つけられない


自由な生き物は自由な言葉で

自由に相手を振り回して生きている

だけどそうして得た自由で

得られた自由は従順じゃない


ねえ、いつ僕のものになってくれるの?


まだ、なんだって君は言うんだ

今、じゃないってそうやってまた

じゃあ、いつなら良いともなくて

きっと、いつまでも訪れない

今夜も、明日も、百年後だって

君は「ダメ」「まだ」って笑うんだ


都合がいい相手なんてそんなもん

僕の愛を騙る言葉はいつになっても

君の心をすり抜けて落ちて無駄になる

バグったゲームのポイントみたいに


だって人は自由なんだから


僕が自由に君を奪おうとするかぎり

君も自由に僕の腕をすり抜けられる


それなら今日も答えを先延ばしにして

今日も不埒な自由を謳歌してしまおう 

言い訳なんていくらでもたつんだから


甘ったるい人生が後から苦くなっても

今が甘けりゃそれで良いんだって言って


否定する根拠も僕らの暗闇も

誰にも見つけられないんだから

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る