弾けて、消えて

この気持ちを言葉にできたらと

何度目かの別れ際に思うばかり

次に会う時までにはもう少し

伝える力がついているようにと

神に願うばかりで 僕はまだ


毎日 君とは普通の話ばかり

「いい天気だね」ってくだらないな

僕といる時間が君にとって退屈で

無駄なことじゃないかと心配になる

君は優しいから笑ってくれるけど

本当はもっと伝えたいことがあって


言葉にすることすらままならないけど

心の中に日々生まれる感情も気持ちも


言い出さなければないも同然

努力もできないなら尚当然


君に伝わるはずもないのに

わかってくれなんて酷いこと

よくもまあ思えたもんだよな


毎日生まれた気持ちも言葉も

泡みたいに弾けて消えゆく

小さな泡が無数に湧いて

そして無数に消えていく

こんな無駄なことがあるものか

たとえ些細なことでもいいから


伝えられる僕でありたい 

でなきゃ君を留めてなどおけない

君は魅力的だ きっと誰もに愛される

毎日天気の話をするやつよりも

毎日愛を説いてくれるやつのほうが

そりゃいいだろうさ 誰にとっても



だけど僕はそれもできない怖がりで

この関係を壊すことを恐れたままで


好きだという言葉は諸刃の剣

そうじゃないけどそうなんだ

気持ちを端的に表すならばきっとそう

だけどそれは本当は正しくなくて


ああ どうしたら伝わるのだろう

あい と2文字で語れる気持ちの中身は

どんな長編小説でも描ききれないほどの

たくさんの想いが渦巻いているのにな 


それを伝えられないまま 夜が暮れ

また今日も別れの時間が来てしまう

退屈に過ごさせてしまった罪悪感で

振った掌が冷たい空気を裂いていく

また今日もひとり 夜に溶けていく


弾けた想いの残骸が散らばって

まとまらないままの僕のことを

理解してくれるだけの超能力を

無責任にも君に求めることの愚かさを

わかってはいるつもりなのにな


ああ、すべて伝えられたらな

君に、すべて伝えられたらな


そんな願いすら 弾けて消えた

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