明るい空の下の君へ


君が笑ってくれるなら私からは愛を

君が幸せであるようにと想いをかける


こっちの夜空の星は目を凝らさないと

見えないくらい都会の空は明るくて

あの頃ふたりで見上げた星空は

もうどこにも見つからないんだね


君の上にあるオリオン座

ベルトがひとつ足りなくて

さそりの尻尾は見当たらない


一等星と二等星しか目立たない空

なんだか寂しい気持ちになってしまう

この街を覆う明るい空に 君はもう

馴染んでしまったんだろうなあ

きっと空を見上げる余裕なんて

ないのかもしれないけれどさ


おしゃれして電車に乗って会いに行く

改札越しに手を振った君は前よりも

少しだけ身長が伸びたみたいにみえる

それとも素敵なブーツのせいかな


話し方も仕草もまるで大人っぽくて

私にはちょっとくすぐったいよ


この街での君の毎日はキラキラしてて

私はなんだか恥ずかしいくらいだ

「最近どう?」なんて聞かないで

大した日々は送ってないんだもん


だけど だけどね


私は今も君のことが大好きで

いつもいつでも君を想っているの

暗い夜には君の笑顔を星にみるし

波の音には君の声を今でも感じる


それだけが大したことない私の誇り

遠く離れてしまっても忘れない

いつかまたと約束したこと忘れない


もしこっちで好きな人ができたときには

心から祝福するから教えて欲しいな

君がこの明るい空の下で笑えてるなら

正直なんでもいいって想ってるんだ


君の笑顔がいるなら私はそれが一番いい


どんな暗闇にいても 一番明るく光ってる

君の弾ける笑顔のせいで空が明るいのなら

そうやって 自由に生きてる君がみたい


そろそろ行くね 

最後のバスがなくなる前に


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