疑いの雨を降らせて

雨の夜不安に駆られたあなたから

鳴り止まないコール音

何も考えずに受け取ってから

しまったなと思ったの


今どこにいるの

何をしているの

誰といるの


そんなあなたの質問に

私はほとんど答えずに


大丈夫

安心してね

愛してる


そんな甘くて軽い言葉を吐いたら

あなたが何も言えなくなるなんて

とっくにわかってやっている


雨に打たれたみたいに

冷え切っているの

私の心もあなたへの想いも


何も言わずに去りたくて

だけどあなたのそばが心地いい

きっと私は悪い女なんだろう


そんな私のわがままを

拒否することは容易だろうに

結局いつものぬるま湯のような

あなたの寛容さに甘えたままで

私はあなたにも別の人にも

愛の言葉を吐き散らすの


本当は聞かなくたって

気づいてるくせに

だってわざとそう見せてるから


あなたとのデートではつけない口紅を

わざと机の上に残してきたの

あなたのこと傷つけてるのわかってる

でももう止められないの


帰ったらあなたに甘えるわ

違う男の香りを纏って

そんなの気づいているくせに

あなたは愛してると寂しい顔で

そう言って唇をきっと重ねるのよね

誰かが触れたいつもと違う唇を


ごめんねなんて軽い言葉を吐く私を

早くどうか捨ててくれていいのにと

本当は思っているの

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