ふたりで日々を

夜空の満月見上げながら

深く吸い込んだ息は

肺いっぱいに広がっていく

冷たい空気が今日の終わりを告げて

なんだか寂しくなってしまう


「手、つないでよ」って

昔は簡単にいえたっけ


大きな手に握られるのが大好きで

お父さんもお母さんも友達とも

よく手を繋いでいたっけな


あなたに言うのだけが

こんなにも難しいなんて

思ってもみなかった


何もいえないで終わるなんて嫌だから

うっかりわざとこの手を伸ばしてみるの

一瞬触れてみるだけならさ

許されるんじゃないかって気がして


言葉じゃ伝えきれない想いが

この手の先から伝わるようにと


指先でほんの少し触れただけなのに

あなたは照れたようにうつむいて

そして何も言わずにその手を差し出した


冷え切った手を私の手で温めて

温もり確かめ合うように


2人で歩くいつもの道が

なんだか違う世界のような気がして

だけどこれが日常になっていくんだと

そう思ったら夢でもみてる気分になって


一生守り抜くからなんて

あなたは言ってくれるけど


私だって言いたいの

あなたのことを守りたいの

2人支え合って生きていきたいの


不安なことはたくさんあるけど

それでも2人なら乗り越えられるって

理想論でもいいから言うの


2人でいれば大丈夫って

確信なんかなくたって

いつだって思ってるの


2人で生きていこう

かけがえのない日々を

このまま歩いて迎えにいこう


「大丈夫だよ」


僕が 私が ついてるからね

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る