其之三
とはいえ
(今朝方、
万葉十六、
古今の巻六でも、
烏てふ大をそ鳥のまさでにも来まさぬ君をころくとぞきく
烏を大おそ鳥といふ、東詞也、わろき事をおそといふ。物喰きたなしとなり、ころくとは来かしとなり、聞こゆる分はさして烏を褒めたりとは覚えず。我が詩歌には、
蒼茫霧雨霽初 寒汀鷺立、
なんど云、六帖には、
まさる水淀の川瀬に立鷺の立ても居ても鳴ぬ日ぞなき
高砂やゆるぎの森の鷺すらもひとりは寝じとあらそふ物を
この詩歌いかゞ、又宇治の浮舟に、
山の方は霞へだてて、寒き洲崎に立てる鵲の姿も、所がらいと
なんどあり。
是は匂兵部卿、三君に逢へる所の詞也、和語の
(万葉の巻十六には【「波羅門之作多留田於咬烏眸腫天幢仁居
【私註】
※一: 「
※二:
※三:この場合の「古今」は古今和歌六帖。同巻六に所載(恋歌七四七)。万葉集に「可良須等布 於保乎曽杼里能 麻左〈⿰亻弖〉尓毛 伎麻左奴伎美乎 許呂久等曽奈久」(巻一四・東歌三五二一)として初出。
※四:『和漢朗詠集』巻下・僧六〇四。
※五:『古今和歌六帖』巻六・鷺に所載。
※引き続いてプーランクの“Sextet for Piano and Woodwind Quintet, Op. 100: III. Finale. Prestissimo”を聴きながら
https://youtu.be/wiYdDrzjAKg
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