第12話 糖度120%みたいな会話
週間ラブコメ10位感謝の2話投稿です!
こちら、2話目となっております!
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バッティングセンターを後にして、冬乃と雪男にバレないように、マヒロと別れて家に帰ってきた。
ドアに手をかけると、鍵は開いていた。マヒロの方が近道のため、先に着いたからだろう。
「ただいま」
「おかえりー。ゲーム、セット終わってるよー」
そういや、ゲームの勝敗でその日の家事当番を決めるんだったな。
忘れていた……というほどでもないが、意識してなかった。そんな微妙な感じ。
「分かった、着替えてからでいい?」
「んー」
なんだかこのやりとりだけ切り取れば夫婦みたいだな、なんて恥ずかしいことを考えつつ、俺は自室に向かった。
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マヒロ視点
「なんか、夫婦みたいなやりとりしちゃった!」
顔が赤くなって、鼓動が速くなる。
乙女な妄想は湧き出て止まらなくて、とりあえず他のことを考えることにする。
何か他のこと、他のこと……
そうだ!
「今日も、攻めちゃおう」
と言っても、何をしよう。
からかってみるばっかじゃ味気ないし、前と少し違うことがしたい。
そういえば、
それを着て甘えてみたら、私も楽しいし……
「きっと、意識してくれるよね」
勇気を出すぞー!
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着替え終わって自室から出てくると、マヒロはそこにいなかった。
着替えている一瞬の間に、忽然と消えてしまったのだ。
「マヒロ……?」
「ご、ごめーん! 私も着替えてる!」
「あ、そうなのか。じゃあ適当に練習しながら待っとく」
「いや、もう行くー」
その言葉のすぐ後に、ドアが開く音が聞こえる。
「うし、始め……」
そう言ってリビングに入ってきたマヒロの方に振り向くと、そこにはマヒロではなく天使がいた。
「あ、あの、それは……?」
「えー? たまたま着ただけだよ?」
マヒロは俺の性癖である、
多分、回復の効果が2倍になってるな。
というか、狙って……るよね!?
だってパーカーにヘッドフォンが性癖って知ってるから!
いや、ただの俺の自意識過剰なのか?
本当にたまたまなのか?
相当恥ずかしいこと考えてる?
「じゃあ、ここに、すっ……ふぅー、座るね」
そういって、マヒロが座ってきたのは俺の膝の上。
柔らかなおしりの感触が伝わってきて、ふわっといい匂いがただよう……
いやいや! 流石にこれは自意識過剰ではないよな?
「ちょ、ちょっとマヒロさん?」
煩悩が、というより、もはやよく分からないレベルに高まった感情がうるさい。
とりあえず、脳の片隅で筋肉ダルマを踊らせて、煩悩値を下げておく。
「これ、覚えてる?」
「も、もちろん覚えてるよ、前にデー……出かけた時に買ったパジャマにもできるパーカーだろ?」
「覚えてくれてて嬉しい……でも、むー」
膝の上のマヒロは頬を軽く膨らませて上を見上げてきて(かわいい)
「いいなおさなくて、よかったのに」
「いやっ、だって、ねえ?」
「もー」
マヒロはそう言って、体を俺に預けてくる。
人1人がもたれかかってると思えないほど軽い衝撃に、異性ということを強く意識させられる。
戦友として過ごしてきた思い出は消えないけど、1人の女の子として意識していく思い出が新たに積もっていく。
そんな毎日は、幸せの一言に集約されるのかもしれない。
「ねえ」
「な、なんでしょう」
「最初は遊びのつもりだったのに、変なスイッチ入っちゃった」
「それは……どういう?」
「んー、一言でいうと、甘えたいスイッチかな?」
たしかに、喋り方がうっとりしてきて、心なしか表情もトロンとしてきている気がする。
「それは、なんだろ、前からそういうことがあったりした?」
「ううん、今が初めて。ビックリしてる」
「その、これからの精神安定のために教えてもらいたいんですけど、何がトリガーで?」
「わっかんない!」
そういって、さらにもたれかかってくる。
体は密着しきって、空気の隙間すらないほどだ。
この体の暑さは密着しているからだろうか、それとも心があったかくなっているのだろうか。
……はたまた、その両方か。
「でも、わたしは、ずっと甘え……ううん、何でもない」
マヒロが少し気になることを言いかけた気がするが、そこまで気を回せる精神状況じゃなかった。
理由を話すと、煩悩値が限界を超えて、マヒロカワイイヤッターで脳内が埋め尽くされていたわけなのだが。
そんなことは知らないマヒロは軽く姿勢を正して……
「ねえ……タイキは、こーゆーの、いや?」
「全然、うれ、しいけど?」
「ふふ、良かった」
そこから先は詳しく言わない。
けど、
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