第55話 部。結成?

「とにかくですよ。簡単に言えば。先輩私と一緒に部活を作って放課後楽しみましょうよ。ってことです」

「危険すぎるからお断りだ」


終業式後。多分時間はそれなりに経ったはずだが――俺はまだ特別棟に……いろいろ言ってくる奴。おかしなことを言ってくる奴とともに居た。


「なんでですか。ここ数か月?ちゃんと事前の交流しましたよね?」

「勝手に来たんだろうが……」

「勝手にこのへやを使っていた面白そうな人は先輩です」

「なんでこんなやつに目をつけられたかだよ」

「先輩と話していると面白いですからね」

「俺疲れるしかないんだが。あと俺の1人のパズル時間返してくれだな」

「今はパズル無いんですよね?」

「……まあ途中で誰かさんが参戦してきたからな」

「誰でしょうね?」

「お前だよ」


うん。予想より早くパズルが終わってしまったのは2人でやったからである。

俺がそんなことを思っていると……。


「まあということで」

「何がということで。なんだよ」


話が勝手に進んでいっていた。


「先輩と話していると話が進みませんね」

「進みたくないよ。そのうち俺大損する未来しか見えてないんだからな」

「なんでですかー。そんな悪いようにはしませんよ。むしろ今より良くなると思いますよ?」

「どこからそんなこと言えるんだよ」


うん。ホント。さっきから変な事ばかり話しているだろう。とか俺がちょっと少し前からの会話を思い出していると……突然……。


「先輩が私の事好き。って言ってくれたらすぐに名前教えるんですけどねー」

「……マジで頭大丈夫か?」


いや、ホント今すぐ病院へと連れて行った方がいい気がしてきた俺だった。

マジでおかしなこと言っているからな。早めに診てもらった方が……と真面目に心配すると――。


「先輩ガチトーンでそんなこと言わないでくださいよ」

「いやさ。そりゃ……普通なら。普通にしていたらおまえくらいのやつなら……良いだろうが……このポンコツ?じゃな」

「ぽ、ポンコツ?」

「ポンコツだろ。いやポンコツじゃないか。詐欺師?」

「詐欺師!?」


ドンドン声のボリュームが上がっていく。


「だってよ。なんかここ数か月少しずつ近づいて来て、なんか行動も一緒にするようになったと思ったら。部活?そして名前教えるから夏休みなんとやら?って初日から1万円持ってこい?怪しさしかないだろうが」


まあざっとだが、俺がここ数十分の会話を目の前のやつに話すと……。


ちょっと考えていてから……「あっ」と何か思いついたというか……理解したのだろう――?かはわからないが。

ぶつぶつと「なるほどなるほど……」みたいなことを言ってから――。


「もしかして先輩。私がなんか自分のかわいい見た目を利用してお金を搾り取ろうとかしている。悪い子とか思っちゃったりしてました?」

「めっちゃ思っていたよ。ってそうとしか思えないだろうが」

「酷すぎません!?」


うん、過去一の声のボリューム。まあ放課後だしここは誰も居ないから問題ないだろうが……と俺は思いながら――。


「何でだよ!そんな話しかしてなかっただろうが」

「そんな話しましたっけ?」

「したよ。そんな話だったよ」

「ありゃー。先輩相手だから変なことになっちゃっていたんですね。これも普通に先輩が私の事好きです。部活作りましょう。的な事を言ってくれたら。付き合うのは要検討ですが。まず部活を作ってお互いを知っていきましょう。的な話になって。私の楽しい楽しい放課後ライフ。の予定だったんですから」

「俺なんも言ってないのに勝手に振られてないか?」


うん。何か知らんが勝手に振られたな。と再確認していると……。


「今はまだ先輩の事少ししか知りませんからね」

「意味わからん……っか結局何なんだ?さっきから意味わからない会話が続いている気がするが……」

「だからずっと言っているじゃないですか。部活作りましょう。って先輩となら面白いことになりそうですからね」

「……やだ」

「なんでですか。なんでこんなに話してもわかってくれないんですか。馬鹿じゃないですか?」

「この後輩強い」

「これは夏休みもっと多くの頻度で先輩と会わないとですね」

「嫌だよ。俺は1人の時間を大切にするんだよ」

「ダメです。2学期に部活……私の放課後が作れないじゃないですか」

「なんでお前の都合に……」

「今まで見てきた中で先輩が一番面白そうですからね。ということで先輩。とりあえず私に告白なんなりをしてください。そしたら連絡先教えますから。すぐに呼び出せる関係になるじゃないですか」

「やっぱり詐欺だろ!?」

「ホント……この先輩なんで。今の言葉クラスで言ったらすごいことになると思うんですが……先輩には全く効果なしですね」


まあそんなことを大勢の前でお前みたいなんが言ったら――大騒ぎになるだろうな。と俺は思いながら。


「詐欺としか思えないんだよ。お前の行動は」

「はぁ……これはやっぱり少しずつですね。とりあえず夏休み。先輩。いろいろ語りましょう」

「行かないからな」

「その場合。今から先輩のご自宅確認ですね」

「……怖すぎる」

「よろしくお願いします。先輩。大丈夫です。パズルの時間はちゃんと取ってあげますし。私もまたパズルしたいですからね」

「……パズル好きは……親もそうだが変ややつが多いのだろうか……」


うん。俺の周りは人が少ないが……ちょっといろいろ問題あり?な人が多いな。

今までは親から避難していたのに……今度は学校でも変なのが生まれてしまい……どうしたらいいのだろうか……。


ということで俺がやっと見つけた放課後という親に邪魔されない1人で楽しんでいたパズル時間は……突然1人増えてしまい――。


部活を作る?やら何か意味の分からないというか……ホント部屋なやつに目をつけられる。という状況になってしまった。


っか。今俺が目の前に居るやつに言いたいことと言えば……と思いながら。


「おまえ『先輩』馬鹿だよな『ですよね』」

「『うん!?』」


――なんという事か。

同じことを思っているとは……。

特別棟3階で……。声が重なった瞬間だった。

まあ微妙に言葉は違ったがな。

うん。ってか。なんでこんなことになったのか……。

俺はただ1人でパズルをしていただけなんだが……うん。わからんと俺は思いながら……。


「ってか。結局お前誰だよ?名前」

「今は教えません!」

「馬鹿だろ」

「また馬鹿って言いましたね。パズル馬鹿先輩」


うん。ここは馬鹿しか集まらないのかな?

――って待て待てなんで俺は自分の事を馬鹿の方に含めたのか。うん。疲れてるんだな。寝不足だし。でもとりあえずでも今目の前に居る奴を何とかしないとだよな……。


パズルなら勝てるのにな……普通では……厳しい。


っかなんでこの意味の分からない後輩は……良い笑顔でこちらを見ているのだろうか。全くわからん。なんで笑顔になるんだ?笑顔になる要素はどこにもなかったと思うんだが……と俺が思っていると。


「先輩部活名決めました。放課後パズル部です」

「だからお前の頭大丈夫かよ!?話がめちゃめちゃだよ!」

「先輩うるさいですよ。2人しか居ないんですから普通に話しましょうよ」

「お前の相手してるとこっちがおかしくなるよ」

「すでにパズル馬鹿じゃないですか」

「……」


――うん。馬鹿に馬鹿と言われて言い返せないというか……マジでこれどうなるんだろうか。


……もしかして本当に部活に……ってそうか。


部員を集めたらいいんだ。


俺じゃこの馬鹿の相手は出来ないから。馬鹿相手のために部員を集めて……

部員が出来たら俺消える。

そうすればまた平和なパズルの時間が……そうだ。これが良い。うん。


俺がそんなことを考えていると――。


「……なんかこの先輩。馬鹿な事考えてそうです」


……結局お馬鹿?というかおかしな人しか集まらない特別棟3階にそんな呆れたような。でも何かワクワクしているようなお馬鹿な後輩の声が響いていたが。今の俺は別の事を考えていて聞いていなかったのだった。


まあこの時の俺はまだ知らないが――。

約2か月後くらい先か。まさか本当に部活—―もどき?のものがこの特別棟3階に出来てしまうとは……なんだよな。

未来ってわからないんもんだよ。ホント。数秒先の事でもわからないがな。


まあそれはまた別の話。


今はまだ馬鹿?2人がそれぞれお馬鹿?なことを考えているのだった。


果たして以前みたいな俺の楽しみ。

パズルの時間は……戻って来るのだろうか……。


「って、マジでお前誰だよ!?」

「わっ。何ですか。先輩何か考えていると思ったら……急に叫んで」







――最難関問題はそう簡単には解けない。







おわり。

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放課後パズル部 くすのきさくら @yu24meteora

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