第54話 まだ放課後。そして
なんかいろいろあって後輩のいいなりになりそうな感じになっている俺だが……。
そういえばだ。もうなんかいろいろ決まってしまったのでこれは聞いていいだろうと。俺は思いつつ……。
「……でさ。結局お前の名前は?」
と。目の前の奴に聞いてみたら――。
「なんですかー。気になるんですか?朝熊先輩」
「……気には……なるな」
「おー、素直素直」
何だろう……「むかつく後輩」とか言う名前にしようかな?とか俺が思っている現在である。
そうそう現在と言えば。今はまだ特別棟3階の教室に居る俺達だ。
なんか意味の分からないというか。後輩のフルネームを答えよ。的な問題で敗北した俺だが……そういえばなんかいろいろ後輩がその後に言ったが……そもそも答え聞いてないじゃん。と気が付いた俺が後輩に答えを聞いているところである。
――なのだが。
この後輩は――。
「言うわけないじゃないですか」
「……」
とか普通に言いやがった。ちょっと1年のクラスに行ってくるか。とか俺が思っていると……。
「だって、秘密ってあるといいじゃないですか。特に先輩は答えというのかな?こういうの気になるタイプですよね?とっても。答えが無いとそこまで気にならないかもしれませんが……答えがあるのにわからない。これはモヤモヤしてますよねー」
「……この後輩うざいな。っかついさっき部活やらやら言ったが。もし作るとか担った場合確実に名前はバレるんだからもう言ってもいいだろう。っか調べてくるわ」
「ダメですよ」
「なんでだよ」
「夏休み中はずっと考えてもらうんですよ」
「……意味わからんな」
うん。本当にこの後輩は何を考えているのだろうか……である。
かわいいのに子の性格は……残念か。とか俺が思っていると――。
「とりあえず夏休み中に少しずーつ。教えてあげますよ」
「なんだよそれ。誰得だよ」
「先輩が1日中私の事を考えるという……まあ先輩が得しますね」
「しないからな」
「わかるまでずっと私の事考えていていいんですよ?」
「考えたくないよ」
「酷い事言いますね」
「っかお前は何をしたいんだよ」
「もちろん……先輩を手に入れたいです」
「……」
うん。こいつヤバいやつだわ。
本当にヤバいやつだと思う。
そういえばさっき1万円持って来いとかも言っていたから……やっぱりこいつかなりヤバいやつなのでは……。
もしかして自分の見た目を利用して……とかいうやつなのか――。
危ない危ない。あと少しで……引っかかるところだったか。
「あれ?先輩どうしましたか?」
「…………いや、なんでもない」
「うん?今確実に何か考えていましたよね?」
「考えてないな」
「考えていましたよ。表情から察するに……私の事を好きになりました?」
「どこをどう読み解いたらそんなことが出てくるのか。お前の頭の中調べてみたいわ」
「さすがにそれは嫌ですね。死んじゃうじゃないですか」
「頭痛くなってくるわ」
「先輩が素直に私の物にならないからですね」
「ならないよ」
「なんでですかねー。普通なら簡単に……なんですけどね。さすが変わり者の先輩ですね。高難易度です」
「人を攻略しようとかするな」
「夏休み中に攻略しますね」
「……危険すぎる」
「まあまあ。そんな悪いようにはしませんから」
「もうされそうだよ」
うん。確実に危険だ。ちょっと油断したら――だな。とか俺が思っていると。
「あれ?もう私の物になってくれますか?それはそれで手間が省けて楽なんで巣が……じゃあ早速部活に付いて調べましょうか?」
「話が飛んでくな。おい。マジで頭大丈夫かよ」
「本当に酷い事しか言いませんね。まあとりあえず先輩が私に付いていきます。ってことを言ってくれたら。名前もちゃんと教えますし。お友達になってあげますよ?連絡先もちゃんと教えてあげますし。休みの日には……まあそれなりに一緒に出掛けてあげてもいいですよ?」
「危険すぎる。っか会話が成立してない気がしてきた……」
そろそろ少し距離を取った方がいいだろうかと。行動も俺が考えていると――。
「……ホント難しい人ですね」
やれやれという表情を俺の前に居る奴はしていた。
「いやいやお前がおかしいんだからな?」
「何を変な事言っているんですか?」
「やっぱり会話が成立してない気がしてきた……」
「わかりました。先輩1回お試しで抱きしめてもいいですよ?そうしたら何かわかるかもしれませんし」
「嫌だよ。っか何がわかりましただよ。病院行ってこい」
ホント何をこいつ言い出すかわからんな。っか……普段こんなに話すことが無いから……地味に喉が渇いて来た。というか疲れてきたよ。
なんでこんな変なやつに俺は目をつけられたのだろうか――と俺が思っていると。
「先輩とちゃんと話すと疲れますね」
「それはこっちのセリフだ」
うん。同じようなことをこいつも思っていたらしい。ならなんで俺なんかの相手というか。一緒に居るんだよ。と思っていると――。
「とにかくですよ。簡単に言えば。先輩私と一緒に部活を作って放課後楽しみましょうよ。ってことです」
再度そんなことを普通に言ってきた。うん。もう何がなんなんだか……と思っている俺だった。
まだ俺たちは特別棟に居る。
終業式ホームルームが終わってから……何してるんだろうな。
多分他の生徒は夏休みだ!で既に帰って行っている。部活に励んでいるかと思う。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます