鏡を見た「詩」

人と会う機会がめっきり無くなったのを良い事に髭を伸ばした。


長さは成人男子の人差し指くらいはあるだろか。


色は以前に病気をしてから白だ。


畏まった場に出ることも無くなったので髪も伸ばした。


長さはすでに肩口まであるだろうか。


色は自慢だった天然の赤茶色に白が混じる。


少し垂れた瞳の下にはたるみが際立つ。


鼻だけは性根が変わらないが如しと成人男性の小指の第二関節くらいまで高さがある。


どんなに年を取っても鼻まわりだけは見た目が大きく変わらないんだな

プライドの高い人を鼻で語るのもわかる気がする。


にしてもだ、年を取るとこんなに風貌がかわってしまうのだなぁ。

きっと肉親と街ですれ違っても僕だと気づかないだろう。



鏡に教えてもらう物語は多くあるけど、聞きたくなる気持ちもわかるかもしれない。

私はなんだったのかと

私はなにをしてきたのかと

わたしはわたしだったのかと

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