第9話 大麓マオ視点有り
※大麓マオ視点
「これは・・・・・・」
「うん、凄いな」
私とユウマは、水族館の責任者に案内され、テノヒラロボ開発元のテノヒラカンパニーと開発したというあるものを見ていた。
「まだ三つしか実装していませんががゆくゆくは増やしていく予定です」
「そうなんですか。楽しみにしてます」
「ありがとうございます。これも大麓様のお父様が支援してくださったおかげです」
「それで、これは今日の大会に?」
ユウマの質問に責任者はニッコリと笑いながら、準決勝で使うと答えた。
※溫井ホノオ視点。
お昼を食べて、あっという間に準決勝の時間だ、オラァ!!
ブロック通過者であるアタシはスタッフさんに案内されて、水族館のちょうど中央にある大ホールに居る。
観客席ごとぐるりと囲むようにジンベイザメを中心に巨大な魚や魚群が泳ぐ、某水族館を思わせるような巨大水槽、きっと、この水族館の目玉なんだろうな。落ち着いたら一人でじっくり見に行きたい。
『レディース&ジェントルメン! 手平水族館リニューアルオープン記念大会準決勝の始まりだ~!! 実況はこのジン・キョーがお送りするぜ!!』
――わあああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!
『見事、ブロックを通過し準決勝に進んだ四人を紹介だ~!!!!!!
Aブロック通過者。可愛らしい容姿から想像出来ない冷静な戦いは必見!!
――ハナさ~ん!!
――相変わらず美しい!!
――その冷たい視線をコッチへ向けてくれ~!!
『Bブロック通過者。いつも柔和な笑顔を絶やさない西の強豪!! 陣ライガの双子の弟!! 陣フウガ!!』
――きゃ~!! フウガく~ん!!
――その笑顔! 癒やされます!!
――フウガくんは私が守る!!
『Cブロック通過者。手平町民大会で陣ライガを破った期待のルーキー!! 誰が呼んだがスキルの魔術師!! 溫井ホノオ!!』
――ホノオちゃ~ん!!
――今日も頑張って応援するよ~!!
――また魅せる試合、楽しみにしてるぜ!!
『Dブロック通過者。今大会初出場ながら全ての試合は一撃KO!! まさに秒殺!! これも忍びパワー!? 薄井カゲ丸!!』
――カゲ丸く~ん!! カッコイイ~!!
――ネタキャラだと思っててゴメンね~!!
――好みだから一番応援してるよ~!!
またまた実況者のジン・キョーが現れて、アタシ達の紹介を始めると観客達が盛り上がる。
熱気を感じるけど、未だに慣れない。
それと、なんだ、スキルの魔術師って!? 誰が言い始めた!? 大層な二つ名を貰ったのですか!? ってか、アタシが二つ名を貰っていいんですか!?
内心、自分のいつの間にか付けられた二つ名にあわあわしてたら、アタシ達が戦うフィールドにスポットライトが当たる。
『君達、四人にはスペシャルなフィールドで戦ってもらうぜ!!』
ジン・キョーが指を鳴らすと。
「わあ・・・・・・」
「へえ、これはこれは」
「わわ!」
「こ、これは素晴らしいでござる!!」
アタシ達の目の前に珊瑚礁が広がり、魚が泳ぐ。
まるで海の中に居るみたい!!
これはもしや、噂のあれですか!?
『今大会の為に手平水族館とテノヒラカンパニーが共同開発した立体ホログラムフィールド!! 君達にはこのフィールドで戦ってもらう!!』
――オオオオオオ!!!!!!
立体ホログラムフィールドにより観客達が雄叫びのような歓声をあげる。
立体ホログラムフィールドは今までは海外で流行しているロボ競技用フィールドにしか対応してないからこれはアタシも興奮するしかない!!
この大会、抽選に当たって良かった~。
『さて、戦う前にこれから君達にクジ引きをしてもらう』
フィールドに感激してたら、スタッフさんから釣り竿を貰う。
クジ引き? この釣り竿で? いや、それ以前に嫌な予感がするんですが。
『その釣り竿はちょっと特別な釣り竿だ。なんと!! 立体ホログラムの魚を釣ることが出来る!! その釣り竿を使って同じ色の魚を釣り上げた者同士で戦ってもらうぞ~!!』
嫌な予感当たった!!
同じ色の魚を釣った者同士で戦う、陣フウガと戦う可能性があるってこと!!
祈るしかないじゃん!?
『それじゃあ、レッツフィッシング!!』
ええい!! 陣フウガと同じ色じゃありませんように!!
釣り竿をホログラムの魚達に向けて投げると1分も経たないうちに魚がかかった!!
思い切って釣り竿を引くと赤色の魚を釣り上げた。
ほ、他の三人は!?
ハナちゃんは青色。
薄井カゲ丸は・・・・・・、青!? ってことは。
恐る恐る、陣フウガを見る。
陣フウガが釣り上げた魚の色は赤だった。
『溫井ホノオ選手と陣フウガ選手!! 雪野ハナ選手と薄井カゲ丸選手!! この組み合わせに決まった~!!!!!!』
当たっちゃったよ、嫌な予感。
ど、どうしよう!!!!!!
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