しばらくして・・・

まあ、しばらくして・・・ノウルたちが旅に出ようと言ってきたから、旅に出ることになった。


ケンソーク家の皆ともこれでお別れだ。


「ありがとうございました」


「街に行って、困ったときはケンソーク家の名前をすぐに出すんだよ?分かったね?」


「そうよ、私達の名前を出せば、この国の境はほとんど通れるはずだから!」


「ちづき、僕のこと忘れないでね?」


「ちづき、私は将来もっとキレイになって、あなたの前に現れるから!」


「う、うん?」


皆の気迫されて、びっくりして後ずさると、ラグワが大きくなって、皆の前に立ちふさがった。


「ああ、すまない。でもな、心配なんだよ」


「ええ。本当に心配してるの」


二人が申し訳なさそうに言った。僕はラグワを撫でて、落ち着かせながら、二人に返事する。


「僕も初めてのいい思い出があなた達のお陰で出来ました。とっても嬉しいです」


ニッコリと微笑みながら言うと、皆がなんとも耐え難いような顔をしてしまった。僕は何かやってしまっただろうか?


「うん。元気にしてね」


と、ソンアリーさんが抱きしめてくれた。


「ふへへ。ありがとうございます」


皆と抱きしめあって、別れを惜しんでいると、ノウルがつついてきた。


『そろそろ、行くぞ』


「分かった。それじゃあ、さようなら」


「「「「じゃあね」」」」


皆に見送られながら、ノウルの背中に乗って、ケンソーク家から出発した。

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