不機嫌+余談
僕は昨日、レドラの翼と体の間で寝かせてもらった。
昨日は叫びながら起きてしまったけれど、レドラは知らないふりをしてくれて、安心した。
ノウルは双子に邪魔されて寝れなかったらしく、ぐる”る”る”う”と不機嫌そうに鳴いている。気持ちわかるよ。
前世では僕も三歳の妹がいたから。僕がうたた寝したら、おきて!と頬を叩かれて起こされた。今考えると、まあまあひどい子だよね。
ま、血が繋がってなかったし。今となっては懐かしい。
当事者の双子はノウルの背中の上ですやすやあああああっと寝ている。
『今のうちに行くぞ。うるさくてかなわん』
『ノウルって子供には好かれやすいけど扱いは下手ですよね』
『凄いよラグワ。それ合ってる』
『で、どうなんだノウル。子供の世話の極意というものがあれば教えていただければ嬉しいんだが』
ノウルがラグワの一言が原因でからかわれた。
『後で覚えておけ。ラグワは締める』
ありえないほどの低音で言ったから、ブルリと震え上がった。
体が命の危険を感じて、腰を抜かしてしまった。恥ずかしい。声を出されただけなのに。
『締められるのは嫌ですねえ』
ラグワは余裕顔でニヤニヤしてる。
ルフラは怯えてしっぽを丸めた。そして、レドラの横に座りこんだ僕の隣りに座って、撫でて、としっぽで僕の手を撫でててきたから仕方無しに頭をなでてあげる。
レドラは全く違う反応をする僕らが面白いのか、怒ってるノウルがおかしいのかわからないけど、笑っていた。
ノウルは僕らの反応に面白くなさそうに鼻で笑うと一人・・・ノウルと背中に乗ってる双子は歩きだしてしまった。
双子はまだ寝てるけど。
僕も、今日はルフラの背中の日だからルフラの背中に乗って、歩き出す。
いつもは僕が話しかけて、ノウルとレドラが答えてくれるから、わちゃわちゃしながら歩いてるんだけど、ノウルが怒ってしまって・・・。
僕は怒った獣に話しかけれるほど図太くはない。
ってことで、余談なんだけど。みんなが背中に乗せてくれる方法を教えるね。
ノウルの場合はみんなが知っての通り、僕の襟首を掴んで放り投げる。何回かやられたんだけど、何回やられても、心がドッキンドッキンしてしんどいからやめてほしい。
ラグワの乗せてくれる方法は優雅で、ラグワがしゃがんで、僕が乗りやすくしてくれる。それでも乗れないから、ルフラに後ろから押してもらって、やっと乗れる。この乗り方は体力を使うから、足場でもあればいいのに、って思う。
ルフラはそれはもう豪快なときもあれば、ラグワのように優雅なときもあるから、教えきれない。今日は優雅な日だった。
レドラの背中に乗る方法は楽しい。
僕がレドラに背を向けて立つと、レドラが足の間から頭を通してきて、足が浮いた頃には僕はレドラの首に座ってるようになる。だから、そこから逆滑り台的な感じで後ろ向きに滑ってく。そしたら、羽がある位置に来るから、そこに重みがかかった瞬間にレドラが飛んでくれる。
レドラが飛ぶと、激しく動かない限り背中は平らになるから、滑り落ちる心配はない。
ちなみに、僕の足の間を通るときはレドラは体を小さくしてくれてるから、僕に負担は一切ない。
「むふふん、むふふん」
『何を笑っている。気持ち悪いぞ』
「ノウルたちのことを考えてた」
『・・・・・・・・』
『それは嬉しいですね』
『どんなこと?どんなこと!?』
『ブッ。ノウル凄い反撃が来たな。ン”フフッ』
またレドラは笑っている。
ノウルは押し黙って、ラグワとルフラは純粋に喜んでくれた。嬉しい。
さあ、けんやーくりょうち???へ行こう!
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