第4話 ピンクのソーセージ

 教会とは別塔にあるアタシの個室には、小さなベッドと勉強するための机とイスとタンスがある。


「どうぞ座って」


 部屋の鍵をかけると、とりあえず男子をイスに座らせて、アタシはその前に立った。


「ほら、ちゃっちゃとさわって納得してちょうだい」


 アタシは男子が触りやすいように、両手でスカートをたくしあげた。

 聖女候補生のスカートは膝丈だから、もたつくことなく、すぐに丸見えになる。


「っ……」


「ちょっと、早くしなさいよ」


「あ、ああ」


 さっきまでの勢いはどうしたのよ、と思うほど、男子はそぅっとれてきた。

 布越しにやわやわ形をなぞられると、ちょっぴりこそばゆい。


「……あたたかいな」


「そりゃそうよ。アンタのだってあたたかいでしょ?」


「……これが作り物の可能性は?」


「はぁ? まだ疑うの? もう、じゃあ、見せてあげるわよ!」 


 一旦スカートを持っていた手を離して、するんとパンツを脱いだ。

 パンツをどこに置くか迷ったので、手首にくるりと巻き付ける。

 そして再び両手でスカートをたくしあげた。


「ほら、どう? 本物でしょ?」


 今のアタシってコート着た変態さんみたいだから、早く確認してよね。

 アタシなにやってんだろって気分だから、しんなりしてるけどね。


「さわっていい?」


「はぁあ? もう! 先にキレイにしてからよ!」


 自分はともかく、他人の手にさわられるなら、どちらも洗ってからじゃないとイヤ過ぎるじゃないの。


 男子の手と自分のナニを魔法で洗浄すると、「もう魔法を使えるのか?」と驚かれた。


「基本魔法だもの。男だけど聖女候補だって言ったでしょ。あぁ、アタシ、これでも8歳ですからね」


 胸をはると、さらに目を丸くされたわよ。これは絶対4~5歳だと思われていたわね。

 さすがに金髪緑目美少女風の中身がアラフォーだとは言わないけど、男だってことと身体年齢くらいは主張しとかないとね。


 アタシのナニをふにゅっとつまみあげながら、


「8歳でこんなに小さいのか」


「小さい言わない!」


「っは。たしかに男だな」


「わ、わかってくれればいいのよ」


 すぐ離すと思っていたのに、ナニをつまんだまま、つんつんひっぱったり、指先でふにふにしてみたり。


「んっ。ちょっと? ナニしてるのよ?」


「え? 本物かどうかの確認だけど?」


 弱いけれども他人から与えられた刺激にアタシのナニが反応する。


「んんっ」


「うん。男だ」


 ようやく手を離してくれたので、やっとスカートを下ろせたわ。


「それにしても、もう、かんたんに部屋に男をあげたり、さわらせたりするんじゃないぞ」


「それ、アンタが言う?」


「約束して」


「はいはい。誰もアンタほどしつこくないから大丈夫よ」


 すーすーするからさっさとパンツをはいちゃおうとしていると、ころりとベッドに倒された。


「ほら、すきだらけだ」


 ちゅ、と唇にれるだけのキスをして「約束な」と、男子はにやっと笑って部屋を出て行った。


「アタシのファーストキス……」


 ちょっと。すごいわね、異世界男子。

 正直あなどっていたわ。

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