第5話 領主の息子だったのね

 疑い深くて手が早い異世界男子は領主の息子だったわ。


 ここは農業が盛んな領だから、アタシのイメージ的には大地主の息子って感じね。

 でも、領主一族もみんなと一緒に農作業してるのよ。

 アタシの実家が農家だったから、なんだか親近感わいちゃったわ。


 女子たちに詳しい話を聞いたら、領主様は息子が幼い時に事故で亡くなったみたい。


 奥さんはすぐ再婚するものだと思っていたんだけど、再婚相手との間に息子が産まれたら、きっと相続でもめるだろうからって、息子が領主になるまでは再婚しない! と頑張っているんですって。


 母一人子一人とか泣けるわね。


 まぁけっこうキツい奥さんらしいから婿ムコのなり手がいないだけかもしれないけれど、それくらいしっかりした女性じゃないと大きな領を切り盛りできないわよねぇ。


 教会にアタシがいるのを知ったからか、あの一件以来、ちょこちょこ領主の息子が教会に遊びにくるようになったのよ。


 領主の息子と一緒に教会の農場を歩きながら農作物の話をするのは楽しくて、深く考えていなかったんだけど、どうやら領主の息子は他の領民から若干避けられてるみたいなの。

 以前、同い年の男子と遊んでた時に偶然ケガをして、領主の奥さんが「息子まで失ってしまう!?」って疑心暗鬼になっちゃったのね。


 領主の奥さんに睨まれちゃあ、子どもたちだって遊びに誘えないわよねぇ。

 そんな状況だから、教会にいる女子みたいな姿だけど男子のアタシは、ちょうどいい遊び相手だったってわけよ。

 はたから見ても、未来のお嫁さんを選びに来ていると思われるしね。


 教会側としても、男の子はすぐ里子に出してこんなに長く育てることはなかったし、教会には独身の聖女か聖女候補しかいないから、アタシの性教育を領主の息子に丸投げしちゃったのよ。


 跡継ぎが必要な立場の子どもにはねや教育が確立されていて、すでに色々知ってて都合が良かったのよね。


 そんなわけで、領主の息子が遊びに来た日はアタシの部屋のベッドでアタシのナニをくにゅくにゅ触られるのがすっかり習慣になっちゃったのよ。


「んっ。も、いいってば」


「そうか? もう少しやったら出るかもしれないぞ?」


 前にも言ったかもしれないけど、アタシ精神的にはアラフォーなの。

 自分のナニの扱いなんて、すでにすっかりまるっと知ってるわけよ。


 十歳になったからってそんな頑張らなくても、そのうち大人になるんだし、洗浄魔法が使えるんだから無理矢理むかなくていいのよ。

 なんなら前世では後ろだって使用済みよ!


 でも、そんなことそのままぶっちゃけられないのよねぇ。

 うっかり話したら心配されるか、危険思想持ちとして投獄されそうなんだもの。


 だからいっつも、ローションみたいなの付けてアタシのナニをいじられるままになってるの。


 幼い見た目のアタシを心配してか、やたらめったらいじってくれるわ。

 最初はナニを触られるだけだったのが、キスもされるようになって、それもだんだんディープなやつになって。

 それだけじゃおさまらなくて、耳や首筋をかじられたり、胸先やなんかもなめられるようになって。


「ふっ」


 そのうち興奮した領主の息子が自分もスッキリするまでがセットっていうね。


 アタシ自身はまだ精通しそうにないんだけど、開発だけはされてる状態っていうか。

 このままだったらアタシ、先にドライオーガズムに目覚めちゃうんじゃないかしら。


 脱力した領主の息子がアタシを抱きしめる。

 この瞬間は大好きよ。

 いつもは小生意気な子が歳相応の可愛い男子になるから、アタシもぎゅっと抱きしめ返すの。


 いつからか、すごく切なそうな目で見つめられて長いキスをするのもお約束になったわ。


 うーん。これ、アタシが精通したらおさまるのかしら?

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