第6話:完結(本能)
・・・
「どうなることかと思ったが…ああなるとはな。」
「そうだね。僕達じゃ思いつかなかったよ。」
その日の夕方、俺達はまた同じ部屋に集まっていた。
あれから孝介は、学校へ向かい、テストを受けた。が、テスト開始直後に仮病で腹痛で保健室へ向かい、日本史の先生には「腹痛で実力が発揮できなかったので、成績をなんとかして欲しい。」と頼み込み、なんとか評定は一定もらえることになったらしい。結果的には、俺と「理性」の意見が組み合わさったように見える。
「僕にも「本能」にも出せないような答えを出す孝介は、さすがだね?」
「…ただの博打みたいだけどな。」
俺は俯いて答えた。なぜか孝介に負けたみたいで悔しい。
「…俺達は「本能」と「理性」でしか色々と考えられない。本当の決断をするのは、それを越えた「その人自身が出した答え」が大切になったりするんだな。」
―――そしてボソッと、呟いた。
「また明日から、「本能」くんと伝令を出し合うことになるとは思うけど…今日は分かり合えた気がする。それじゃ、またね!」
笑顔で「理性」は俺に言った。「理性」がこんなにすがすがしい顔をしているのを、俺は初めて見たかもしれない。
「…そうだな。」
そして俺も、すがすがしい顔で答えた。
そして俺達の、とある1日は終わりを告げた。
終
【本能vs理性】こーすけ!逃げるんじゃない! キコリ @liberty_kikori
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