第21話 ステータス確認 パート2
誰からがいいかの。
取り敢えず・・・
ワシはまずアオイに声をかけた。
「アオイや。そなたからステータスを見せてみよ。」
「わかりましたぁ。」
ワシの指示に応え、アオイは皆に見えるようにステータス一覧を空中に表示した。
アオイ
種族 異世界人
属性 光
職業 ヒーラー
年齢 16
性別 女
レベル 58
体力 110
攻撃力 17
魔力 216
物理防御力 10105
魔法防御力 10077
素早さ 86
魔法
初級光魔法・中級光魔法
スキル
鑑定・不老・全状態異常無効
魔力メモリー・慈愛の女神の加護
「うむ、この世界に来てさほども経っておらんのによくぞここまで頑張ったな。偉いぞ。」
ワシは素直にアオイを褒めてやった。
実際にこれは凄いことじゃからな。
この世界に来てまだ一月も経っておらんアオイ。
しかしどうじゃろう。
最早人族で言うところの熟練の域まで達しておるぞ。
「えへへぇ🖤主様にぃ、褒められちゃいましたぁ。嬉しいですぅ。」
顔をとろけさせて喜ぶアオイ。
うむうむ。
今後もこの調子で頑張ってもらいたいものじゃ。
にしても・・・
相変わらずの防御力の高さと攻撃力の低さじゃな。
まあしかしこのアンバランスさがアオイらしいと言えばアオイらしい。
因みに、魔法の攻撃はステータスの攻撃力に当てはまらず、魔力によってその威力が上がるのじゃ。
なのでアオイのホーリーランスがそれなりに威力が強いのはそういうことじゃ。
「アオイさん・・・凄いです。このレベルで魔王を倒してしまうなんて。」
「えっ!?この子魔王倒したの?ああ、でもまあこの防御力とあのレイピア使えば倒せるか。にしてもとんでないわね、このステータス。それに異世界人って・・・」
バシルーはアオイが異世界人であることに驚いておるようじゃ。
それもそうか。
キサラムとキロイには以前説明しておいたから二人は驚きが薄いが、普通に考えたら衝撃の事実じゃろうな。
過去にはいたが今現在において、アオイ以外の異世界人はこの世界におらんしの。
未だに驚きの顔を見せたままのバシルーを尻目に、ワシは次の者にステータスを出す指示を出した。
「どれ、次はミドリコのステータスを見せてもらおうかの。」
「ピィ!」
短く鳴いて応えたミドリコは、アオイの出しているステータスの隣辺りに自分のステータスを表示させる。
ミドリコ
種族 シャドウドラゴン
属性 闇
職業 アオイの従魔
年齢 511
性別 女
レベル 652
体力 1126
攻撃力 1020
魔力 951
物理防御力 871
魔法防御力 885
素早さ 601
魔法
初級闇魔法・中級闇魔法・上級闇魔法
初級火魔法・上級火魔法・中級風魔法
スキル
影渡り・影縛り・魔力探知
警戒・威嚇・毒無効
一点集中・均衡の森の魔女の加護
「ほう、レベルも500を過ぎれば上がりづらいじゃろうに、よくぞここまで上げることができたな。そなたも実にセンスがあるぞ。」
「ピィ!ピィィー🖤」
ワシに褒められて上機嫌のミドリコ。
中々どうしてるこやつも見所がある。
この調子でいけばこやつにも森の一角の守衛をさせてよいかもな。
いや・・・ミドリコを手放すのはアオイが嫌がるかの。
まあ、そういったことは後々考えるか。
どれ、次は・・・
「キサラムや、次はそなたのステータスを皆に見せてくれんか。」
「かしこまりました。」
言って直ぐに自分のステータスをミドリコのステータスの隣に表示させてくれたキサラム。
行動が早くて良い娘じゃのう。
キサラム
種族 妖精
属性 火 風 水
職業 マギ・セイバー
年齢 221
性別 女
レベル 1216
体力 1505
攻撃力 1269
魔力 2150
物理防御力 1235
魔法防御力 1581
素早さ 1552
魔法
初級火魔法・中級火魔法・上級火魔法
初級風魔法・中級風魔法・上級風魔法
初級水魔法・中級水魔法・上級水魔法
スキル
精霊の加護・魔法剣・身体強化
浮遊・魔力メモリー・拘束魔法無効
毒無効・不老・マジックブースト
魔力探知・警戒・トレース
鑑定・精霊術・均衡の森の魔女の加護
「うむ、流石妖精の女王じゃ。これだけの力を持っておれば安心して森の守衛を任せられるな。ワシは良い娘を持ったわい。」
「あ、有り難きお言葉・・・」
キサラムはワシに視線を合わせず、照れながら下を向いてしまった。
うむうむ、愛い奴じゃ。
この謙虚な姿勢にいちいち好感を覚えるぞ。
それにまだまだ伸び代はありそうじゃしの。
今後が楽しみじゃわい。
どれ、キサラムの次は・・・妹のキロイにするかの。
「キロイや、そなたのステータスを出してくれんか。」
「うん、わかったよ。えい!」
ワシの声に即座に応え、キロイは姉のステータスの隣に自分のステータスを表示させた。
キロイ
種族 ???
属性 全
職業 兵器
年齢 0
性別 女
レベル 1
体力 3000
攻撃力 3000
魔力 3000
物理防御力 3000
魔法防御力 3000
素早さ 3000
魔法
初級光魔法
スキル
均衡の森の魔女の加護・老化無効
魔力メモリー
「キロイちゃん凄いですぅ。」
「何なのこの子!私はおろか魔王より強いんじゃない?しかもレベル1で?うっそー!」
真っ先に驚きの声を上げたのはアオイとバシルーじゃった。
てっきりキサラムが初めに声を上げると思っておったのじゃがのう。
おや?何やらブツブツ言っておるぞ?
「危険だわ・・・もしキロイが反抗期になったら・・・止められない・・・」
ああ、なるほど。
そういう不安があるのか。
しかしもしそうなった時にはワシが止めてやるから安心して欲しいのう。
まあ、この愛らしいキロイに反抗期がくるのかどうかは甚だ疑問じゃがな。
もっと良い方向に考えてもらいたいものじゃ。
ワシは更に説明を加える。
「まだ半分の力を解放させただけじゃが、これなら今後キサラムの力になれるじゃろう。条件を満たせば全解放できるが、まあそれは追い追いな。」
そう、キロイの力はまだまだこんなものじゃないぞ?
じゃからこれからはキサラム一人で背負わず、二人で協力してやっていけば良いのじゃ。
じゃが、キサラムは更に考え込んでしまった。
「今よりも強くなる?・・・ああ・・・私は一体どうしたら・・・」
やれやれ・・・
不安が無くなるほど、もっと鍛えてやるとするかの。
自分が強くなればそんな悩みは払拭されるじゃろ。
では最後に・・・
「バシルーや、後はそなただけじゃ。ステータスを見せてみよ。」
「・・・いや~、私はいいかな。見せるほどでもないし・・・」
ワシの指示を断ってくるバシルー。
何じゃ?
散々他の者のステータスを見ておいて、自分は見せんと言うのか。
そんなことは許さんぞ。
「いいから早よう見せんか!どうしてもごねるようなら力付くで・・・」
「わかった!わかったよぉ・・・うぅ・・・笑うなよぉ・・・」
観念したバシルーはやっとステータスを開示した。
バシルー
種族 人族
属性 闇
職業 ニート
年齢 61
性別 女
レベル 1202
体力 1802
攻撃力 1380
魔力 2033
物理防御力 1252
魔法防御力 1622
素早さ 1405
魔法
初級闇魔法・中級闇魔法・上級闇魔法
特級闇魔法
スキル
闇の依り代・全闇属性スキル
不老・均衡の森の魔女の加護
「ニートってぇ・・・」
「うわああん!だから見せたくなかったんだよぉ!」
苦笑いのアオイと恥ずかしさのあまり泣きじゃくるバシルー。
うむ・・・
まああれじゃ。
追放されておった訳じゃし、何もしなくても闇の神の能力なら生活にも困らんかったことじゃろうしな。
うん、まあ・・・
少し可哀想じゃな。
「てっきり職業は神だと思っていたのですが。」
「うっ・・・」
更に追い討ちをかけるキサラム。
そして・・・
「ねえねえ、お姉ちゃん。ニートって何?」
「カハァ!」
キロイが止めを刺した。
これこれ、止めてやらんか。
もうバシルーは顔を真っ赤にして俯いてしまったぞ。
むう・・・
これは何かで話を変えてやらねばならんな。
そう思っておった時、アオイが話を逸らしてくれた。
「因みにぃ、先輩のステータスって見れないんですかぁ。」
物凄く興味深そうにワシにお願いしてくるアオイ。
よし、よくやった。
ここは快く応えようぞ。
「おお、良いぞ良いぞ。直ぐにここに呼んでやるからな。皆でステータスを確認しようぞ。」
言って直ぐにワシは空間移動で従魔をリビングに呼び寄せる。
「すまんがそなたのステータスを見せてくれんか。」
「・・・」
従魔は無言で頷くと、ステータスを開示して見せてくれた。
シロク
種族 エタニティフェンリル
属性 聖
職業 クロアの従魔
年齢 1702
性別 女
レベル 2502
体力 4252
攻撃力 4709
魔力 4758
物理防御力 5061
魔法防御力 5010
素早さ 5189
魔法
全聖魔法・特級水魔法
スキル
魔力吸引・瞬動・全状態異常無効
魔力メモリー・警戒・威嚇
魔力探知・均衡の森の魔女の加護
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「わぁ、先輩凄いですぅ。尊敬しますぅ。それにぃお名前、シロクって言うんですねぇ。シロク先輩ですぅ。」
感動の声を上げたのはアオイただ一人だけじゃった。
他の3人と一匹は黙ってしまったのう。
無理もないか。
アオイとワシは別格として、まさか自分達より強い魔獣がすぐ近くに居るのじゃからな。
緊張感がヒシヒシと伝わってくるわい。
・・・
さて、一通り確認は済んだの。
未だステータスについて騒いでおる面々を見て、ワシは顔を少し緩ませる。
千と数百年の間、静かに暮らしてきたからのう。
まったり時間は恋しいが、こう賑やかなのも悪くない。
・・・
数時間後、キサラムとキロイは自分達の家に帰り、バシルーは森の南東に新たに建てた家に送っていってやった。
というわけで今自宅にいるのはワシとアオイとミドリコとシロクのみ。
シロクとミドリコは疲れて一眠りしたいのか、早々に自分達の部屋に行ってしまった為、リビングに残っているのはワシとアオイだけになった。
「主様ぁ、やっと夫婦水入らずですねぇ。」
「誰と誰が夫婦じゃ!」
全くアオイはぶれないのう。
まあワシも大分慣れてはきたがな。
それにこれから共にここで暮らすのじゃ。
夫婦とは言わんでも家族として接してやらんでもないか。
アオイの愛らしさをワシもわからんわけでもないしな。
うむ・・・
まあ何はともあれ、落ち着いたら腹が減ったの。
「アオイや、そろそろ夕飯じゃし食べ物を出してくれんか。出来れば肉系がいいのう。」
いつものように指示するワシに、ニコッと笑顔を見せるアオイ。
ミドリコには起きたときにでも出してもらえばいいじゃろ。
アオイは早速魔力を両手に込めてスキルを発動させた。
「はいぃ!お任せくださぁい!・・・
現れる異世界の料理達。
さて、今回はどんな味の料理かのう。
楽しみじゃわい。
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