第7話 未来の不在

 大学からの帰り道。公園のベンチで一息ついて、コネクト・ミーを立ち上げた。


 現在の俺:大学、人多い

 過去の俺:どれくらいいるの

 現在の俺:分からんが、万は超えてると思う

 過去の俺:多いな。想像できないわ。

 現在の俺:ライブ会場を想像してくれ

 過去の俺:行ったことない

 現在の俺:じゃあ、遊園地

 過去の俺:なるほど、とにかく人がめっちゃいるってことね

 現在の俺:その通り

 過去の俺:で、人の多さに疲れたの?

 現在の俺:よく分かったな。さすが俺。

 過去の俺:まあね。人多い場所は俺も苦手だし

 現在の俺:そりゃそうだ

 過去の俺:……なんか、会話にリズムがないね

 現在の俺:未来の俺がいないからかな。

 過去の俺:珍しい

 現在の俺:んなこともないだろ。ていうか、なんだかんだ言ってあいつ社会人だし、今の時間だったら仕事してるんじゃね

 過去の俺:かもね

 現在の俺:今日はこれくらいにしとくか。

 過去の俺:だね。

 現在の俺:話聞いてくれてありがとう

 過去の俺:いえいえ

 現在の俺:ではでは

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