第6話 骨折

 大学生活が始まった。授業中、ノートパソコンで講義内容を記録していると、未来の俺から着信があった。


 未来の俺:骨折した……

 現在の俺:マジで?

 未来の俺:マジで

 現在の俺:いつ、どこで、なんで?

 過去の俺:5W1H

 現在の俺:そこまで詳しく訊いちゃいないけど

 未来の俺:When→昨日の夜

      Where→自室で

      Who→俺は

      What→踊っていて手首を骨折した

      Why→踊っていたのはテンションが上がっていたため

      How→腕を伸ばしたときに、思い切り手を壁にぶつけて、骨折

 現在の俺:詳細な情報をありがとう

 過去の俺:骨折の理由がダサい。もっとかっこいいのがよかった。車にひかれそうになっていたおばあちゃんを助けて骨折したとか。

 未来の俺:うるせえ。お前の未来にそんなスーパーヒーロー的な展開はねえよ

 現在の俺:なんで踊ってたの? 趣味?

 未来の俺:新入社員歓迎の出し物でダンスするから、その練習で

 過去の俺:それ聞いたら、ちょっと好感持てた

 未来の俺:俺は未来のお前やぞ。好感持てなくてどうするよ

 現在の俺:てか、今どうやってタイピングしてるの? 手首骨折したんやろ。片手で打ってるの?

 未来の俺:足でタイピングしてる

 現在の俺:……汚い

 過去の俺:……やっぱりダサいわ

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