終戦

 皮肉なものだよね。

 僕が元いた世界ではアメリカ率いる連合国がたった一国残った日本を蹂躙した。

 そして、この世界では日本率いる同盟がたった一国残ったアメリカを蹂躙しようとしている。

 ここまで立場が変わるとは。

 ……そういえば完全に忘れてたけど核兵器はどうなっているんだろう。

 うち核開発なんてしてないんだけど。

 アメリカは核開発成功させているのか?

 ……どうなんだろう。

 もし開発に成功しているとしたら……。

 最悪だな。

 

 ■■■■■

 

 夏季大攻勢

 大日本帝国軍は同盟国軍とともに大攻勢を始めた。

 当初は圧倒的な物量でたやすく押しつぶせるかと思っていたのだが、そう簡単にはいかなかった。

 ソ連やフランスコミューンの残党共がアメリカに逃げ込んでいたのだ。

 面倒。

 実に面倒なことをしてくれたもんだ。

 質はこちらが圧倒的に上回ってはいるものの量はさほど変わらなかった。

 なのですべての戦局が優勢であるものの進撃を進めるのには時間がかかった。

 流石は相手がチート国家と呼ばれるアメリカなだけはあって戦車や航空機などの武器が数多く配備されていた。

 普通に面倒だった。

 ただただ長い戦線をじりじりと押していくだけ。

 ラスボス感ゼロ、今まで一番地味である。

 動画とかなら全カット不可避である。

 僕はもう飽きて残りは全部他の人に任せて自宅で妻たちをイチャラブしてた。

 その時だった。

 謎の爆発によって前線が吹き飛んだという報告を受けたのは。

 完全に僕がフラグを建ててしまったというわけだ。

 

 結果的に核兵器が戦況をひっくり返ることはなかった。

 確かにダメージは大きかったが、量産もできていなかったこともあって。

 むしろ、核兵器によってできた穴に中国軍という名の肉壁を大量に投入することによって大いに進軍することができた。

 核兵器によって核汚染された大地を中国軍が歩き、そして、なんやかんや言って一年くらいかかりようやくアメリカを降伏にまで追い込んだ。


 ■■■■■

 

 戦後。

 そこには平和な世界があった。とは言いたがかった。

 しかし、日本とアジアには確実な平和が広がっていた。

 講和会議では以下のような内容に決まった。

 まず、日本は今回の戦争で得た領土としてはアラスカくらいである。

 しかし、自国の影響下に有る国の数は多く増えた。

 イランなどの中東はすべて大東亜共栄圏に入り、ロシアも大東亜共栄圏に入った。

 ただし、ロシアの領土は大幅に削られたが。

 次にドイツ。

 イタリアやバルカンの国々を直轄とし、ロシアの領土を割譲。

 ナチス・ドイツの目的であった東方生存圏くらいの領土だ。

 最後にイギリスはフランスを割譲。他にもアフリカにも多くの植民地を獲得した。

 現在ドイツとイギリスの関係性は悪く、冷戦の一歩手前まで来ている。

 しかし、日本はそれらの戦いには干渉せず中立を維持。

 発展に注力している。

 これから先の日本には永遠の平和が待っているだろう。

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日英同盟万歳!今から入れる保険あるんですか!?安心してください!ありますよ! リヒト @ninnjyasuraimu

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