第37話 細くとも



林の中で夜を過ごす時


大きな木の年輪を見る

太く逞しくしっかりとした芯を見る


人は歳を重ねるというが

それを年輪と例え

ますます重厚な経験とする


揺るぎなき信念か


夜の明かりの焔に顔を熱らせ

目を瞑り心の中に青い竹を浮かべ

竹の中の空洞は何かと自問自答する


それは芯の無い空


年輪は無いが節目があり

細くとも芯がなくとも

強風が吹けばしなやかにやり過ごし


嵐が吹き荒ぶ中で大木が折れ


ただしなやかに高い天を目指し

節目を持って成長し

真っ直ぐに伸びる


人生とは

そんなもので良いのではないかと

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