タヌキは化けるが嘘はつかない　～幼い頃に命を救ってくれたあの子と幸せになりたい。あ、ちなみに彼女はギャルになっていて、僕はしがない化け狸です～

宙吉(そらよし)は化け狸。
三珠村の奥にある狸の里で１７になるまで過ごしていた。
化け狸だって人間社会に出ていくグローバルなご時世。
彼は里の次期当主として、村にある三珠高校へと研修に赴くことを里の長から許される。

だが、宙吉は次期当主になるつもりなどなかった。
彼が研修で里から出て自由の身になる事を望んだのは、幼い頃に命を救ってくれた少女、茉那香(まなか)に恩返しをするためである。

ついでに、あわよくば恋に落ちたりしてみたいとも思っていた。

そしてお供の玉五郎と一緒に三珠高校に編入した宙吉は、茉那香と再会する。
もちろん、自分の本当の身分は明かせない。
化け物だとバレてしまえば、茉那香に嫌われてしまうかもしれないからだ。

茉那香は茉那香で、幼い頃の印象とはかなり変わっていた。
彼女…続きを読む