第3話 コロナ離婚

愛弓あゆみちゃん、今年もクラス一緒だね、よろしく!」

 一人の女子に話しかけられたけど、えーっと……今年も同じクラスっていうことだから、去年同じクラスだったはず……うーん、二月の記憶なんて全然出てこない!

「えへへ、マスクしてると全然わからないよね、これだったら分かるんじゃない?」

 そういって、目の前の女子はそっとマスクを外した。

 すると、いままで全然思い出せなかったのにバチバチッと脳が爆破したんじゃないかと思うくらいの衝撃が起こり、目の前の女子の名前を思い出した。

「笹川さん。今年も同じなんだ。あれ、でも、出席番号近くだっけ?」

 私、佐々木愛弓と彼女、笹川雪菜ささがわゆきなは去年出席番号が並んでいた。今年のクラス名簿を見て知っている人はいるかと探したつもりだったが、見落としていたのだろうか。

「えっとね、言いづらいんだけど、うちの親、いわゆるコロナ離婚しちゃって……だから、苗字も変わって秋田になりました。出席番号一番です」

 な、なるほど。新年度一発目に反応に困る告白を聞いてしまったけど、仕方ない。あまり触れないでおこう……

「じゃ、じゃあ、今年は雪菜ちゃんって呼ぼうかな」

「うん、よろしくって、うちの学校は二年と三年でクラス替えないから、来年も一緒だけどね!」

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君の素顔を教えて 奥平 舞依 @oku-nar

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