第12話 おっすオラ田吾作②
ふぃ~。
いくら走っている馬車が少ない高速馬道とはいえ、王都までノンストップで馬を操るのは疲れるでゲス。
正直、腰がかなりつらくなってるでゲスよ……。
とはいえ、オラもベテランの御者でゲスし、SKYT(ショートタイム危険予知トレーニング)で日ごろから基本動作を身に着けてるから事故ることもなかったでゲス。
だいたい予測していたとおりの時刻に到着しそうでゲス。
「おっ、見えてきたでゲス」
前方にとうとう見えてきた王都。
遠目から見ても分かる、特徴的な東西の二つの高層建築物。
王城と大灯台。
この二つは群を抜いて高い建物だから……こーんな遠くからでもハッキリ見えるでゲス。
なんだか風に乗って潮の匂いがしてきてる気がするでゲス。
いよいよ王都が近くなった感じがするので、オラもひと頑張りするでゲスよ。
「あとちょっと! あとちょっとでエッチなおねーちゃんのお店に行けるでゲスよ!」
手綱を握る手に、ついつい力が入ってしまうでゲス。
そんなことばっかり考えていると、遠くに見える王都の景色が……なんだか女体みたいに見えて……興奮してきたでゲスよ。
二つも尖っているものがあるとか、なんかやらしいでゲス~。
だが、このときふとオラに以前のトラウマがフラッシュバックしたでゲスよ。
そういうば……前回の王都で遊んだときには……ポン引きに騙されてしまったんでゲス。
なんせ「ハプニング! ハプニングバーです!」と言われたからホイホイついていったら……お金を払って通された店には、雌ゴブリンしかいなかったでゲス……。
通常料金払って雌ゴブリンでゲスよ?
ワンセットって40分でゲスよ?
どうやったら、そんな悪意に満ち溢れたことを他人に対してできるでゲスか?
オラが自分を取り戻して振り返ったときには、ポン引きは姿を消していて……しょうがないから追加料金を払って……。
あのときは……でゲス。
そんなツライことがあったでゲスよ……。
いま思い出しても胸が苦しくなってしまいでゲスが……。でも、あの頃のオラと今のオラは違うでゲス!
あの屈辱だけは絶対に晴らさないといけないでゲス!
次こそは、ちゃんと信用できるポン引きについていくと心に決めてるでゲスよ~!
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ふぅー。
やっと王都の別邸についたでゲス。
男爵の別邸にひとまず馬車を止めたらオラの仕事は、ひとまず終わりでゲスよ。
そうなったら……あとは、男爵から大入り袋をもらって、夜の町にシケこむでゲス。
ゲヘへへ。
楽しみでゲス~。
おっと。
いけないでゲス。
仕事というのは最後が一番大事なんでゲスよ。
だから、オラはゆっくりとゆっくりと馬車を減速させたでゲス。
最後に止まったときに少しでも揺れがあったら、興ざめもいいところでゲス。
こういう仕事の細部まで手を抜かないのが、できる御者なんでゲスよ~。
そして、繊細なテクを駆使して、無事、車止めのちょうど真ん中のベストポジションに車体を収めたでゲス。
「ふぃ~。うまくいった。流石はオラの操縦テクでゲス。このテクがあれば女をいくらでもヒィヒィ言わせれるでゲス!」
あとは……、ここが本当の正念場でゲス!
ここが正念場でゲスよ!
オラは流れるように車輪止めを噛ませると、側面に回ったでゲス。
そして、ドアに手首のスナップを効かせて、静かに響くようにノックをしたでゲス。
コンコン。
決して聞くものを不快にさせることのない、最高のノックができたでゲス!
いつもだったら「開けていい」という返事が男爵から返ってくるでゲスが……。
なぜだか今日は返ってこない……、オラは不審に思って、よく前をみたでゲスよ。
すると……。
「ヒイィ!」
そこに至ってオラは気づいたでゲス。
なんと、窓ガラスが真っ赤に血で染まっているでゲスよ。
「ど、どうやったら……尻の穴からこんなに血が出せるんでゲスか?」
思わず腰が抜けそうになったでゲス……。
でも、オラはこの程度でへこたれたりはしないでゲス……。
実は、今日のこの後のスケジュールは予定が目白押しといった状況なんでゲスよ……。
そのスケジュールを遅らせるわけにはいかないでゲス!
この状況においては、男爵の許可がなくてもドアを開けるぐらいしないと、優秀な御者とはいえないでゲス!
……決して、一分でも早くエッチなお店に行きたいわけじゃないでゲスよ?
「失礼しますでゲス!」
そう言ってから、オラは外側からかかっていた錠を開けたんでゲス。
■■あとがき■■
2021.12.21
昔々あるところにテリードリームさんという、それはそれはホラをふく筆者がおったそうな。
あとがきのたんびに、「もう寝落ちしません」「毎日更新を目標にします」などとのたまうのはいいものの……。
実際の連載ペースの方はサッパリだったそうじゃ。
そんなある日のこと。
テリードリームさんが、更新しようと思ってダッシュボードで連載作品をポチったときのことじゃった。
テリードリームさんは、今更ながらに驚くべき事実に気が付いたのじゃった……。
「カ、カクコンの必要文字数に到達すんの無理じゃね……?」
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