第4話 初顔合わせ

 僕とみずきさんは教室前に来た。

「ドキドキしてきた」

「あらまぁ」

 初めて会うからね。緊張するよね。

「ねえ、本当に心配してる?」

「うん、心配はしてる」

「そうは見えないよ」

 いつものこと。

「あっ、先生が手招きしてる」

「すぅーはぁー」

 深呼吸大事。

「行きます!」

「頑張れー」

 僕が先に入り「連れてきました」と先生に言った。

 すると「ご苦労、席につけ」となんと上から。とか思いつつ、席についた。

 僕に続いてみずきさんが教室に入って来た。

 クラスはざわめきに包まれた。

 教壇に立ったみずきさん。

「では、自己紹介」

「はい!」

 顔が真っ赤だ。汗も凄い。大丈夫?

「えと、羽咲はなさきみずき、です。よ、よ、よろしく、お願い、します」

 ペコリ。

「てなわけで、戻って良いぞ」

「いいえ、席に着きます」

「おお、そうか」

 みずきさんはあの席に初めて着席した。

「うむっ、全員揃ったな。泣けるな」

 えー、感動してるー。

「なんなら集合写真撮ろうか!」

 うわー、調子こいてる。

 というわけで、机と椅子を後ろに移動している間に先生はデジカメを取りに職員室へ。

「よろしくね」「よろしく」「可愛い!」等々、女子達がみずきさんに声をかけていた。

 それにみずきさんはニコニコしている。

「良い感じね」

「うーん」

「何か不満?」

「うーん」

「うーんじゃ分かんないよ!」

 怒らないでー。

 ガララーダンッ!と戸が勢いよく開き、先生が職員室から戻って来た。

「待たせたな!背の順で、小さい奴は前、大きい奴は後ろ!」

 先生・・・いや、こう姉ちゃん、あんたがはしゃいでどうするの?

 言われた通りに2列に分かれて並んだ。

「羽咲、真ん中な」

「えっえっ?」

「私、とーなり♪」

優愛ゆめちゃん!」

「なら俺後ろー!弦大げんたもな!」

「あーはーい」

弓河ゆみかわ君、弦大君!」

 みずきさんの表情が安心している。

 僕も安心。

 国語の武尾たけお先生が入って来た。

「武尾、ありがとう!」

「いえいえ」

 どうやら武尾先生は写真係りのようだ。

「では早速撮りまーす。1+1は?」

「「「にー!!!」」」

 パシャリ

「もう1枚、はいチーズー」

パシャリ

「うん、上手く撮れた」

 自然と拍手が沸いた。

「ありがとう!」

「はいはい」

 武尾先生は静かにいなくなった。

 机と椅子を元通りにして。

「さてと、全員、1限目の数学、始めようか!」

「「「えー!」」」

 ブーイングするよね。

「残り30分あれば授業は成立する!はい教科書ノート出す!」

 こうして授業が始まった。

 あれ?みずきさんいない。

 いつの間にか図書室に戻ってしまったようだ。

 忍者みたい。

「昼休みに行こう」

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