5・異世界もののオリジナリティ

 ”異世界もの”は、当たり前だけれど確実にファンタジーなわけです。異世界の”異”は現実と異なるという意味合いなはずなので。

 異世界もの、ファンタジー、どちらも好きという人もたくさんいるとは思いますが、異世界とファンタジーの大きな違いは何か考えてみようと思う。


・持ち込み可能な世界、それが異世界ファンタジー。

・持ち込みをすると違和感が起きる、それがファンタジー。(ハイファンタジー)

・世界観が重要視されるのが現代ファンタジー。(ローファンタジー)


ファンタジーは大きく分けると、

・異世界ファンタジー

・ハイファンタジー

・ローファンタジー

こうなるわけですね。


 ローファンタジーというのは、あやかしとか妖怪、幽霊、ドラキュラなどが存在したり、ハリーポッターのようなたぐいだと思うのだが、ファンタジーというのは”その世界に存在するもの”と”舞台”が空想でできている。どこまでもオリジナリティを追求できる分野。

 SFというのは、おそらく空想科学。”もしかしたら未来に可能となるかもしれない”ハイテクなものや、夢なども詰め込まれたジャンル。


 じゃあ異世界ものは?

 何でもアリな世界なのではないかと思う。


 主人公は現代人である。これが凄く重要。何をしていたのか、どんな知識や技術を持った人なのかで、異世界に対して無限の可能性を生むことができる。


 あなたは楽しみながら物語を作っていますか? 

 異世界ものは、”どんな、誰を異世界に送り込んでやろうか?”と策を練ることができるジャンル。レビューを書くにあたり、たくさんの異世界ものに触れる機会がありましたが、発想次第で”こんなの見たことがない”に出会うことも可能。異世界に行って、冒険したり戦ったりは正直、ありきたり。しかし発想一つで、そのありきたりをあなただけのオリジナルに変えることも可能なのです。


 大事なのは、目的だと思う。

 主人公は何を目的として、その異世界を旅しているのか?

 元の世界でどんな経験があり、それをどのように活かすことができるのか?

経験を活かしてピンチをチャンスに変えるからこそ面白く、設定だけで納得させることができるのも、異世界ものの良さだと思う。

(少し説明や経緯を、短縮することができるという意味です)


 ここからやっと本題。


 何でもあり、現代から持ち込み可能な世界が異世界もの。

 ファンタジーというのは、その世界にあるものから発展させていかなければならない。しかし異世界ものは、主人公が別の文明の知識を持っているので、”ファンタジー”では存在するとおかしなものでも違和感がないの。


 持ち込むものは、アイデアなのか? 知識なのか? それともモノなのか?

 どうしてそれを持ち込もうと思ったのか?

 理由があるからこそ、必然性が生まれ、リアリティを持たせることができる。

 そして持ち込むものにオリジナリティが生まれるのである。


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