第9話 雨の日のご褒美?

「ひゃー、結構降ったねー」


「天気予報はあてにならないね」


 玄関で水を少し落とす。


「ヒナ、風邪ひいちゃうから先にシャワー浴びちゃって」


「ええ、それならヨーコだって風邪ひいちゃうよ」


「私は...大丈夫だよ」


「そうだ、一緒にシャワー浴びたらいいじゃん!」


「ええ!?」


「え?そんなに嫌だった?」


 私があまりにも驚いてしまった為、ヒナがしゅんとしてしまっている。


「べ、別に嫌とかじゃないくてね。その...恥ずかしい」


「私はヨーコに風邪ひいてほしくないなー」


「...わかったよ」


 二人でシャワーを浴びる事になってしまったので脱衣所に行き、雨でしっとりとしてしまっている服を脱ぎ始める。


 ヒナは躊躇なく次々に制服を脱いでいく。


「ほらヨーコ、早くしないとー」


「わ、分かってるよ」


 そんな事を言われたって恥ずかしいんだもん。


 私ばっかりドキドキして、なんか悔しいような。


 もう脱ぎ終えたヒナの体をチラッと見る。


 身長の割には胸はある方だし、余計なお肉はついていなくて白い綺麗な体。


 そうだ、ヒナもドキドキさせてやろう。


「ヒナ、綺麗な体してるね」


 これでちょっとはヒナもドキドキしてくれるかな。


「え?そうかな?ありがとう。ヨーコもいい体してるよねー。服の上からでも分かるくらいの大きな胸はこの前いい触り心地だったし、キュッとしまった体にその身長だもんねー。うーん、エッチな体だねー」と倍返し以上に返されてしまった。


「な、ななな、ヒナっ!からかわないでよっ!」


「別にからかってないよ〜」と言いながらドアを開けてお風呂場に入りシャワーを浴びはじめた。


 恥ずかしがっていても仕方ないと思い、残っていた服を脱いでヒナの後にお風呂場に入った。


 ヒナの後ろに行って出来るだけ体を見られないようにする。


 タオルを巻いてはいるがやはり恥ずかしい。


 ヒナがこっちを向いてシャワーをかけてくれる。


 浴室は暖かくなっているし、シャワーも浴びて冷えた体がポカポカしてくる。


 女の子同士なんだから気にしなければいい、というのは私には無理な事だ。


 女の子同士でも好きな子とこんな状況になっていれば気にしない方がおかしい。


 見ないようにしていてもヒナの体が目に入ってくる。


 それにそこまで広いわけでもないから体が触れ合ってしまう。


 その度にドキドキしてすぐにのぼせてしまう。


 ダメだ...私には刺激が強すぎるよ。


 私は自分の欲望と戦いながらヒナとのシャワータイムを終えた。

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