To be continued ………

「新居にしては豪華だよなぁ…」


 証人保護プログラムを受けた螺厭のスマホに送られてきた住所に辿り着くと、そこはたかが学生を軟禁するには不釣り合いな建物だった。


 高さは十五階建ての鉄筋コンクリートビル、しかし外から見る限りマンションにしてはベランダも無ければそもそも窓ガラスや入り口の自動ドアは強化ガラス。そして指定された部屋はワンルームのマンションだと言う事前の説明と違い、机と椅子が並ぶ会議室だった。入る時何度も何度も確認したから建物や部屋が間違えている可能性は多分無いはず。


 頭を抱える螺厭。その時会議室に見覚えのある人が入ってきた。


「ああ、早かったな」

「アンタ、葦原さんか。この状況は一体何だっての?まさかこの会議室で寝泊りしろと?」

「済まない。時間が取れなくて説明出来なかったな。君に会いたいと言う人が居てね」

「誰さん?」

「会えば分かるよ」


 そして会議室の扉が再び開き、そこに現れたのは…。


「え、ええっと、確か、総理…大臣?」


 現役の内閣総理大臣、雅喜一総理。ニュースで見たことあるくらいの人でしか無いが、一応現在の日本の行政の頂点に立つ男だ。


「自己紹介は不要だな。深南雲螺厭君、今回の事件では活躍してくれたそうじゃないか」

「ええ、そりゃあまぁ」

「早速だが君は忍者の存在をどう受け止める?幼少期から特殊な訓練を受けた、超合金製の武器を持つ特殊工作員などと言う存在が、この日本になぜ需要があったと思う?」


 そう言う雅総理の言葉に螺厭はわかる訳が無いだろうと口を尖らせる。その間に葦原が持ってきたパソコンとプロジェクターを繋いでいた。ちょくちょく首を傾げ、雅総理にそろそろ画像を出せと視線で急かされながらもプロジェクターを起動する。


 そこには螺厭が自分の目を疑う光景が広がっていた。地球に存在するとは思えない様な異形の生命体。CG加工を疑う様な人体に改造を施されている子供達と彼らを捕らえている謎の集団。念力の様な力で敵対勢力を攻撃する何者か。


「これらは全て現実の世界中で起きている事だ。表には出せない異常犯罪、実用化された超能力兵士、そして年々増加しているUFOによるアブダクション。日本としても対応策が必要だ」

「これまでは忍者に解決を依頼してきた。だが、日本政府としての対応策も必要だ」

「だがら君のお父さんの強引な作戦にも賛同してしまった。結果はこの様だがな。だが、お陰で君という人材を見つけた」


 雅総理と葦原が書類を取り出す。螺厭はその書類を手に唖然としていた。まさかこんな展開が来るとは予想できなかった。


「君の様な特殊な人材を集め、今後発生するであろう超特殊犯罪、並びに害的勢力に対抗するチームを結成する。君をそのチームの参謀としてスカウトしたい」

「…何故、俺を?」

「君を選んだ理由は然るべきタイミングで話す。最も、その時まで世界があればな」


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