第7話 重すぎる依頼

城へ着くと

門番にカニスロが話

カニスロはその場から軽い挨拶をして消える

門番が連絡をして出てきたのは

宮廷魔術師だと推測できる身なりの人物


通されたのは謁見の間でなく

客間の一室だった


そこには王が直々に赴いてた

こんな時どうしたらいいかわからず

ユーリーがおろおろとしていたりする


ダンテがまずったなと内心思いつつも

ユーリーを羽交い絞めにして落ち着かせ

近くの椅子へ座らせる


「こんな時はうろたえるな

礼節はいらんとは言わんが

なにより大事なことはただ一つ

他言無用だ

ここで聞いたこと他人に欠片でも話せば

この国から刺客がくると思え」


ユーリーが怪訝な顔をしてる

無理か?帰せるか?


「国王よ。この者話す前に返していいか?

まだ冒険者見習いなんだ」

「この客室までの道のりを見たであろう

帰すわけにもいかぬ」

「だろうねぇ。ダンテ諦めろ連れてくしか救えん」


「そうか・・・だろうな・・・話をはじめてくれ」


話の概要はとても単純なものだった

家出した姫を探して

隣国のモルディアに連れて行ってほしい

ということらしい


言うは簡単だが仕事は難しく大事おおごとだった

政略結婚を嫌がって家出した姫君を

傷をつけずに隣国モルディアへ送り届けろというのだ


モルディアは強い国で

多くの国を同じ形で属国としている

だがモルディアは自分の属国にした国を公表してない

言わば嫁入りは建前で捕虜と言ってもいい

そんな将来を憂いでうれいで逃げた姫を

無事に届けないとなのだ


「できるなら、大枚貰っても断りたい依頼だが」

とぼそりと言うカモーナ

「全くだ、嫌な予感はしてたのに来ちまった」

そして二人同時にため息つく


二人は同じことをたぶん想像してきた

今、この国サドラニアは少し騒動の渦中にある

今後の国産になるだろう

テマの鉱脈を掘り当てたのだ


テマを磨いた「テマル」は魔術系には欠かせない石だ

魔法を使うとひどく疲労する

だがテマルを持ってるとずっとではないが

テマルが割れるまでは疲労を防げる

あくまで魔法を使った時の疲労にのみ有効なのだけど


てっきり、そっち関係で

腕の立つ冒険者を雇って安全に

城へ利益を運びたいと人を集めてるのかと思い込んだ


関係ないとは言えない

きっとモルディアはその利益をしっての

政略結婚の申し出だろう

が、まさか、一番闇に深い部類の依頼がくるとは

思ってなかった


腕が立っても国に所属してない冒険者には

断る権利がある

まー、口封じくらいはくるだろうが

そんなこといちいち気にしてたら身動きが取れなくなる


だが、これは断れない

断ればこの国には二度と入れない

forestから一番近いこの国に入れないのは

あまりにも不都合が多すぎるのだforestの者ならば


それを知っての抜擢だろう

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