その26:閑話休題

 さて、今回は現在(*注1)のお話です。

 

 義足生活6年目ともなると、本当に義足は単なるメガネのようなものになってきました。

 目が悪いからメガネをかける。足がないから義足を履く。

 そんな感じ。

 

 とはいえやっぱり不便なこともあります。

 階段とかはやっぱりてすりがあったほうが楽。無くてもいけるけど。

 走れるけど他の人よりは遅い。

 たまーに転ぶ。

 そんな程度です。


 色々と不便ではありますが、まあ普通に生活していますね。

 ただ、電車などで優先座席に座るときは少し気兼ねしてしまいます。

 見た目では分からないからね。

 東京などでは「ヘルプマーク」という所謂「マタニティマーク」のようなものが配布されているようです。

 まだ全国展開していないのですが、私が住む市も間もなくヘルプマークの配布を開始するそうで、受け取ろうかと検討中です。

 

 それよりも問題は義足の劣化。

 基本的に義足は靴と同じでだんだんと消耗していきます。

 私の場合は足先が磨り減ります。


 もうボロボロで、内部の金具が少し見えるくらい。

 歩けるし、なんともないんだけどぱっくり割れたらアウトなのでそろそろ修理の時期です。

 この義足で訓練義足も含めると4本目。

 そろそろソケットも交換かなー。

 そんな訳で義足屋さんに電話。

 数日後、義肢装具士さんがきてくださいました。

 

 前回ソケットを作り直したのは2年前なので、まだ許可がおりる時期ではないとのこと。

 足部を直すのは「修理」扱いになるのですが、ソケットを作り直すと「作り直し」扱いになって色々とややこしいのです。

 んー、残念。

 リオパラリンピックの日本パフォーマンスを見て、かっこいい義足にしたくてソケットを黒(*注2)にしようかと考えていたのです。

 仕方が無いのでそれは先延ばし。でもウレタン部分は取ってもらって金属部分を出そうと思ってます。

 

 そして色々と手続き。装具士さんが書類を持ってきてくださったので必要事項を記入。

 そこから装具士さんが市役所に提出して、許可待ち。

 これが長いんです。1ヶ月はかかるんです。

 なにをどうやったらそんなに時間がかかるのか分かんないんですけど……。

 こちとら足が壊れたら歩けないわけで、そんな悠長に待ってられないんだけどねー。

 お役所仕事は仕方ない。

 

 許可がおりたら今の義足を義肢装具士さんに預け、その間以前使っていた義足を使います。

 試しに前の義足を履いてみたら歩きにくい……。

 足部の構造が違うそうです。

 これでよく歩けてたなぁ。

 許可がおりた後、修理に1週間はかかるそうなので、その間は杖を使おうと思ってます。

 

 今現在2本義足が余っていて、もてあましているのですが、義足を寄付できるとどこかで聞いた記憶がありました。

 発展途上国や地雷源の多い地域などに寄付して使ってもらえる、という話。

 そこでそういうことができると聞いたんだけど、と確認したところ、私がお世話になっている義足屋さんではやってないとのことでした。

 残念ー。誰かの足になれたら嬉しかったのになぁ。

 処分はしてくださるそうなので、一番古い義足はお返しすることにしました。

 

 そんなこんなで現在市役所からの対応待ちです。

 はよしてくれー。


注1:2016年10月執筆当時です。

注2:その後めでたく黒のソケットに交換しました

 

 

 

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