第25話 双子

「野良犬が逃亡?」

「保健所から?」

「そうそうそれでどうにかしてほしいって」

「保健所の管轄でしょう」

「それが一片に消えたらしいのよ」

「一匹でも多くの回収お願いしますって」

「回収しても抹消処分だしなー」

「乗り気な仕事じゃないわよね」

「でも人を襲いますよ」

「仕方ないわね。最初に裏切ったのが人なんだから」

「じゃあ、ノータッチですか?」

ジジィ

「Sセンター」

「野良犬の依頼来てる?」

「来てるよ」

「どう考える」

「一片に逃がすのはご同業じゃないと無理だろうね」

「じゃあ協力体制か」

「乗り気じゃない?」

「今時生粋の野良犬がいると思う?」

「みんな捨てられたかわいそちゃんか」

「犠牲者報告いる?」「うん。」

「A区死亡一人E区でけが人1人I区でけが人1人N区で重傷1人

O区でけが人1人Q区で重症1人U区でけが人1人X区で死亡1人」

「ほっとける人数じゃないわね」

「でしょう」

「犠牲覚悟で3日待ちましょう」

「何故3日」「犬は群れで行動するものよ今のは各個攻撃だわ」

「たぶん群れができたらほっとけない犠牲者が増えるはず」

「それまでの犠牲者は?」

「そこまで責任持てないわよ。

消防署にでも呼びかけてもらうのね。」

「集団集めて火炎姫にでも焼却してもらうのが一番かと」

「戻す気ないんだ?」

「どうせ死ぬのよ戻してどうする?

でてきた方法もわからないのに」

「そっちの方どうにかしなきゃだね」

「それが厄介でしょうね」

「摩子でどうにかなるかな」

「聞いてくるわ」


ピッポーン

「摩子ちゃんいる」

「……」

「返事無し」

鍵開いてるのにいないのかな

「入っていくといた」

「額に汗をかいてなにやらブツブツ唱えてる

儀式の最中か

部屋から出て玄関で待つ30分

「あれ?まだいる?急用?」

「一応そうなるのかな?」

「乗り気なさそうですね」

「まね。野良犬の脱走の話は聞いてる?」

「一応無線は聞いてました」

「途中から真剣になったのでないようまではわかんないけど」

「犬が一度に一片に逃げた。これって召還の仕事よね」

「たぶんそうだと思います。影さがしますか?」

「できる?」「かなり難しいですがたぶん」


と言う事で保健所まで車を走らすことになりました

保健所の方に大方話をして入れてもらいましたが

すんごい胡散臭そうな目でみてやんの

そりゃ妖怪とか魔道とか怪しいのはわかるけど

ヘルプだしてきたのそっちじゃん

少しは協力的であってほしい

3.4匹いた犬を魔方陣に入らないように縛り付け

ひっくるめて癒しをかけていく

明日死ぬ命でも穏やかであってほしい

苦しすぎるそれは保健所の担当も同じだろう


魔方陣が描かれる6方星の魔方陣細かい文字が

びっしりとかかれている

カッカッカッカッと早送りで戻される画面

いた!

少し戻って追っていく

催眠をかけられたのか顔の周りに一振り手をふると

管理者は眠ってしまった近づいてくる影

若いまだ15.6歳だろう美しい少年だ

だとすると女かもしれない14.5歳か

鍵を開けようともしない

摩子と同じように描かれる6方星

かみそりで鉄を切れるのか?そんな刃傷を残して

一片に犬の鎖がはずされる

向かってくる犬

魔方陣に次々吸い込まれる犬たち

おびえて隅による犬たちを魔方陣までひっぱっていく

魔方陣も遠隔から書いてるし念動力だろうか?

こっちを向くシャッターをきる

少し驚いたようにこっちをみる摩子

同時に影は消えた

「ごめんごめん集中邪魔しちゃったね」

「シャッターには写らないと思うのですが」

「うん。写ってない」

「かおできる限り覚えていてください」

「無茶よ二人だけ顔覚えていても」

「綺麗で目に傷があったそれくらいしかいいようがない」

「しばらく待てますか?」

「うん。なに?」

「大御所を動かします」

「おおごしょ?」「はい」

「摩子ちゃん携帯買ったのか。」

「はい。魔女網は広いですから儀式を行えばいいのですが

楽なのでっと」

「わかってます。迎えにいきますから、お願いしますよ。

私の感が正しければバタフライの時と同一人物なんです。

できれば今回でなんとかしたいんですよ」

え?バタフライ?異世界から呼び出された美しき妖精

召還者はみつからずじまいだったが…

「摩子ちゃん今の本当なの?」

「十中八九波動が同じです」


ということで運転手は私なので二人で迎えに行く

途中写真を印字する紙を買って行く

大御所というからどんなのがでてくるかと思いきや

60そこそこ銀髪の美しい洒落た奥方だった

再びくると魔方陣をぞうきんでふき取ってる管理人

余計なことをするが摩子が一言

「魔方陣は基本書きてしかけせませんよ」

「基本ね能力が上ならば書き換えられるわけだ」

「着たわねさっきの少年?」管理者はこくこくする

ばーさんが「書き返れるかい?」

「はい。そこまでおてすうかけません」

摩子の作業を見ていると一部だけ書き換えているようだ

30分ほどして汗をかきながらそれでも魔方陣を仕上げる

おそらくかき消して最初から書き直す方が楽そうな気がする

ばーさんが中央に行ってブツブツ念仏じゃないが唱えだす

「あれで140歳ですよ。お若いでしょう」「げ、140?」

そして影が映る先ほどと同じ動きはこまぎれで

顔をみる…同じなんだけど違う違和感

「摩子?これさっきと同じ?」「違います」

「でも姿は同じ…」「もう少し過去にもどりゃわかるんだろう」

ばーさんは過去に戻ってく途中何か悪戦苦闘して聖水みたいなのをかける

が無事に先ほどの影がうつるやっぱり何かが違う

「こりゃ一卵性双生児だねぇ」「双子?」「そうじゃ」

同じぐらいの顔の大きさを念写してもらうと違いが1箇所わかる

目に細い傷が

悪魔召還とか思い出す波長だったバタフライの主で

二人とも女の子と間違えそうなほどきゃしゃで美しいが

一人は目に傷を持ち一人は摩子と魔術力は同じことになる

何枚か念写してもらい礼が高くついた20万摩子が支払う

「よくそんな大金持っていたわね」

「魔女の世界では大金にはいりません。魔術に使う木の実が10万

とかめずらしくないのですよ」と笑う

「はぁ」「いや別世界だな」

「摩子ちゃんの支払いもっと高くしなきゃね」

「大丈夫です個人でも働いてますから」

「なんの仕事してるの?」「魔女です」「……なるほど」

「新聞に広告も出しているのですよ」

「いやもろ胡散臭い広告になりそうね。」

「必死な人はそれでもとびついてきます」

「そういうもんかぁ」

「近辺で広告だしてるのわたしだけですけどね」

「そりゃそうだアダルト広告みたいにびっしり

店の名前だらけとかだったら怖いわ」

「ありますよ、年齢50歳以上特異体質の人」

「魔女の広告ですよ欲しいんじゃなくて50歳の魔女ですって意味」

「ほへー」



とにかくマンションに帰ってきた画像をSセンターに転送

バタフライ、今回の野犬の犯人です

そく反応があった

ピィジジ

「こちらSセンター」

「B区お疲れさん」

「どもー」

「これ2人?」

ジジ

「二人です波長がふたつで異なったので」

「二人とも高度な魔術と念動力をもってるようです」

「双子だとは言っていたけど」

「だろうね。傷がなければわかんないよ」

「まぁ1月も一緒に暮らせばわかるようになるけどね」

「そんなもんなんです?」

「どうだろ子供を間違える親もいるからねぇ」

「どっちなんですか」

「普通はわかるようになると思うよ固体は別個なんだから」

「どちらにしろ今回もう犯人はでてこないだろうね」

「そんなもんなの?」

「だって魔方陣書き換えられちゃったんでしょう?

こっちに同レベル上下する魔女がいることはわかってるし

犬を放した時点で彼らの目的は達せられてるのだから

危険は犯して来ないよ」

「あーじゃあ保健所に誰かつめさせても無理か」

「おそらくむりだろうね」

「犬の収集に全力を注ごう」

「はい」


犬が群れを作るのに3日はいらなかった

次の日には3チームに別れ平気で日中から人を襲う

ほとんどは餌目当てである食べ物を奪われる被害報告が多い

そんな事例の多い中けが人重傷者死亡者がでてくる

そんな中私と火炎姫は群れを目指して車を走らせる

群れを見つける離脱結界を張る

火炎姫が「いくわよ」と言った週間「まったー」と文子の声

無線からだ「今、生きた状態で回収お願いしますって」

「連絡来ました」「面倒なと」火炎姫

「このままはりついてるからありったけの人間集めて

向かわせて頂戴場所は3箇所こちらは○○にて目標見つけ中」

「こちら○○でも群れがいます」

「こちら○○で目標発見」

「縄ありったけとトラック1台ずつ用意して」

「カーボーイよろしく縄を首にかけて捕らえるわよ」

「4つ足縛ってトラックにほうりこむ」

「群れを全部捕らえたら保健所に行って2.3匹のもれは仕方ないわ」

日が沈む頃牢にいれて縄をほどく

小学生中学年くらいだろうか母親と不安そうにその作業を見ている

結局7.8匹逃したと思う

「残りの8匹ほどは明日連れて来てくれればいいから」

おもわずキッとなる「生け取りがどんなに難しいと思ってるんですか」

「逃れたのは知恵のあるやつばかりですよ」

「そういわずにがんばってくれこうして貰い手がつくこともあるのだし」

女の子がこの子がいいと折から手お差し出すがぶっと噛み付く

慌てて管理人が棒で叩くときゃんきゃん遠ざかる

「やっぱり保健所の犬じゃ駄目よ。帰りましょう」

「狩りたてたばかりだから気がたってるのよ」と私

「みほはさっきの子がいいの。優しくするから駄目?」

「本人に聞いてみるしかないわね」と私が牢にはいっていく

よりによって同じ名前でやんのしばらくにらめっこの末

抱き上げる向かってくる1匹の足を蹴り倒す狭いとはいえ集団なら

向こうのほうが有利だ、だが最悪なら結界を張ればいい

人のいる前ではしたくないが…連れ出してくる

「さっきほどは殺気だってないと思うけどどうかな?」女の子に聞く

女の子が手を伸ばす遠慮がちになでる犬も遠慮がちに傷口をなめる

母親ははらはらだが子の方は肝が座っている

噛まれたばかりだというのにだきたがるので渡す

女の子が帰った後私が口火を着る

「のこりの犬の殺傷処分の許可ください。体格的にも頭脳的にも

強いものが残ってます首に輪をかけるのはまず無理かと」


次の日意外な人物が朝、訪れた型口さん北海道で牧場を経営してる

「たぶん私ならいけどりできるとおもう」

一応抹消処分できるように雄一郎と火炎姫を連れて8匹を探す

5匹は群れになっていた凄い速さで首に縄をかける型口さん

しかも5匹まとめてひっぱりこむすごい力だ

「普段馬相手してるからね」と笑う

足をくくってのこり3匹被害状況から3匹を割り出して進む

3匹も程なくつかまった無事8匹生け捕り成功

出来ればこんなことお断りの仕事だが

少年少女?とにかく犯人が捕らえない限りまたなにかやらかすだろう

そもかく型口さんはその日のうちに用事をすませ牧場に帰った

パワフルなお方である


その後また犬がにげださないか1週間ほど様子をみたが

やはり動く様子はない

写真は24区全部にくばられている見つかるのも都内なら

そう、かからずにみつかりそうだが…さてはて

どうやって戦うべきか更正が可能か頭の痛いところである



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