学校行く準備しよっか...
「千秋、相変わらず起きるのが遅いんだから...もう。」
「う...ごめんなさい...」
「いいのよ?朝ご飯一緒に食べてくれるだけで満足よ。」
お姉ちゃんは生徒会ということもあって朝早く家を出ることが多い。
千尋とは毎日学校行くんだけど、お姉ちゃんとは行けない日もある。
ていうか行けない日の方が多いのかも?夏休みとかも千尋と僕がゲームしてる時によく学校行ってくる、とよく声をかけているような...
そう考えると朝のんびりしてるのが申し訳ない気持ちになるんだけど...朝はどうしても起きられないんだよねぇ...雨の日なんてとてもじゃないけど布団から出られないよね...でもこれに関してはほぼ全人類の悩みでしょ。
ただ、この常識はお姉ちゃんと千尋には当てはまらない。お姉ちゃんは言うまでもなく早起きなんだけど、実は千尋もそうなんだよね。まぁ千尋に関しては早く起きるのが得意というより、寝なくても体が持ついわゆるショートスリーパーというやつなだけなんだけど。僕が眠くなって寝た後も朝までゲームを続けて、僕を朝起こすなんてことはしょっちゅうなんだけど、今日もそのパターンだった。
「千尋ー、今日も起こしてくれてありがとねー。」
そんなことを考えていたから無性にお礼を言わないと、って気持ちになった僕は千尋に言う。
食器を並べていた千尋は不思議そうに首を傾げて
「ん、なんで?別にいつものこと。」
「いやね?いつものことがありがたいことって気づいてさ?」
「どういうこと?変なにぃ。」
「きにしないでいいよ。」
「そう。」
一言だけいって千尋はご飯の準備を再開した。
「さ、準備も終わったことだしご飯にしましょう。」
「うん、そうしよ。お姉ちゃんは今日もはやく行かないとだしね?」
「そうなのよ。今日は朝話せない分夜早く帰ってくるからたくさん話しましょう?」
「もちろん!だけどその前に朝ご飯だね?」
「ええ、そうね。えっと...今が7時前だからあと30分ぐらいかしら?もう出発する準備は出来ているし、焦らずに食べられるわね。」
「それじゃあ、いただきます。」
「「いただきます。」」
お姉ちゃんに僕たちも続けて言う。
今日のご飯は卵焼きに鮭といった和風の感じ。でも果物のみかんがあったりとお姉ちゃんがしっかりと栄養を考えて作ってくれていることがわかる。
「ん、お味噌汁おいしい」
「ふふ、今日はわかめ、豆腐、油揚げだものね。」
「今日は千尋の好きな組み合わせだ。」
お姉ちゃんのご飯を作る時のこだわり、というかお味噌汁を作る時のこだわりがある。
そう、お姉ちゃんがお味噌汁を作る時には具の組み合わせがかなり多くなっているのだ。ねぎみたいに一般的なものの時もあれば、珍しいものでいえばつみれなどが入っていたこともある。
姉曰く、
「こういうちょっとした遊び心があっても面白いじゃない?」とのこと。
実際家族みんなガチャガチャ感覚で楽しませてもらっている。
でもさすがお姉ちゃん、美味しくないものがないから絶対にあたりの中からなにがでるかといった感じなので僕たちも安心して食べられる。
「「「ごちそうさまでした。」」」
他愛ない雑談をしているといつの間にかご飯はなくなっていた。
「じゃあ私は学校行く用意の最終確認したりしてくるわね。」
「うん、食器洗ったりは僕たちに任せて。」
そうして僕と千尋は食器洗い、お姉ちゃんは学校へ行く準備をそれぞれしにいく。
「千尋、僕が洗っていくから食器拭いていって」
「了解。」
そうしてさっと食器洗いを済ませてソファーに2人並んでくつろぐ。
「ふわぁ、ねむた...」
「眠たそうにしているにぃ見てたら私もねむたくなってきた」
2人ともうとうとしていると、
「じゃあそろそろ先に学校行くけど遅れないようにね!」
「う、うんわかった。」
はっと目が覚めた僕は咄嗟に返事する。
「千尋、」
「うん。」
「「学校行く準備しよっか。」」
そうして僕たちは自分達の部屋へと向かうのであった。
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