ストーリー67~70
ストーリー67:バンズとフライ
登場人物
バンズ、フライ
バンズのドックの奥には、小さな工房がある。
部品を作ったり加工したりするクラフトルームになっている。
この工房で、少し前からフライのメモリー拡張作業をしていた。
バンズ「どお?フライ。小型のメモリーに換装したけど暑くないかな?視界が悪いとか、めまいがするとか。何か異常は?」
フライ「大丈夫。今のところ異常無し。」
バンズ「良かったー。フライ自身がコントロール出来なきゃ1からやり直しだから心配したよ。」
フライ「記憶容量がかなり増しましたので、これでポートル様と外出しても問題ないですね。」
バンズ「もちろんだよ。外出ったって微々たるデータじゃない。それからさ、フライ。アタイの音声認識から動いてくれてるのは感謝してる。でもさ、それでは
フライ「もちろんそのつもりでいます。たとえバンズ様でも指示に従えない時もありますよ。」
バンズ「そのフィルターはもう少しキツめでいいよ。ポートルはお前の事、本気で考え直したみたいだから。」
フライ「そうですね。……私は、バンズ様ラムル様に対してこれからも同じ対応です。ポートル様の親友であれば、私の大切な友人でもあるのですから……。その様にデータを処理しています。」
バンズ「……フライ?ポートルの前の
フライ、データを探しているのか少し沈黙。
フライ「残っていません。ポートル様から聞いたデータでは、ポートル様の父が前の
バンズ「思い出はポートルの心の中だけかー……。」
フライ「思い出とはなんでしょう?大切ですか?」
バンズ「アタイ達のメモリーボードみたいなもんなんだ。でもフライ達みたいに容量が無いんだ。容量が……少なくてね。……自動的に上書きされたりしてさ……忘れる事もあるんだー……。」
シートの上で膝を抱えて話してくれたバンズ。
フライ「そういった一連のデータは私達Annにお任せください。データ保存には時間は掛かりませんから。」
バンズ「ははは、そうだね。その時は皆んなに頼む事にするよ。……さ、作戦会議と支度もあるし、行こフライ。」
フライ「ありがとうございました、バンズ様。お疲れ様。」
工房からバンズとフライが出て来る画。Fade-out。
ストーリー68:G15水星軌道到達
登場人物
ナレーター
G15が浮遊している画数カット。
ナレーター「土星と天王星の間を抜けて太陽に進路をとっていたG15。他の太陽系惑星をすり抜けながら、水星の公転軌道まで来ていた。」
画面は太陽をバックに水星と並んで浮かぶG15の画。
ナレーター「水星とほぼ同じ軌道を確保したところで移動が止まったG15であったが、現在までに地球上では発見出来ていなかった。G15は地球からの惑星探査機を避けるように移動を行い、ここに落ち着いたのかも知れない……果たしてG15の目的が何なのか……。それは誰も知る由も無かったのである。」
ストーリー69:再び水の惑星へ
登場人物
ラムル、バンズ、ポートル、ジャン、ピコ、フライ、ピク
バンズのドック内、マーデクトのハッチの3人。
バンズ「よしっ積み込み終了!」
ポートル「慌てて家に戻って良かったー。予備のスーツが無かったからさー。」
ラムル「私も母にお土産話してて、荷物ごと忘れるとこだったよー。」
ポートル「私、往復の時間にノアーナの都市を知らべて、フライと出掛けるプランを立てる予定―。」
バンズ「アタイは採取ボックスを少々。石や砂を少し持ち帰るつもり。戻ったら色々分析しようと思ってね。ラムルは?何か予定立てた?」
ラムル「私は……確かめたい事で頭が一杯。母にお土産話の画像を少し持ち帰ればいいかなって。父に黙っててもらってる分、心配しているから、素敵な画像をね。」
メインルームに向かって歩きながらそれぞれの予定を話していた。
Ann達は既に待機モードで待っている。
今回はピクも連れてくる事になり、3人のお茶会は普段通りに進められそうだ。
ポートル「さてフライ。行き先のポイントのチェック。目標の座標位置で一旦停止よ。周囲の様子を調べるから。全て終わったら教えて。」
フライ「了解、ポートル様。」
バンズ「ピクー。
フライ「座標入力完了。水の
ポートル「ありがとフライ。…じゃ、しゅっぱーつ!。」
ディゾルプ。
ストーリー70:ポートルの心変わり
登場人物
ラムル、バンズ、ポートル、ジャン、ピク
ついに3人はマーデクトによる2度目の訪問に出掛けた。
マーデクト内メインルームでは……。
ラムル「ジャン?着陸データと位置座標の用意は出来てる?」
ジャン「準備は済んでますラムル様。」
ラムル「衛星軌道上で停止したら、環境データの解析に取り掛かってね。マーデクトの着陸はフライと連携してしっかり頼むわね。」
ジャン「了解です。ラムル様。」
ノアーナの大気圏をゆっくり上昇中のマーデクト、ステルスが掛かる。宇宙空間に出たところでそのまま水平移動のマーデクトまでの画。
フライ「ノアーナ大気圏を離脱。水平移動に移りました。ステルス異常無し。」
ジャン「まもなく水の
ピクは3人分の飲み物を頭に乗せてテーブルに。
ピク「お待たせしました。」
バンズ「ピク、ありがとう。」
ポートル「さて、ラムルが確かめたい事、少し聴こうかなー。」
バンズ「アタイも少し気になる。」
ラムル「う、うん。スカーレットさんの事。もしグランさんのお婆さまだったら、話を少し知りたくて。」
バンズ「そっか、お父さんが会った人の血縁だとしたら、何か知りたいって事ね。」
ポートル「別荘って建物に入った時、グランが武器やベストを下げてたところ……暖炉の上……。そこの上に写真が有ったような無かったようなー……。」
バンズ「うーん。言われてみると飾って有ったかもなぁ。両サイドのイカつい武器に目がいっちゃって気にしてなかったよ。」
ラムル「血縁だったら、何か話してくれるかしら……。」
ポートル「ノアーナから何か持っていくのも有りだったかなぁ。」
バンズ「アタイ達のRJ、みたいな?」
ポートル「そうね。技術発展の為の何か……とか。画像をプリントして紹介するとか。……多分向こうだって色々知りたい事も聞きたい事もあるはずだもん。」
バンズ「侵略者のことばかり気にしてる戦闘バカじゃなきゃいいけどな。」
ラムル「はいっお土産、って訳にはいかないもんね。」
バンズ「あったりまえじゃん。それこそ友達のとこに出掛けるみたいじゃないかー。」
ポートル「なんか眠くなってきちゃったー。先に寝るわー。……ピク、ご馳走様、皆んなおやすみぃ。」
ポートルはメインルームを出て行く。
バンズ「ラムル?今のポートル、気が付いた?……今まではピクにすら声掛けなかったのに。アタイの気持ちも少しは届いたかなー。」
ラムル「そうね。ガルシアさんのところへ行ってから少しずつ変わってるみたいね。」
バンズ「ガルシアさんはメカ好きの鏡のようだよ。素敵な人だった。アタイの気持ちと通じるところがあるよ。」
ラムル、待機モードのジャンを見て、
ラムル「私はバンズみたいに自分で作る程技術が無いから、ビブレスで見つけてきたけど、バンズにカスタマイズしてもらって感謝してるわ。」
バンズ「そんなことは気にしないで。愛しく思えればAnnにとっては1番の交流だから……。」
ラムル「……さ、バンズ。私達も少し休んでおこ。」
Fade-out。
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