ストーリー33~37

ストーリー33:暗殺対象に……


登場人物

ナレーター、グラン、反逆軍兵士A〜F



 ストーリー10、20の一部分リピ。


 BG地球連邦国の代表的な建物。

ナレーション「新たに誕生した地球連邦国。人口は数千万人。やがて平和が戻っていた。ところが一部の反連邦国を支持する者が大陸地下へと結集、小さな戦争が度々発生する時代に変わった。……反逆軍は、連邦国の有力者の暗殺をいくつも企て実行する。その度に連邦国軍が応戦し辛うじて勝利している。……地球連邦国軍総督であり、軍責任者グラン=ジョリーもこの暗殺対象であるのは間違いなかった。」


 BGにグランがover-upする。


 そう、遂に要人暗殺計画にグランの名が上がってしまった。

グランの所在をサーチするのは反逆軍でも容易な事だった。


 休暇の度に郊外の別荘に滞在する事を突き止めた反逆軍。選ばれた数名の兵士がグランの元へ向かう事になった。


 また新たな要人暗殺計画が実行に移されてしまう。


 夜もふけた頃、暗殺の精鋭達6人のパーティーが、グランの別荘近くで車両から降りイカつい装備で徒歩で向かった。

画面も同様の画に。


 ウッドデッキでくつろいでいたグラン。


 遠くで木の枝が折れる音を耳にした。数回聴こえ、ゆっくり部屋へ戻るグラン。


 再びウッドデッキに出て来たグランは防護ベストにレーザー銃を手にしている。


 ゆっくりと別荘を離れ身を潜める


 月明かりに一瞬光るものを見逃さなかった。


 グラン独り言off「くっ、まさか反逆軍の手先⁉︎……いったい……何人で来ている?…遂に今度は俺に白羽の矢が立ったというのか……。」

Fade-out。



ストーリー34:2人、上陸してしまう


登場人物

バンズ、ポートル、ピコ、フライ



 マーデクト内メインルーム。


 バンズ、ポートル、ピコ、フライが見える。


 バンズ「ラムル、もう戻ってるんじゃない?」

ポートル「そうね、もう3日位?」

バンズ「あぁ、こっちはそろそろ水の惑星ほし。安全な場所に上陸するよ。ピコ、ベストな場所を検索して。」

ピコ「分かりました、バン。」

ポートル「水の惑星ほしの大気濃度と摩擦係数を計算、突入角度、速度はフライに任せるわよ。」

フライ「お任せください。ポートル様。」


 ピコ「バン、着陸候補地確認。画像出ます。」


 緑が多い、山間の一部。木の無いフィールドが映し出された。


 ここはかつてブロント=カーレイが選択、着陸した地点だったが、彼女達も偶然発見できたのだった。


 やや離れた場所に薄明かりの見えるジョリー家別荘が見えていた。


 バンズ「ラムルにお土産忘れないでね、ピコ。」

ピコ「大丈夫です。映像、静止画像、音声。しっかりメモリーします。また、位置データも残しておきますので。」


 大気圏突入も、摩擦を抑えている為高温にならず輝かない。もちろんステルスで目視出来ない。


 ポートル「じゃあフライ、着陸許可。あとは頼むわよ。」

フライ「かしこまりました。ステルス異常無し。着陸装置正常。着陸開始します。」


 大気圏、マーデクトが重力制御を駆使して突入してくる画。(チラチラとステルスで消える表現盛り込む。)


 目的地点、実際には見えないが、ステルスを纏ったマーデクトがゆっくり着陸する。


 バンズ「つ、着いた……。」

ポートル「平和……そうに発展してる?」

バンズ「暗闇のここで分かる訳ない。」

ピコ「不穏なエネルギー波無し。異常波は検知出来ません。安全です。」

ポートル「ここで……平和な発展の証拠をね。で、何を持ち帰ればいいかしらね…。」

バンズ「さぁね。持ち帰る物はやめて調査だけ進めよ。」

フライ「マーデクト周囲のデータ取得完了。マーデクトは待機モードへ移行。」

ピコ「大気濃度、ノアーナよりやや酸素が多いものの、暗視ゴーグルのみでマスク不要の様です。」

ポートル「それじゃ、解析に使える装備で出掛ければOKね。」

バンズ「よし!じゃあお出掛けー。」


 画面転換。



ストーリー35:サーモグラフィー


登場人物

バンズ、ポートル、ピコ、フライ、反逆軍兵士A、B、兵士C〜F(声のみ)



 マーデクトを出てくるバンズ、ポートル、ピコ。


 バンズとポートルは、マスクは着けていないものの、暗視ゴーグルを着けている。

バンズ「私達のステルスも万全。さ、少し周りを調べよ。」


 林を進んで行く一行。


 ポートル「なんか変な小さな生き物がうじゃうじゃじゃないここー。」

バンズ「昔はノアーナもそうだったんだよ。ポートル。」

ポートル「へーそうなんだ。……ちょ……ちょっと。……ストップ、止まって。」

バンズ「何何⁉︎ここの生き物がどうかした?」

ポートル「違う。……(やや小声になり)フライ、上空の画像を見せて。何か建物の様。」


 ポートルの腕のモニターを見入る2人。上空からの暗視画像、ジョリー家別荘が拡大された。周りに6つの影、離れた所にもう一つ。


 フライ「建物近くに生命反応が有ります。どうやらノアーナ人に近い生命体。6つ……。」

腕のモニターにはサーモセンサーによるそれらしき姿、6人。


 フライ「他に生命反応感知。別の場所から一つ有ります。」

建物から少し離れた場所に確かに反応が有る。


 バンズ「私達みたいな……人だよこれは!」

ポートル「まずい?戻ろっか……。」

バンズ「待って。フライ、アタイにもモニターお願い。あと、詳細画像。そこからフルズームで。周囲の監視も同時に頼むね。」

ポートル「バンズ、何する気⁉︎出くわしたらやばいって。」

バンズ「よく見てポートル。動きが何か変だよ。建物が見張られてる様に見える。……さ、ピコは危ないから、マーデクトに戻ってて。」


 暫くモニターしている2人。


 腕のモニター画面から実際の映像へover-upする。


 インカム使用通信の反逆軍兵士A「灯りは点いているが誰も居ないのか⁉︎」

同じくインカムで兵士B「ドアには鍵が掛かっていないようだ。中には誰もいない。」

兵士A「慌てるな。周囲を2人ずつに分かれて周りを探そう。」

全員「ラジャ。」


 再び腕のモニターを見るバンズ。

バンズ「やっぱりそうだ。誰かを探してる。3つに分かれた。」

ポートル「遠くにいる1人、この人を探してるのかしら。」

バンズ「多分そうだね。」

ポートル「私達は武器なんか持ってない、使ったこともない。ただ見てるしか出来ないよぅ……。」

バンズ「1人を探してるとしか分からない……どっちにつく?ポートル?アタイは1人の方。」

ポートル「私もよ。このまま少し様子を見ていましょ。」


 画面fade-out。



ストーリー36:ガルシア邸から戻る


登場人物

ラムル、ルイス、ジャン



 シューロン=ガル上空、ラムルのフローターが戻って来る画。


 ラムル「バンズの驚く顔が楽しみだわ。」

ルイス「今度は何するつもり?無茶はダメよ。」

ラムル「大丈夫よ母上。ダイム金属が分かれば次はザクラートを探さなきゃ。」

ルイス「あなた達にはちょっと大事おおごとになりそうね。」

ラムル「……カウルなら何か知ってるかしら?母上。古いデータは必要かも……。」

ルイス「私に手伝える事が出来たらまた相談してちょうだい。私はあなたの味方よ。」

ラムル「母上ありがとう、感謝してるわ。ガルシアさんを紹介してくれてありがとう。」


 微笑むルイス、カーレイ邸に駐機するフローターの画。

 

 フローターから降りるルイス、荷物を手渡すラムル。


 ラムル「母上、バンズのところへ行って来るわ。」

ルイス「ええ、分かってる。食事までには戻るでしょ?」

ラムル「そうね、また連絡するわ。」


 再びフローターに乗り込むラムル。

カーレイ邸を出るフローター、飛び去る。


 バンズのドック入口に画が変わる。


 ラムル「おかしいわね、フローターが入れない。……」


 ドックの中へ入ってくるラムルの画に変わる。


 ラムル「誰もいない。何処行っちゃったのかしら。」


 付いて入ってくるジャン。


 ラムル「ここの操作はバンズが居なきゃ許可されないし……。ねぇジャン、バンズかポートルに連絡して。」

ジャン「了解、ラムル様。」


 薄明かりのメインルーム、


 ラムル独り言「大ニュースを持って来たっていうのにあいつらときたら、またリターナにでもお出掛けかしら……。」

ジャン「ラムル様、通信不能。どうやらノアーナ星には居ない様です。ピコとフライも同様です。」


 ラムルの声を聞きつけピクがそばに来た。


 ピク「ラムル様、いらっしゃい。お飲み物はいかがですか?」

ラムル「あらピク。あなたは留守番なのね。とすると、またリターナにでも行ったのかも。……ピク、今日はこれで帰るわ。迎えてもらったのにごめんね。」

ピク「またお越しください。気を付けてお帰りを。」

ラムル「ありがとうピク。じゃさようなら。」


 ジャンを連れて入口から出て来るラムル、


 ラムル独り言off「ったく連絡のしようがないじゃない。カーラントなら通信出来るのに……。」


 ラムルのフローター、バンズのドック上空。そして飛び去る画。


 遠くからフローター、カーレイ邸がフレームインする。


 フローターが屋上に駐機する画まで。


 カーレイ邸リビング。


 ルイス「あら、ラムル。早かったじゃない。」

ラムル「みんな留守だったから。もしかしてまたリターナに出掛けたのかも。」

ルイス「そうだったの。それじゃあ今日は私のお手伝いしてね。」



ストーリー37:多勢に無勢


登場人物

バンズ、ポートル、グラン、反逆軍兵士A、B、兵士C、D(声のみ)



 暗い林の中、腕のモニターに見入るバンズとポートルの後ろ姿。


 分かれて動く3つの内の1つが離れていた1人を発見した様だ。


 微かに発砲音が聞こえた。


 バンズ、ポートル「見つかったよ。」

バンズ「多勢に無勢、こりゃやばいって。」

ポートル「大丈夫かしら。」

バンズ「私達も移動移動。」


 画面は林の中の反逆軍兵士の画。


 反逆軍兵士A「どうした⁉︎見つけたか。」


 発砲音……。


 兵士A「何があった。報告せよ。」

兵士B「銃声の方へ行ってみましょう。」

兵士A「発見したようだ。銃声のした方向へ集合。」

兵士C、D「ラジャ。」


 再び2人の腕のモニター。


 1人に近づいたチームはやられたようだ。モニターから消えていた。他の2組が1人の方に近づいていくのがモニターされている。


 バンズ「明るければマーデクトでも補足出来るのに……チッ。」

ポートル「待って。1組が私達の近くを通る。」

バンズ「大丈夫。ステルスで発見されない。」


 腕のモニターの全画面、1組が彼女達の前を通り、1人に遭遇したようだ。再び発砲音がし、静かになった。モニターの画面から近づいた1組が既に消えている。残り1組の2人。


 画は腕のモニター、画面中央がバンズとポートルの位置。そこに向かって1人と残り1組のチームが両方からそれぞれ動いて来る。

バンズ「モニター消して。こっちに来る!静かに。」


 モニターには、1人の方が既に彼女達に近い。


 徐々に双方向の足音が微かに伝わる。

グラン「誰だ!そこにいるのは!」


 反射的に兵士からの銃声。


 兵士A「必ず仕留めろ!」

兵士B「ラジャ。」


 再び銃声。


 グラン「危ない!逃げろ!遠くに離れろ!」


 ポートル「他に誰かいるの?」

バンズ「誰に向かって話してるんだ?。」


 2人に近づいたグラン。グランも応戦。更に銃声。


 グラン「危ない、避けろ!」


 バンズとポートルを突き飛ばすグラン。間髪入れず応戦するグラン。兵士A、Bが撃たれ倒れる画。


 突き飛ばされ一瞬何が起こったか分からないでいるバンズとポートル。ゆっくり静かに立ち上がる。


 バンズ小声で、「何だ。突き飛ばされたぞ。」

ポートルも小声で応じ、「確かに、あの人に見えているように感じたわ。」


 怯えながら寄り添う2人。グランは武器を下ろし、近づく。

グラン「君達、大丈夫かい?……ここで何をしていた?」


 バンズとポートルは半信半疑だ。それもそのはず、ステルスを使って潜んでいたはずなのだから。


 バンズ小声、「言語解析、早く。」イライラと腕のモニターをコツコツしている画。


 グラン「怪我は?撃たれていないのかい?」


 バンズとポートルの小型イヤホンマイクにグランの声。


 グラン「怪我は?撃たれていないのかい?……さ、俺の家まで歩いて。」

バンズ「わ、私達、アイツには見えているんだ。」

ポートル「何故?」

バンズ「分からない……。ついて来いと言ってる。」

ポートル「仕方ないよ……。覚悟を決めて、行こバンズ。」


 グランの後を歩いて行くバンズとポートル。

バンズ小声「音声翻訳、マイクから出すセッティング。」

ポートル小声「バンズ、話すつもり⁉︎やめとこうよぉ。」

バンズ小声「あの人は狙われていた。私達を流れ弾から助けてくれたんだと思う。」

ポートル小声「分かった……。音声翻訳、マイクセット。」


 グランの別荘、ウッドデッキに上がる。


 グラン振り向き2人に向かって、

グラン「2人共怪我が無くて良かった。突き飛ばしたりして悪かった。さ、上がって来て。」


 建物に入るグラン、手前の2人にフォーカスが移る。(一瞬ステルスの表現入れる)


 顔を見合わせる2人、うなずく。


 開いているドアから灯りが漏れている。


 グラン「さあ入っていいよ、俺以外に誰も居ない。安全だ。」


 ほぼシルエットのバンズとポートルの後ろ姿、中へ入る画。


 防護ベストとレーザー銃を壁に掛けるグラン。この壁には他にも武器がいくつか掛けてある。


 Fade-out。

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