第36話「同盟」

私は目を覚ますと見知らぬ部屋に寝ていて「ここはどこだろう?」疑問に思ってると部屋の戸が開き「クァン、目が覚めたか?」「!?王様」私は急いで体を起こして立ち上がろうとするが私はふらついてしまう「クァン、無理をするな余の事は、気にせず楽にしろ」「いえ、私は大丈夫です」






「クァン、体は傷ついてるのに大丈夫だと強がるところはクァンの悪い所だ、」「王様……」「体がボロボロなのに大丈夫だと強がることが余には安心を与えると思っているなら大間違えだ、そなたに無理をさせる方が余は辛い、だから余のことは気にせず休め」






私は王様に再び寝床台に寝かせられる「あの王様私は何日眠っていましたか?」「九十日寝っていた」「そんな眠っていたのですか?、あの首陽大君様はどうなりましたか?」「……あの比刀頑が終わった二日後に自首した、」「はい?自首ですか?」









「あぁ、自らの罪の証拠を持って便殿で余と他の臣下の前で自らの罪を告白した」「……それでどうなりましたか?」「あの者の罪はとても重かった、ユ、シムとユ、ライアに謀反の濡れ衣を着せるようにへ、リュンに指示した、余にを脅し毒を飲ませ更に国の税を横領していたそれらの罪を考えると極刑は免れないであろう」





「……では八つ裂きの刑に処したのですか?」「……あぁ」「何で……何で今になって自首なんて……自首するならもっと早くしてくれれば極刑になんてならなかったはずなのに、どうして今更……」







「……余が自首した理由を聞いた時、へ、チルスはこう答えた、「私の一人の愚かな妹に言われたのです、私なんかの人間の為に涙を流し私をこの歪んだ世の中によって純粋だった心が黒く染まってしまった哀れな罪人ですと、私はずっとその者の生き方こそが愚かだと思っておりました、ですがその者の涙を見て思ったのです、愚かな生き方をしてるのは私の方だでした」と」






「!?」「こうも言っていた「私の欲、生き方はあの者の涙を前にすればつまらないものです、そう思った時も生きることに疲れました、初めは自決をしようと思いましたが私の妹はそれを望んでいないのでその愚かな妹の願いを最後に聞いてあげようと思い自首しました」とそう申していた」





「……」「あとこれ食事だそなたの為に余が作った、ゆっくり食べよ」「えっ王様が私の為に?感謝致します、王様」「起き上がれるか?」「はい」王様には支えてもらいながら起き起き上がると王様がお粥の入った器とスプーンを手に取りスプーンでお粥をすくって「ほら口を開けよ」「いえ王様、自分で食べられます」






「ほら早く、それとも王命だと言われないと素直に応じないか?」「……」私は差し出されたスプーンに乗ってるお粥を食べる「素直でよろしい」と私の頭を撫でる王様、「ほら食べよ」またスプーンを差し出される私は恥ずかしいと思いながらも食べるそして食べ終わると「体力をつける煎じ薬だ、ヘ、エンが煎じたものだから苦くないぞ」







「エンがですか?」「あぁクァンの体の容態を見て比刀の時のでかなり体が弱って体力が落ちたって言ってたからこの煎じ薬を煎じたそうだクァン、そこでだがクァンには三日間この建物の中で過ごしてもらう」「えっここでですか?」「あぁヘ、エンがしばらく安静にと言ってたからな」









「はい、私がここで三日過ごすのは構いませんがそれが原因で王様にご迷惑はかかりませんか?」「例えそれが原因で臣下が騒ぎ出してそれは反逆行為だ、持病を持つ両班の女人を王宮で休ませるなと法はない、官僚達が騒ぎ出したら余が説き伏せる故に安心しろ」




「王様……」「何も心配せず今はゆっくり休め」「はい、王様」「ハン内官、入れ」「はい、王様」ハン内が一枚の封筒を持ってきて王様にお渡しすると受け取った王様は「器を持って下がれ」「はい王様」器が二つとスプーンが乗った板を持って下がって行った「王様?その文はなんですか?」「これはへ、チルスがクァンに渡すように余に頼んだ文だ」






「えっ私にですか?」「あぁどうする?読むか?、」「……はい」「ならクァンに渡す」「はい」文を受け取ると「また後で様子を見に来る」「はい王様」王様は部屋を出ていく私は文を読み始めると










〈クァン、そなたがこれを読んでいるということは私はそなたが眠る間にこの世を去ったのだな、私はそなたに一つ嘘をついた、そなたとの昔の日々を忘れたと言った、それは嘘だ、そなたは私の弟二人を私から奪ったそなたが憎くて許せなくて憎き相手のそなたとの日々を覚えてるなんて、どうしても認めたくなかった〉




「兄上……」私は涙を流す〈私はそなたに弟二人を断罪される前からそなたと関わりたくないと思っていた、私はもっと強欲で悪人なのにそなたといるせいで本来の自分になれなかった、そなたに優しく接しているせいで、心が息苦しくてどんどん辛くなっていた、弟達のことでそなたを恨んだ〉「はい、私も兄上を王様のことでお恨みしました」





〈なのにいつまで経ってもそなたとのまだ罪を犯してない自分の記憶が忘れれずにいるのだろう?、記憶に残り続けるのが嫌でどうしてもそなたとの記憶を消したくて私は五年前にもうそなたと関わらない決めた〉





私は兄上との日々を思い出しながら〈だがそなたは私がどれだけそなたを避けても毎日のように会いに来た、雨の日も風の強い日も、雪の日もそなたは私に会えるまで毎日来て毎日長い時刻の間私を待ち続けた、雨の日に私は外出していた、戻ってきたらずぶ濡れのそなたが立っていたそしてそなたは泣きながら私にこう聞いた〉






私はその時を思い出しながら「何故私を避けるのです、お怒りなら理由をおしゃってください、おしゃってくださらないなら謝罪もできなければ直しようがありません」文にもそう書いてあった〈そなたは私には泣きながらそう言ったな、そしてそのまま倒れて私は結局そなたを私邸にいれて医者に診察させた、誠に迷惑だった〉




「何故私を避けるのですか?避けるならせめて理由を教えて下さいよ」〈クァン、そなたは誠にしつこかったな、そなたを避け続けて五年過ぎた春私はある決心をした、そなたにこれ以上関わらなくて済むようにそなたの一番嫌がることをあえてそなたの目の前でやる、そうすればそなたはきっと私を兄と呼ぶことはないし私には近づいてくることもない〉






「私が一番嫌がることをする?まさか私を王宮に私が来たと同時に私の目の前で官僚の首を斬ったのはわざと私を遠ざける為にしたということ?」その時の事をする思い出しなから呟く「何で……そんなことつまり兄上は私にわざと嫌われようとしていた?」








私は疑問に思いながら続きを読むと〈私が官僚の首の打首に処する姿を見てクァンは涙を流しながら私を見ていたな、それでもそなたは私を止めよとしたけど私がその場にいる官僚を全員打首に処した時そなたは言葉を失いその場を去ろうとする私をただ見てるばかりで引き止めようとしなかった、そしてクァンそなたは私を避けるようになった、これで良かったのだそう思っていたはずなのに何故か胸が更に苦しくなった〉







「兄上……何をそんなに悩まれていたのですか?私をわざと避けるほど何故苦しまれているのですか?」〈クァン、私が何故そなたごとき胸を締付けられねばならないのだ、何故そなたと会ったいた頃よりも会わない方が胸が痛むのだ?これは一体何だ?私はそなたが憎いはずなのに私の弟二人を殺した決して許してはいけない相手なのにそれなのに何故私はそなたのことばかり考えているのだろう?〉





「えっ私のことばかり考えてる?」〈分からなかった、いくら考えてもでもそなたが宴でそなたが陛下に比刀を申し込んだのだあの夜、そなたが再び私を兄と呼んだ時ついに自分の気持ちを理解してしまった、認めたくない、私は決して認めない、私はそなたが憎い、憎いぞクァン〉




「兄上……」文にはまだ続きがあって〈クァン、大罪を犯したこの私が何を話しても誠の思いだと信じてもらえないと思うが最後に私の想いを言おう、クァン、そなたと二人きりで夜に見たあの桜はこの世の何よりも美しかった、この想いは誠だ〉





「兄上……何故罪を犯したのですか?、兄上……申し訳ございません、あの時、私が諦めていなければ、貴方はこんなにも悲しい人生を迎えることはなかったでしょう」私はその時のことを思い出して涙が止まらなかった、そして三日後に私はハソンとジン、そして私の護衛が迎えに来て馬車でへ家を帰って





「「クァン様!」」と「うわぁ!皆落ち着いて」と押しかけて来た使用人達に言うオギが「クァン様なんて無茶をなされるのですか?クァン様がお倒れになった時心配で心臓が止まりそうでした」「アハハ大げさだな、まぁ私は心臓が完全に止まっちゃったけどね」「「クァン様!笑い事ではありません」」と皆につこまれた




「皆そんなにムキにならないでよ」「クァン姉上!」「クァン様!」ソフィアとシルがやってきて二人同時に私に抱きつく二人は泣いていた「泣かないで二人共」それでも泣き止まない二人共し私は二人を連れて自分の部屋まで連れて行き泣き止むのをまつニ刻して泣きつかれて二人共寝てしまった







「クァン様、プニでございます」「入って」プニが入ってきて「失礼致しますあのエン様のことでお話が」「エンがどうしたの?」「それが……エン様は三日前に倭国に行かれました」「えっエンが倭国に?」「はい」「えっ何かあったの?」私が聞くとプニは






「それが……チェヨン様が倭国の将軍に囚われの身になってしまったとご本人から文が届きまして、それでエン様がチェヨン様をお救いする為倭国へお行きになりました」私はその事実に驚き「えっチェヨンさんが囚われの身に?どうしてそうなったの、だってチェヨンさんはタムタ陛下の長女、ヨナ皇女様を未知の病を治療しに南の明国に四年前から行かれたはずでしょ?」







「はい、それは紛れもない事実です、タムタ陛下がエン様にチェヨン様が囚われの身になっていると話されたようで詳しい理由は存じませんが一年前に倭国の天下をとった力のある武将突然明国に来てタムタ陛下と取引なさったようです」「取引?陛下と何を取引した?」「はい、南の明国の民達を、五万人を人質にとってチェヨン様と交換せよと提案なさったそうです」






「えっそれもう提案や取引じゃなくて脅しでしょう完全に」「はい、私もそう思います、クァン様が解決された南明の国の水の問題で南の明国に綺麗な水を水を与えた倭国権力を持った将軍が、チェヨン様の噂を聞きつけて騒動を起こしたそうです」プニの言葉に私は




「えっでも確か、その件は私の分身ヨファが生涯絵を引き換えに一年ごとに二十年分の水を買うと約束したはずそれなのに何故チェヨンさんを人質に?」






「確かにチェヨン様は水の問題とは一切関係ございません、私がエン様から届いた文を読んだ情報によるとクァン様が約束を交わした方の息子さんが当主の座を引き継ぎ、取引は続行するがチェヨン様を倭国に引き渡さない限り今後一切水は与えないし、人質に取った五万人の民を皆殺しにするそう言い張ったそうです」プニの言葉に、倭国の将軍に腹を立てながら










「何それ?自分勝手すぎるでしょ?卑怯なタムタ陛下とチェヨンさんを脅して信じられない」プニが「はい、私もそう思います、タムタ陛下の話によればチェヨン様を自ら倭国に行くとおしゃったそうです」





「チェヨンさんの性格ではきっとそうなるよね、あの方はそうゆう方だから罪なき人を巻き込んでまで自分が助かりたいとは思わない方だから、さすが母上の妹君、母上によく似ていらしゃる」






「はい、私もそう思います、ですがどうなさいますか?エン様の後を追いかけますか?」「いやエンのことはすごく心配、でもエンなら大丈夫私はエンを信じて待つことにする、私はこの国に残ってやらなきゃいけないことがあるし」「やらなきゃいけないことですか?」






「うん、プニ、頼みがある今夜、客人を四人招待するから食事とお酒を多く用意して」「客人ですか?用意するのは構いませんが一体どなたを招待なさるのですか?」「それはすぐに分かる」と私は微笑む「承知致しました、ご用意致します」「ありがとう、下がって」「はい」下がると「ジンはいる?」








戸の外から「はい、います」「入って」「失礼致します」ジンが一礼して座ると「ジン、頼みがあるの?この四枚の文を宛名が書いてある者に渡してほしいの」「はい、承知致しました」文を受け取り「すぐに渡してきて」「はい、クァン様」一礼して下がるそして戌の正刻(八十)に四人の客人が来る





クァンは出迎える「よくいらしゃいましたね、中にお入りください」「「はい」」客室に四人を案内して沢山の料理とお酒の前五人で一つの大きな机を囲み「あの、大司憲様、今日はどのようなお話でしょうか?」「左捕盗大将(チャンポドデジャン)殿私はもう官職を退きましたその呼び方はおやめください」





「ではなんとお呼びすれば良いですか?」と戸曹判事、ヤ、ファンテが私には聞くと「では今だけ昔のように楽に話しましょうか?、戸曹、判事、ヤ、ファンテ、義禁府、判事、イ、タン、漢城府、判尹、パク、キハ、捕盗庁、左捕盗大将(チャンポドデジャン)、オ、クト」一瞬驚きの表情をするがすぐに「「はい、クァン様」」






と私を呼ぶ「懐かしいね、前はよくそなたらとこうして善を囲み食事を共にした、私はそなたらが国の為にそれぞれが手柄をたてて上王様に褒美として身分を中人にあげてもらった時、そなたらは私にはヘ、家を出てこの国の為に官職に就き働きたいと申した、私にはヘ、家を出ていくことを止めはしなかったが本心は違った、私は四人に出ていってほしくなかった」






「「……」」「私はとても不安だった、官職に就いて国の為に働くことがどのような事を、意味するか私なりに理解していたから、官職に就けば自分の命懸けで事を、起こさなければならなくなる、常に己よりも国を優先しなければいけなくなる、皆が危険な目に遭うのではないか、ずっと不安だったでもあの時の皆の目を見たら止めるべきではないと思った」





「「クァン様……」」「私は皆を信じてあの時止めなくて正解だと思った、皆は更に身分が上がって両班の身分になっても私欲まみれることなく国の為に頑張ってる、それがどれだけ大変か私は元官僚のだからよく分かる、国の為に頑張る皆に頼みがあるの」「「何でございましょうか?」」






「皆、私と婚姻してくれない?」「「!?」」私の発言に驚く四人ファンテは「クァン様、恐れながら申し上げます、私には生涯を共にしたいと思う妻がおります」「ファンテよ、私はそなたと、そなたの奥様を離縁させるつもりはない」ファンテは私に「なら何故そのような事を?」と聞く私は






「タン以外の三人が正妻を迎えていると知っている、婚姻をしそなたらの正室になりたいと思うが私は別にそなたらと男女の情を交わしたい訳ではない、これはあくまでも政治に必要な同盟と考えて貰えればいい」






クトは「つまりクァン様は復職を果たす為に我々と婚姻をして同盟を結び我々誰かの一人が臣命下会議開きの多数決で勝ち復職をするという訳でございますか?」「その通りだ、クトよ、私は何としても復職しなければならない黒い月の組織もまだ撲滅できてない、罪人が普通の人のように平然と己の犯した罪を償わず生活してるなんて決して許してはいけない」






「私は反対です」タンが言う「タン、どうして?」、「クァン様のお気持ちは理解できます、クァン様のご両親は黒い月の組織に命を奪われました、ですがこのまま官職に就き続ければお体の弱い貴女様は官僚の仕事に耐えれなくなって命を落とすかもしれないのにそれなのに復職に手を貸せとおしゃるのですか?」「タン、でも私は……」






タンは私の言葉に耳も貸さずに他の三人に「そなたらはどうだ?お命に関わるかもしれないのにクァン様をこのまま復職させる気か?私はそうは思わない、誠にクァン様の為を思うならこのまま両班の画師として生涯を生きたほうが長生きできる、クァン様を危険な目に遭う事もなくなるそう思うのは私だけか?」






クトは「確かにタンの考えは一理ある、だがクァン様がこの国を守って来られたのも事実、」といいキハは「私だってクァン様の苦しむ姿を見たい訳ではない、だが今のこの国にはクァン様が必要な方なのも否定できない、クァン様がいらしゃらなければこの国はもっと荒れていたはず」







ファンテは「お二人のおしゃる通りです、唯一黒い月組織に立ち向かえるのはクァン様だけです、お体が弱いクァン様に代わって肉体に負担がかかるところは我々四人で支えてクァン様の負担を減らせばいいだけのことです」






「私もそのことを考えた、だが今までの出来事をよく思い出してみろ、クァン様は官職に就かれていない時もクァン様は何度も危険な目に遭われた、もはやクァン様のお命を狙ってるとは黒い月だけではない今となってはクァン様の有能さがこの国だけではなく他の国にまでに知られてしまい組織に入会していない十万人を超える両班達と他の国の武官、官僚達がクァン様を敵視始めている、それなのに我々四人のもつ権力と財力だけではクァン様を数多くの刺客からお守りしきれるとは思えない」「「……」」






黙り込む三人、タンは三人に向けて続ける「もしクァン様が健康で持病も何も持ってなかったら私も復職に賛成した、私もクァン様が国に必要な方だと思ってる、クァン様ならいつかこの国を貧しい民の為の国に変えてくれるのではないかと命懸けで民を守る姿を見て何度も心の中で思った、でもそれはつまりクァン様を敵視する刺客達にクァン様がお命を奪われる確率が今まで以上に上がると言うことだ、それなのに復職なんて賛成なんてできない」






私はタンに「分かった、タン、そこまで言うならこの件から外れて、タンではない別の者に頼むから」タンは私を見て「クァン様!私は貴女様との婚礼が嫌だとおしゃってるのではありません、貴女様の復職することに私は反対してるのです、私は、貴女様にはこれ以上傷ついてほしくありません、危険な目にも遭ってほしくありません、それなのに何故……私の想いを理解してくださらないのですか?」







「「……」」「私と同盟を組む気がないなら今すぐに出ていって、」「クァン様私は……」「ジンはいる?」「はい、クァン様おります」「入って」戸が開き「失礼致します」「ジン、吏曹判書(イジョパンソ)にこの文を渡して」私は衣の懐から出した四人と同じの文を渡そうとするがジンの手に渡る前にタンが横取りして破り捨てる







「「!?」」「何の真似ですか?無礼にも程があります!」ジンはタンに向かって言うと私はジンに片手をかざして止める「ジン、大丈夫だから下がって」「……はい」タンを見て下がるジン、私は盃に酒を注ぎ飲み干すと「タン、座って盃を持って」「……」タンは何も言わず座り盃私の前に出す私は酒を注ぐ





タンはその酒を飲み干すと私は「タンはどうしてそんな感情的になってるの?」「それはクァン様がそのお体で無茶をなさるからです」盃を机に置く「確かにそうだ、私が官職に就くなんて無謀なことかもしれない、でもねタン、私はもう引き下がれないところまで来てるの、それなのに今更死を恐れてあの忌々しい黒い月の罪人達が私欲を満たす為に無実の民達を踏みつけにしてることがどうしても許せない」






「……クァン様」「タンよ、命より正義を取る私は愚かな者だとそなたも申すの?私みたいな持病を持った者は官職に就く資格はないと思うの?」タンは「いえ、そうではありません、私は、ただ貴女様に一日でも長く生きてほしいのです、貴女様がこのまま復職したら、お命を落としてしまいそうで怖いのです」





「うん、私だって別に死を望んでない、私はこれからもへ家の皆と、愛する妹達と、いつまでも一緒に居たいと思ってる、復職するよりも、画師として生活した方が長生きできることも分かってる、」






「でしたら復職しないでください」タンが言うと「それはできない、私が今、持病を言い訳にして国を守ること放棄したら、このまま逃げたらきっと後悔するから、タンよ私にはこの世に、死よりも最も耐え難い苦痛があるの、それが復職をしないこと、持病を言い訳して逃げて何があっても守りたいものを守れないこと、それが私にとっての己の死よりもも最も耐え難い苦痛なことだから」







「「……」」「復職できず持病を言い訳にして逃げたら私はきっとこのまま誠に守りたいものを失う、両親がこの世を去った時と同じ苦しみを味わう事になる、あの思いをもう一度味わうぐらいならいっそ死んだ方がいいと思うぐらい辛くて苦しくて胸が張り裂けそうだった」






「クァン様……ですがなりません、クァン様のお気持ちを理解出来ます、ですが賛成は出来ません」「タン、そなたは誠に心が優しいね、そんなに必死に私を引き止めるのは私を心配してくれているからだと分かってる、だけどねタン、死を覚悟したも者の意志を捻じ曲げる事は、決して誰にもできない、私は何としても復職をする」






「……」タンは立ち上がってドアに向かっていくと私は「タン、やはり反対なの?、タンは私にはその資格がないと思う?」「……貴女様は昔から一度決めたら決して諦めませんでした、私はそんな貴女様を、信用し同時に心配しておりました、貴方様に私が何を申し上げても貴方様の覚悟を捻じ曲げる事は出来ません、ですから婚姻はします」







「えっ婚姻してくれるの?」「ですが勘違いなさらないでください、私はクァン様の復職を認めた訳ではございません、私が貴女様と婚姻するのは、貴女様が無茶をしないようにしっかり見張り貴女様をお守りする為です、少し感情的になってしまい申し訳ございません、冷静になる為に夜風に当たって来ます」







そう言って出ていく次の日私達は王宮に行き王様と王妃様に報告婚礼を上げることをご報告しに行った






















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