第35話「例えこの国の臣下ではなくなっても」

王様は立ち上がり「しばらく席を外す」とおしゃり私を見た後私の腕を掴み私を立ち上がらせると「一緒に来い、話がある」王様は私の手を引き連れて行った歩く最中「王様、どちらに行かれるのですか?王様」私が言うと王様は庭の所で立ち止まり近くの部屋に入った椅子私をに座らせると自分も隣に座る、







私はそれに気がついて立ち上がり王様に向けて軽く一礼した「クァン、何をしておる?早く座れ」「なりません」「何故だ?」「私はこの国の臣下では、なくなりましたが私はこの先もずっと王様だけの臣下でございます、掟に従い私は王様の臣下として王様に接します、ですので王様と共に座るのは臣下としての掟に反します」







「……そなたは昔から何一つ変わらないな、余に対する想いも、態度も余がどんな人間だと知ってもそなたはだけは余の側を離れなかった、余が自分は王にふさわしくないと嘆いてる時も、そなたを守る為に大勢の罪なき民を見捨てた時もそなたは余を信じようとしてくれた、」「王様、もしや私がタムタ陛下の出した条件で比刀を参加することがご不安なのですか?」







「不安に決まってるだろう、そなたは死ぬかもしれないのだぞ、余はこんなにも反対してるのに何故そなたは比刀をタムタ陛下に申し込んだのだ?」「王様には誠に申し訳なく思います、ですがこの国を守る為に私はあの条件で比刀を受けますそれ以外この国を守る方法ははございません」







「もしかして、大君の罪を明らかにする為に南の明国の捕虜兵全員自分の兵にするつもりか?」「はい、左様でございます、それ以外大君様の罪を暴く方法ござません、このまま大君様を放っておく訳にはいきません」「クァン、なら今回の比刀は余がやろう、そなたは比刀に出るな」「恐らく王様が相手なら陛下比刀に応じないでしょう、」







「何故だ?」「陛下はきっと私との比刀だから私の挑戦を受け入れたのです」「何故そなたとの比刀をしたがるのだ?」








「これはあくまでも私の仮説ですが、陛下は私が持病を持っていた事を始めから存じておいでだでたのでしょう、そしてユ、シム殿の謀反に騒動も大君様にお聞きになっていたはずです、自分達の所に捕虜兵が三百万人いるとわざと私に知られるようにしたのです」







「何の為だ?」「私に自ら比刀を申し込ませる為でございます」「だから一体何の為にそんなこと……!?」私は微笑み「王様もお気づきのようですね、そうです、恐らくタムタ陛下の望みはそれでしょう、あえて私の弱点を付き私に勝とうとあのような提案をしたのです」





「クァン、なら何故、薬を飲まなければ死に至ると教えたのだ?」「私が持病のせいで薬を飲まないと二刻も経たない内に死んでしまうのは紛れもなく事実、それなのに偽りの事を申し上げるなど私には出来ません」「……相変わらずだな、陛下の望みが分かりそなたが死ぬかもしれないのに認めれる訳がない」







「王様」「先程の比刀をなかったことにしてもらえるように余が直接話をつけるそなたは余が良いと言うまで絶対ここから出るな」「王様、」「これは王命だ」「……」「ムンス、入れ」「はい」王様の護衛武官が入ってきて一礼する「余がいいと言うまでクァンを絶対ここから出さないようにしっかり見張れ」







私を見た後ハン武官が「はい」返事をする王様が私に近づき王様は私を抱き締める「「!?」」ハン武官は顔を背ける「王様?」私が呼ぶと私をご自分の体から離して出口に向う王様に「王様は私がそんなに信じられませんか?」と私が尋ねると王様は歩みを止めて振り返り私に「何の話だ?」と問う










「王様も私に持病のせいで体が弱ってるからと何も守れない無力な人間だとおしゃるのですか?」「そんなこと言っていない」「口にしていないだけで心でははお思いなのでは?体の弱い私には何も出来ないと」「「……」」







「図星でございますか、確かにその通りでございます、私は薬がなければ二刻で死に至る持病を持つ、とても体が弱くて頼りない人間です、剣の腕には自信があっても私の体は激しい動きに耐えられません、それも事実でございます、私が比刀を行い、発作が起きても薬を飲まずに三万人と試合すると申せば誰もが「無謀だ」「救いようもない」とおしゃり私を見てあざ笑うでしょう」







「「……」」「他の人誰が何と言おうと構いません、他の人は私の事を信じなくてもいいです、ですが王様には、王様だけには私を信じて頂きたいのです、私が限界を超えて発作が起きて息が上手くできなくてもきちんと三万人の捕虜兵と戦えるように王様には信じて頂きたいのです、血を吐き、倒れても「クァン、立ち上がれ、余はそなたを信じてる、誰よりも信じてるから立ち上がって必ず勝て、勝って死ぬまでずっと余の側にいろ」王様にはそうおしゃってほしいのです」




私は信じてもらえない悔しさから涙が溢れる「!?クァン……やっぱり駄目だ、余のせいで、そなたをこれ以上苦しめたくない、だからすまぬそなたの気持ちには答えられない」





「王様、やはり私が信じられませんか?」「それは違う、余はそなたを信じてる、誰よりも信じてる、だがその余の信頼がそなたの死へ繋がる、それなのに無謀な条件付きで比刀を行うのを認めるなんて余には無理な話だ」「王様……」「ムンス、しっかり見張れ」「はい王様」





王様は戸を戸が開き王様は出ていったそして一刻経って戸が開き大君様が目の前に現れて私は椅子から立ち立ち上がり一礼すると「やはり王様はそなたの比刀を行うことを許可しなかったか?」「……申し訳ございません、勝手にお部屋に入ってしまい、私も出たいのですがこの部屋を出るなと王命を受けたので出れないのです」





「私が問う質問に答えろ、」「それは何の確認ですか?私と王様の会話はこの部屋に忍び込ませた私兵を通してご存知のはずです、それなのに何故私に確認なさるのですか?」「……いつから気づいてた」「私は人を殺した事などないですが、これでも私剣士ですから、部屋を入った瞬間に人の気配がしました、そこに身を隠しているのでしょう?」









私が手のひらで指した、大君様は場所に向かって「出てこい」と言った壁がひっくり返り人が出てきた「下がれ」「はい」一人の男が部屋を出ていった首陽大君は椅子に座り私に「座れ」とおしゃった「私にまたお話でもあるのですか?」「あぁ、そなた誠に比刀に薬を飲まずに参加するのか?」「はい、」「だが王様に止められたのだろう、?」「はい、止められました、ですが私は比刀をやることになります」





「!?」「その反応はどうやらご存知のようですね、貴方の弟君にお聞きになったのですか?罪人、へ、リュンに」「……」「図星でございますか?昔とは何も変わらず分かりやすいお方ですね」「そなたも昔とは変わらず口だけは達者だな」「ですが、貴方は随分と変わられてしまいましたね」







「どうゆう意味だ?」「覚えていらしゃいますか?私が初めて大君様とお会いした時私は王宮に不慣れで王様の元に行こうとしたけれど行き方が分からず泣いておりました」「……」「そんな時です、大君様にお会いしたのは大君様は泣いてる私に「どうして泣いてるのだ道に迷ったのか?」と微笑みながら聞いてくださいました」






「……そうだったか?覚えてない」「そうですか、それでも構いません、暇つぶしだと思って私の話をお聞きください」「……」







「私は大君様と多くの時間を共にしました、大君様と遊山に行ったり、一緒に干し柿を作ったり、一緒に書物を読んだり致しました、この私邸にも何度か遊びに来ております、ですが五年前から貴方は私を避けるようになりました、その時から私は嫌な予感をしていたのです、まさか兄と呼び慕った大君と敵対する日が来るとは五年前の私は思いもしなかったでしょう」








一瞬動揺する首陽大君様「……それでそなたは私にはどうしてほしいのだ、悪の道に走った私を、そなたは今まで摘発してきた罪人と同じように私を摘発するのか?」「私はもう官職退きました、私に大君様を摘発する事は出来ません」「ならそなたは私に何が言いたい?」







「私はどちらかといえば官職に向いていないのでしょう、大罪人が目の前にいるのに貴方は悪の道走り多くの無実の民を傷つけた罪人なのに、どうしても私は大君を哀れに思うのです」「哀れに思う?何故だ?」







「昔の大君様を思い出すから、大君様は私のたった一人の君主を毒で殺そうとした憎むべき人なのに、貴方様がが許せないはずなのに私はそれと同時に哀れに思うのです、誰もを平等に扱い身分の低い者を大切にしてい大君様がこんなにも悪事を働いてしまったのはきっとこの世の中で権力者が正しくて、身分の低い者が権力者言いなりになるしかないそんな世の中のせいでしょう」「……」







「長い歴史がそれを示しているからこそそれが当たり前だと、私欲を満たしたい権力者は皆口を揃えて言うのです、そんな両班、王族達に囲まれ数年過ごした大君様は弱い者を踏みつけにしてる権力者達を見て大君様の純粋で優しさで満ち溢れていた心は黒く染まってしまった、そう考えた瞬間憎しみと同時に大君様を哀れに思います、そしてこう思いました、貴方様も長い歴史の中で出来上がった理不尽な世の中の犠牲者なのですね」







「犠牲者?私が?」「はい、他の人の目にはただの罪人に見えてると思いますが、私にとってはこんな世の中のせいで強欲になるしか権力を維持するしか方法がなかった哀れな罪人です」大君様は少し笑って「フッハハ哀れな罪人か、そなたらしい例えだなクァン」私を昔のように呼ぶ大君様私も昔のように






「……兄上、私はずっと後悔していたことがあるんです、」「後悔?」「私は五年前、王宮で兄上が官僚の首を斬っている姿を見て私がもっと強く兄上の事を、引き止めていれば兄上はあんなに無惨人の通りを外れた真似をなされなかったのではないかと」私は目から涙を流す「!?」冷静だった兄上の表情が動揺の表情に変わっていく






「五年前のあの日官僚達の平然と首を斬ってあざ笑う兄上の姿を見て私は兄上している事をは全て過ちだと強く言えず、どんどん変わっていく兄上の姿を見て、私にはもはや止めることなど出来ないとそう思い諦めて兄上を遠ざけてしまった、」「……」







私は更に涙を流す「私があの時諦めてなければ、私があの時兄上の頬を引っ叩いてでも止めていれば兄上は大罪人を犯すことはなかったかもしれない、私はずっと信じていたんです、兄上にはまだ誰かを労る心が少し残っていて、自分の過ちを正すために自首すると今日まで信じておりました、ですがそれは無駄な信用だと今日気づきました、」







「……」「ですのでこそ私は兄上に誓います」「……」「今回の比刀に私の全てを賭けます、例え私の心臓が止まることになったとしても私は必ず勝利して捕虜兵三百万人の兵を必ず手に入れます、あの兵達さえ居なくなれば王様は兄上をこのまま生かしはしないでしょう、必ず、王様は貴方様を断罪するはずです」







「クァンそなたは私の死を望んでると言うことか?」「それ以外、兄上を止める方法がありません、このまま兄上を放っておけば兄上は更に悪事を働いて自分でも制御出来ないくらいどんどん強欲になっていて最後は私欲を満たすことだけを考える権力者と同じになっていって権力者こそが正しいと考えるようになるでしょう、」








「クァン……」「だから私が止めるのです、兄上がそんな残酷で人の通りを外れた行いをしないように、これ以上悪事を重ねて心が真っ黒に染まらないように、強欲な両班達と同じにならないように私が命懸けで止めるのです」「やめろクァン!」「兄上……」






「そんなことしたって何も変わらないぞ、そなたさっきから自分が何を言ってるのか分かっているのか?薬を飲まずに比刀を行えばそなたは勝負がつく前に確実に動けなくなる、それなのにどうやって勝つのだ!」






「兄上!兄上が早く自首をしてくだされば私がこんな無謀な真似をしませんでした、先程申し上げたはずです、私は兄上にこれ以上罪を犯させない為に命懸けで比刀を行うと」「そなたは誠に愚かだな、救いようもない、私を止める為に命を懸けるとは」「私が愚かだと言うことは私がよく理解しております」





もの外からハン武官が「お嬢様、王様がお見えです」私は涙を拭いて「はい、すぐに行きます」立ち上がって戸に向かおうとすると後ろから腕を捕まれ引き寄せられ抱きしめられる「!?何の真似ですか?お離しください」「……」大君様は何もおしゃらないすると戸が開く音がして






「!?一体何の真似だ!?」と後ろから王様の声が聞こえる「王様……」「王命だ、今すぐクァンを離せ」「お断りします」と言うと最初よりも抱き締める力が力が少し強くなる、それを見た王様は私の腕を掴み私と大君様を力ずくで引き離す、そして大君様に「二度とクァンに触るな、クァン帰るぞ」「はい王様」私の腕を引いたまま部屋を出る







王様王宮来た馬車に乗り「クァンそなたも乗れ」「いえ、私は歩きます」「そうか、戸を閉めろ」「はい、王様」私は戸を閉める、王様を王宮までお送りした私は王様に二日後に比刀を聞き明日手続きをするから王宮に来いとおしゃり話は終わりそのままへ家に帰った






次の日王宮にに行き盟約書を私と陛下は自分の名と相手に叶えてもらう望みを書いて所持する印を押して王様にお渡しする「余が礼曹部署に出しておく、明後日が本番だしっかり体を休めるように」「はい、王様」「しかと心得た、クァン明後日よろしく」「はいよろしくお願い致します」そして当日王宮の中にある比刀場で誓い式を行った





私は動きやすい服に着替えて一刻後に試合を行なった私は次々倒して行く中には体が大きい者もいたけど足の攻撃して体のバランスを崩した相手が動けなくなった所をお腹を刀で殴って気を失わせたそして次々倒していって二刻が経ち「!?」体がだんだんと重くなってくる体が限界に近づいてるせいか息を吸うたびにくるしくなってくる





「残りあと一人、時間がない、早く終わらせなければ」最後の一人が現れた瞬間私は「ファリョム、やっぱりそなたが最後に出てきたか、限界が近いというのにそなたが最後に相手とはどうやら陛下は私には降参させたいようだな」






ファリョムは一礼して「お久しぶりでございます、クァンお嬢様、私のことを覚えていて頂いたのですか?」「もちろんだよ、そなたは私の母上の護衛剣士で母上の初めてとった弟子で母上がその刀を譲った者だから」






「随分と苦しそうですね、早く降参して薬を飲んだほうがいいと思います」ファリョムは私に言うと「それは余計な気遣いだ、例えこの心臓が止まっても降参は絶対にしない!」私はそう言ってファリョムに立ち向かう、私達は激しく刀を混じり合うそして更に一刻が「!?」私は完全に息が出来なくなった





私は苦しくて喉元を刀を持ってない方で押さえるそして体の力が入らなくなって行って私はそのまま倒れる「「クァン!」」「クァン姉上!」「「クァン様!」」王様、世弟様、エン、シル、へ家皆の声が聞こえる動けなくなった私に必死に体を動かそうするが全く動かない、そんなに私にファリョムは






「だから申し上げたのです、降参しなければお嬢様は死にます、お嬢様には無理なのですその貧弱な体で薬をなしで比刀に望もうなんてこの程度が限界です、もう諦めてください、お嬢様は何も守れません」〈こんなことない、私は絶対負けない、勝たなきゃ私の守りたいものは守れない、それなのに何で動かないの、お願い動いて私の体〉「んー!ん!」私は何とか動かそうとするが全く動かない






「どうやら勝負はついたみたいですね、」ファリョムは王様に向かって「王様!これ以上の試合は無理です、これ以上続けたらお嬢様がお命を落とすことになります、王様はそれをお望みですか?」「そんなの言い訳ない!クァンが死ぬなんてそんなの絶対嫌だ!だけどクァンそなたが明国の南の皇帝に嫁ぐなんてもっと嫌だ」







「お、う、さ、ま、」私は途切れ途切れで呼ぶと「クァン、すまない、クァンが今、こんなにも苦しんでるのは全て余のせいだ、余が頼りないこの国の国王だから、官職に就いた時も、退いた今もずっとそなたのことを余が苦しめてる、余はいつもそなたの「大丈夫」という言葉に頼りっぱなしだった、余のせいでそなたは多くの官僚を敵に回してそなたを何度も危険な目に合わせた、」








「「……」」誰もが王様と私に注目する中「余を守る為に、王命に逆らい、自ら罪人になったこともあるし、いつも余の為にその弱い体を張って余を守ってくれていた、すまないクァン、そんな体で無理させて、この比刀をそなたがやることになってのも余のせいだ」私は王様の言葉に首をふる





「余は誠に頼りない国王だ、そなたを守りたくても守れない、体の弱いそなたに無茶をさせる誠に情けない王だ、だけど立ち上がれクァン、余はそなたを信じてる、誰よりも信じてるから立ち上がって必ず勝って、それで死ぬまでずっと余の側にいろ!、これは国王としてではなくそなたの君主としての命令だ!」と王様は涙を流しながらおしゃる






私は王様との昔の、記憶を思い出す王座に就かれた七日後夜私は王命で王宮に呼ばれた〈王様、どうなされましたか?、またあの日を思い出して眠れないのでございますか?〉王様は突然涙を流されて〈!?王様、大丈夫でございますか?〉〈クァンよ、余は誠に王座に就く資格が私にはあるのか?、あんなことをしておいて余にこの国を治める資格は果たしてあるのだろうか?〉







〈王様、もしや後悔なさってるのですか?、王座に就いたことを〉〈そうゆう訳ではないがあの日と同じ日が来ると余は誠に王座に就いていいのかと思うのだ、だがあれはそなたを守る為でもありこの国の守る為の選択だったのだ、だから後悔はしてない〉






〈でしたらお顔を上げてください、そう思われなるのでしたらご自分は王座に就くべきではないとおしゃらないでください、私は貴方様が王座に就かれる日を私はずっと心待ちにしておりました、私は例え貴方様が正しい道から外れたとしても私が連れ戻して上げます、それに私は何があっても王様のお側を離れません、王様の罪が明らかになっても私が必ずお守りしますのでご安心を〉〈あぁ約束だぞクァン〉〈はい、お約束です〉私達は微笑む



私は現実に戻って〈立ち上がれへ、クァン、王様と約束したでしょ?〉私は立ち上がって「「!?」」私は王様の方を向いて「はい、ご命令承りました、私のたった一人の君主」私は一礼する私は王様に申したあと周りが驚きを隠せない私はファリョムに立ち向かい再び刀を混じり合う「お嬢様は誠に強情方ですね、とっくに体の限界は超えてるはずなのに何故そこまで頑張るのです?」








「負けを認めたらどうなる?ここで諦めたら私はまた何も守れない!私が無力な事は私自身が一番よく分かってる、私は母上をお守り出来なかった、父上のこともやはりお守り出来なかった、体が弱いせいで官僚になってこの国の大臣になっても業務の過酷さに体が耐えきれなくて何日も眠ってそのせいで一万人の部下と罪なき民を守れなかったこともある、だけど私だってこんな体になることを望んでなかった」








「ですから申し上げたのです、その体では何も守れませんと」「私が何も守れないだと?冗談じゃない!」私は更に激しく攻撃するそしてファリョムをふっと飛ばして地面に転がったのを見ると私は血を吐く「「!?」」








それでも私は「ゴボゴボ、何も守れないだと誰が決めた?天か?、王様か?それともそなたか?違う!私が諦めない限り守れるんだ!どれだけ体が弱くてもどれだけ自分の無力さに打ちのめされても私は守り抜く、例えこの国の臣下ではなくなっても私はこの国の民であることには代わりわない、愛する我が母国の為に、こんな私を慕い信じていつでも守ってくれる、へ家の皆の為に、私の愛する妹二人の誇りである為に、私のたった一人の君主のお側に生涯いる為に私は必ず勝利する!」








「「……」」「立って、そろそろ決着をつけよう、私も本気を出すからそなたも本気を出して」「そうですね、決着をつけましょう奥儀、大炎門」ファリョムが炎の渦に巻き込まれて伝説の剣の亡霊炎花が姿を現したそしてファリョムの体の中に入ると炎花と一つになり姿が進化した「雷刀、私達もやるよ」〈分かった〉





「奥儀大雷門」刀の先を空に向けると空が雷雲が現れて私の体は雷に包まれるそして雷刀が姿を現し私は雷刀と一つになると「奥儀、雷鳴の一撃」「奥儀、炎の竜巻」とそれぞれ技を出して雷鳴の斬撃と炎の竜巻が激しくぶつかり合い私とファリョムはお互い攻撃の衝撃でふっ飛ばされた、私は何とか踏ん張って場内に残り、ファリョムを見ると踏ん張れず外に倒れていたその姿を見たあと勝利を確信して私は持っていた刀の腕を上に上げ刀の先を空に向けて突きつける






それを見た審判員の礼曹の官僚は「そこまで、捕虜兵、ユ、ファリョム戦闘不能、勝者挑戦者、ヘ、クァン」会場内に歓声が上がった私は微笑み我が君主へ、ウォル様をご覧になる観客席から「「クァン!」」と呼び王様と私に良くしてくださる王族の皆様が私に駆けつけてくださる「王様……皆様」私は刀突きつけたままに気を失う





私は真っ暗な闇の中にいた〈どこだろうここは、もしかして私の心臓が止まったのか〉目の前に雷刀〈雷刀、ねぇ私は死んだの?、私の心臓は完全に止まったの?〉〈あぁ、完全に止まった、でもまだ間に合うこれを見ろ〉見ると私の左胸を叩きながら私の心臓を必死で動かそうとする我が君主の姿を見る






〈王様、戻らなければ、私はまだ死ぬ訳にはいかない、〉〈そう思うならあの光に向かって走れ〉私の目の前に光が現れる私はその光に向かって走る「ハッァゴボゴボ」「クァン!」王様の声が聞こえてきて目を開けると目から涙を流した王様がいた「王様……何故お泣きになられてるのですか?」




「クァン、心配したのだぞ、そなたの心臓が突然止まって、このまま死んでしまうのではないかと思った」「前にもお伝えしたはずです、私はそう簡単には死にません」エンが「何を言ってるの?、さっきまで死にかけてたのにどの口が言ってるのよ、ほらクァン口開けて」私はエンに体を起こしてもらい発作の薬を飲む





「ハァーやっと楽に息ができる、あっ、何か左胸が痛い」私は左胸を抑えなが言うと王様が「すまないクァン、そなたの心臓が止まっていた故に、余が拳で強く左胸を叩いた」「ですがそのおかげで生きて帰えって来れたのです、ですので王様に感謝致します」私と王様は微笑み合う





「クァン」「タムタ陛下」私はエンに体を支えて貰いながら立って一礼する「見事な戦いだった、動けなくなった所で勝負はついたと思ったがまさかあそこで粘り形勢逆転されるとは思いもしなかった、約束は約束だそなたの願い通り、三百万人の護衛武官はそなたにやる、好きにするがいい」








「はい、へ家の家族に迎え家族のように私が大事にしますのでご心配なく、陛下、陛下にお渡ししたい物がございます」「私に?」「はいハソン、持って来て」「はい、クァン様」ハソンは布を被せた台車で持ってくるハソンが布を取ると「これは鷹ではないか」「お好きでしたよね?、鷹」





「覚えててくれたのか?」「はい以前明国でお会いした時にお好きだとおしゃっていたので銅の職人に急がせて作らせました、正直にもし上げるならもっと早くお渡ししようと思っていたのですが、特殊な銅を使っておりますので完成までに思っていたよりも時間がかかりました」




「それでもいいそなたが私の為に作ってくれたのだ気に入った」「左様でございますか?それは何よりです、あっかなり大きいので気をつけてお持ち帰りください」「ありがとう」私はふらっと倒れそうになり「「!?」」「クァン!」王様が私の体を支えて私を抱きかかえる「「!?」」「王様、私なら大丈夫です、自分の足で歩けますから下ろしてください」









「それは出来ない、戦ってる最中に血を吐いたのだぞ、王命だ、大人しくしてろ」「……」私はそのまま王様に抱きかかえられて会場を出る途中で意識を失う














































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