第30話「この世で一番切ない嘘」

そしてピョリに罪人三人の私邸に潜入してもらい青い箱に入った密書と三人の罪を明らかにする密書を持ってこさせそれを元に次の朝臣命下会議を尋問場で開いて集まる臣下達が「一体何の真似だ?」「皆さんもお忙しいと思うので手短に説明致します」





「私が今日臣命下会議を開いたのには理由がございます、私が臣命下会議を開く理由は一つしかございません、そう、四人の罪人を摘発する為です、今からその罪人の名を上げます、戸曹判書ヒ、アク、兵曹判書へ、マンビョン、工曹判書、コ、ハサン」呼ばれた三人は驚きを隠せない







「そして四人目は司憲府持平、キム、タド」「「!?」」司憲府の皆は驚きを隠せないだけど本人は余裕な顔して驚いていたまるで私に断罪されることを望んでいたかのように黙り込んだまま私を見つめる私は他の三人に「そなたらの相手をする気分ではない、」






「何を言う私達は……」「私達は何もしていないとでも言いたいのか?、それは私が断罪した罪人達がよく言う言葉だ、もう罪人を断罪するに聞くから聞き飽きた、故にそなたらは口を開くな、罪状と処す処罰だけ下す」私は真顔で言う「「……」」








「では罪状を申します、この三人の罪状は国の資金を着服していたこと第二百二条王宮の資金は全て王様のもの他のものが着服した場合王様を侮辱したと見なし極刑に処す、皆さんならこの法をご存知ですよね?」






「「……」」「そして、キム、タドのは黒い月の組織の密偵です、キム、タドはずっと司憲府の事件を調べて得た情報を黒い月の組織に流していました、故に黒い月の組織の一員は私から逃れかれていたのです、そしてこれが証拠です」





私はこの四人の私邸から盗んだ密書を「これが密書です、筆跡を調べた所本人の物で間違えないそうです」「「「……」」」「そしてこれが動かぬ証拠です、ジン押収した国の資金を持ってきて」「はい、クァン様」ジンは台車に積んだ押収した国の資金を持ってくる






「これは罪人達の私邸から押収した国の資金です、あっ先に言っておきますが私邸には私の護衛ピョリを潜入させましたが潜入させる前に王様の許可を取りましたので違法ではありません、ちゃんと法を守った上での処置ですので」







「では投票を致しましょう、罪人四人を有罪に賛成の方は賛成の札を反対のお方は反対の札をこの箱に入れてください」全員投票をして「結果が出ました、四人の罪人を有罪にすると決定致しました」「「「「……」」」」「よって四人の大逆罪人を極刑に処し……」私はタドを見て黙り込む







〈死んでほしくない、タド、何故罪を犯したの?大逆罪人なら極刑に処し極刑の中でも最も残酷な刑八つ裂きの刑に処さなければならない、それが下すべき罰だからだけど私は下したくない〉「クァン様?」ハソンが私に呼ぶ、





「早く処罰をお下しください」ジンに言われて私は涙を堪えながら「大逆罪人を極刑に処し、八つ裂きの刑に処す」「「「……」」」周りの官僚達と王様、世弟様は黙って私に注目する「戸由達は前に出て来て」「「はい」」戸由八人が前に出て来て「縛り上げ義禁府に連行せよ「「はい」」縛り上げて連行しようとするが








「一つだけ質問宜しいですか?」タドは私に聞く「……何?」「何故?すぐに捕らえながったのですか?私が黒い月の組織の密偵だと言うことはかなり前から分かっていたはずです」





「今日までずっと考えていた、何故そなたが罪を犯さなければならなかったのか?、そなたは元へ、家の私兵で十年間私の私の護衛をしていた、十年間共にいてそなたのことはそれなりに理解してるつもりだ、」私はタドとの思い出を思い出しながら






「そなたは人を傷つけるのを嫌っていて常に自分よりも周りのことを見ていて、とても心優しい人間だった、」「「……」」






「そんなそなたが何故よりにもよって長い歴史に渡り悪事を繰り返し民を傷つけ平気で人の命を奪うそんな組織の一員になってしまったのか?いくらそなたの気持ちになって考えもどうしてもその理由が分からなかった」







タドはさっきの余裕な顔が少し崩れ始める私はそんなタドに「なら逆に聞くが何故逃げなかったの?、私に断罪されると知りながら、何故所由の仕事を続けたの?、」「さぁ何故でしょうね」動揺を誤魔化すように言うタドに私は






「逃げる機会はいくらでもあったのに、私がピョリを使ってそなたの私邸に潜入させることなんて私の部下であるそなたなら分かりきっていたはずなのにそれなのにそなたは証拠の密書を金庫には入れず机の引き出しに入れていた」私の言葉を聞いて驚きが隠せない周りの官僚と王様と世弟様







私は「まるで私に断罪してほしと言っているかのようにあえてピョリが見つけやすい場所に隠したように思えた、何故なの?その理由を答えて」







「……私は罪人キム、タド、私はもう貴女様の部下ではありません、故にその質問には答える必要はございません、私は罪を犯したそれが全てです、故に私が死んでも悲しむのはおやめください、そのようなことは不要です」「タド……」「行こう、もうここに用はない」





歩き出そうとするとタドのわたしは右腕を掴む「「!?」」タドは私に「何の真似ですか?離してしてください」






「嫌だ離さない、まだ私の質問に答えてない、何故逃げなかったの?私は三十日前にそなたが黒い月の組織の密偵だと知ったけど、そなたは同じ日に私が密書を持っていると気づいたはず、誠に私に断罪されることを望んだの?」「……」







私は今まで我慢していた涙が頬に流れる「私はこの三十日間、そなたが私の知らない遠いい所に逃げてくれることを心どこかで願っていた」「「!?」」私が泣く姿も言葉にタドは更に動揺する






「そんなこと決して許されない、そう頭では理解していても心ではずっと「タド早く逃げて、私の知らないところに、そなたを断罪したくない」とそんなことば思っていた」タドは顔を背けながら





「……お離しください、貴女様にお話することは何もございません、ですが貴女様がどうしても聞きたいとおしゃるならお話致します、強いて言うなら私は貴女様が嫌いでした、いつも自分の理想をいい、いつも自分が正しいと言い張る貴女様が私は気に入りませんでした、」






「「……」」「見知らぬ誰かをすぐに信用して、損とか得とか関係なくいつも誰かに自分の物を分け与えて、誰かを常に助けようとして自分の体が傷付いても平気だと強かって、無駄に責任感が強くて誰が死んだ時は自分が無力なせいで守れなかったのだと悔やんで、いつも誰かの為に怒ったり、泣いたり、喜んだりして私はそんな貴女様のことが大嫌いでした」






「タド……」〈嘘だ、背を向けて喋るのはタドが嘘つく時の癖だ、でも何で嘘つく必要が?〉私はうつむき少し目線を下げる、タドのつま先が見えてタドがこっちを向いているのだと気づいて、ハソンとジンがタドに「いくら貴方でも今の発言は聞き捨てなりません、クァン様に……」「そうです、貴方は今は罪人の身クァン様向かってなんと無礼な……」







姿を見てないからよく分からないけどタドを見た二人は黙り込んだ、私は真っ直ぐ見るがタドはそれに気づきまた後ろを向く、何故、私を嫌いだと言ってるはずなのにタドの後ろ姿は泣いてるように見えた







「私は、ずっとそんな貴女様を目障りに思っておりましたですから私は貴方様を恨む黒い月の組織の密偵になり貴女様に関する情報を黒い月の組織の一員に渡しておりました、これが私が黒い月の組織の密偵になった理由です、ご満足して頂けましたか?」







私に背を向けたまま「……行こう」歩き始めようとするが私は腕を強く掴んで離さない







背を向いたまま「お離しください、一体何の真似ですか?」「……ごめん」「「!?」」「……何故大司憲様が謝るのですか?」「そなたの上官としてもっと早くに気づくべきだった、そうすればそなたを止められたかもしれない」「……」





「タド、私はいつならタドを止められた?タドがへ、家を出ていく日?それとも文官に首席合格して監察になる日?ねぇ答えてよ、私はいつならタドに罪を犯させることなく止められたの?」






「……大司憲様、例え時を戻すことができたとしても私の選択は何一つ変わりません、私は何度あの日に戻ったとしても同じ選択をしていたでしょう、大司憲様、貴女様は誠に昔から何一つ変わっておりませんね、せいぜい黒い月に殺されないように気をつけてください」




私は何て言葉をかけていいか分からなくて無意識に力を入れていた掴んでいた腕の力を緩めてしまうタドはそれに気がついて私のから手を離し歩いて行くそしてそのまま臣命下堂を出ていった「……」黙り込んでんでるとジンが近づいて来て「クァン様」私を呼ぶと





私は我に帰り涙を拭いて「罪人の家族についてですが罪人の家族は何一つ悪いことはしていない罪なき民達です、ですので罰せず家門もそのままにしますこれは今回大官を勤めた私の決定事項です、」





不満げな顔をする官僚、武官達、「ですので罪人の家族を奴婢、極刑に処してほしいと進言した官僚、また武官には、王室を侮辱した罪で罪人として斬首刑に処します、これはも決定事項です、一切の異を唱えることは決して許しません、ですので命を差し出すのが嫌だとおしゃる方はおとなしくされていた方が良いかと」








「「……」」「これより臣命下会議を終了致します」私は一礼する世弟様と王様の方を見て「私からは以上です」臣命下会議が終了して私は司憲府の大司憲の執務室にこもり仕事をしていた戸を叩く音がして







「クァン様、ハソンでございます」「入って」「失礼致します」戸が開くとハソンが一礼をして「どうしたの?」「クァン様、もう未の刻の正刻でございます、昼食をされてはいかがですか?」「いらない、食欲がない」「ヤンさんが作ったチヂミだけでも召し上がってはいかがですか?」






「仕事に集中したいから出てってくれない?」「クァン様」「出ていってこれは命令」「……はい」ハソン出ていって一刻して戸を叩く音がして「!?誰?」「大司憲様、ヨン、テムです」「ハン、ナダクです、」「入って」私が言うと







「「失礼致します」」と二人は入って来る「何の用?忙しいから手短にお願い」「「はい」」テム「タドの刑が先ほど執行されました」「私が下した判決だから知ってるよ、話が以上なら下がって」私が報告書を見ながら言うとテムは「いえ話はまだ終わっておりません」







「他に話があるの?」「はい」テムは一冊の日記を私には差し出す「これはタドの日記です、大司憲様にこれを読んで頂きたいのです」「何で私が?」「おい、テム、タドはそれを望んでなかっただろう?」ナダクがと言う






私は「望んでないなら私が読む必要はないでしょう国の法を犯して、今日罰を受けた罪人だ、例えそのに罪を犯してしまった理由が書かれたとしても私に一体何が出来る?」「「……」」









「タドの本当の気持ちを知ったって時を戻せる訳でもない、タドが罪を犯す前に戻って止められるならとっくに戻って止めてるよ、でも戻る術がない、」「「……」」








「私もタドが何か理由があって罪を犯したと思ってる、あの時私が何故罪を犯したと問い詰めた時タドが私を嫌いだと言ったけど目を反らして話す時はタドが嘘つく時だからすぐに嘘だと分かったよ」






テム「尚更読んでください、大司憲様のお知りになりたいことが書かれております、罪を犯してしまった理由、今日までタドがどんな思いで生きてきたか、全て書かれております、大司憲様が読んでくだらなければタドは浮かばれません、この国の誰もがタドを国の法を犯した罪人だと言うでしょうが、大司憲様にはご存知でいてほしいのです、タドがどんな思いで罪を犯したのか」







テムが必死に頼み込むなんて始めてで少し驚き私は疑問に思った







「二人は私が憎くないの?」「「はい?」」「何故私達が大司憲様を憎むのですか?」ナダクが不思議そうに聞く「だって二人はタドと友だったんでしょう?」「「はい」」「私のせいでタドが八つ裂きの刑になったのにそんな私に日記を読めなんて変わってるよね、テム」





「「……」」私は立ち上がって二人に近づきテムの前に行くと日記を受けとる「大司憲様」テムが呼ぶと「ねぇナダク、タドはどんな最後だった?」







ナダクは「はい、タドは最後の最後まで大司憲様のことを気遣っていました、自分のせいで大司憲様を傷つけてしまった、その事をずっと気にしてました」その言葉を聞いて私は泣きそうになる








「そしてこう言ってました「もしクァン様が私の嘘に気づいていたら伝えてほしい、私はお約束通り、最後まで貴女様をお守りすることが出来て光栄でした、私が今日死ぬことは気にせずいつも通りご飯を食べて、疲れたらしっかり眠ってください、いつまでも私を止めらなかったことを悔やまないでください」と伝えするようにとタドに言われました」





私は目を潤ませながら「本当に変わってるよね、三人共、分かった、ちゃんと読むから二人は下がって」「「はい」」二人は出ていった後私は日記を開くと読み始めると日記に私とタド達の三人と出会った時のことが書かれていた









その日は奴婢だった三人と三人の家族、売られてるのを買い取ったのが出会いの始まりだったそして私は三人とその家族をその場で奴婢の身分から解放して三人を私兵に家族を使用人にしたその日から三十日経って






≪七月三十日、今日で私がクァン様に買われへ、家の私兵になって五十日が経った私の主は相変わらず市場に行き売られてる奴婢を買い私を買った日と同じように商売人と奴婢達を買おうとしてる両班にお怒りで文句を言ってるまだ七歳なのに立派な志をお持ちの方だあの方は他の両班と違うかもしれない≫








また次々読み進めていって≪二月十四日、今日はクァン様は久々に仕事を休んで市場にお出掛け同行させてもらえる何か嬉しい、クァン様のお側にいられることがとても楽しくて奴婢の頃感じなかった気持ちだったからとても新鮮だった≫






「タド……」私は堪えていた涙を流す、そして読み進めて行くと≪五月九日、へ、家の私兵になって三年経ったようやく私の努力が認められ念願のクァン様の護衛にクァン様自ら選んで頂いた、集会でクァン様の護衛、龍組に選ばれ名を呼ばれた時は私はクァン様を尊敬していたから夢みたいでとても光栄だったし、クァン様は三年間私が努力していた存じていてくれて心から嬉しかった≫






「もちろん知ってるに決まってるよ、だって夜遅くまで仕事をして終わった後疲れてるのに深夜でも鍛練していたじゃん、そんなタドだから何事にも一生懸命で責任感の強いタドだから私は自分の護衛に選んだんだよ」






≪八月一日クァン様のお仕えして四年が経った、私はつくづく思う、私はクァン様にお仕え出来て幸せだと思う、だけど最近この胸の高鳴りは一体何なのだろうとずっと疑問に思っていたけどようやく分かった気がした、だけど私は決して表には出さない、だからこの日記にも書かないこにする、ただあのお方のお側にいたい、ずっとこれからもお守りしたいそれだけが私の願い≫





私はその文を見た瞬間涙が次々と流れて止まらなくなっていた、ぼやける両目で必死に読み取って






≪一月二十日クァン様にお仕えして八年がが経った三年前から私はクァン様の指示で最近裏で色んな所で情報を集める組、卯組の仕事をしながら、クァン様の護衛をしながら、過ごしていた、ある日私は知ってしまった黒い月がクァン様の命を狙ってるのだと、クァン様をお守りしたい一心で私はクァン様のご許可なく独断に黒い月の情報を集めていた、もしクァン様が黒い月の組織に命を狙われてるならあんな巨大な組織からどうやってお守りしよう≫







「勝手に動くんじゃないよタド、いくら私を守る為とはいえ駄目に決まってるじゃん、」

また読み続ける





≪七月九日、クァン様にお仕えして九年が経ったクァン様は臨海君様と上手くいないみたいだ臨海君様との間にできたソフィアお嬢様を手放すことを選択された、クァン様は臨海君様とご一緒にいても時々お辛そうなお顔をされる、もしかしたらクァン様は臨海君様と別れを告げるつもりじゃ、ソフィアお嬢様を手放したからきっとそうだ、クァン様はお辛い想いをなされてるのに愛する我が子を手放したクァン様はきっと悲しまれているだけど私にはその悲しみを癒やすことは出来ない≫







「タド……タドは何も悪くないよ」私はタドの文字に指先で触る≪十月九日クァン様にお仕えして八年と三十日が過ぎた、黒い月の勢いは増してクァン様を殺める機会を狙ってる、どうすればいい?一体どうすればクァン様をお守りできるのだ?≫






「何で……何で私なんか守ろうとしたの?罪を犯してまで……」≪五月六日、クァン様にお仕えして九年が経った私はようやくクァン様をお守りする方法を思いついた私が黒い月の一員になればいい、でも問題は取引材料だクァン様をお守りする為に黒い月の一員になるから、黒い月の偉い者達の弱味を見つけなけ、クァン様に手を出さないでと取引しなければ、急げ時間がない≫









≪九月三十日、黒い月に入会すると決めて三十日経った、必死に探してようやく黒い月の組織のアジトを三ヶ所見つけたそして黒い月の上の者の名が書かれた功臣録を手に入れた私は昔から記憶するのが得意で一度見た文字数字は決して忘れない記憶力を持ってるそれを武器に上手く使えば殺されることなく黒い月に入会できるかもしれない≫






また読み進めていって≪三月一日クァン様にはお仕えしてして九年が経った黒い月に入会しようと計画してるがまだ取引の材料が少ない気がする奴らにとってもっと私と取引したくなるような取引材料はないのか?今のままでは取引が上手く行かず殺されてしまうかもしれない、そうなればクァン様は黒い月の組織に命を確実に狙われる》





また読み進めていって≪四月一日、クァン様にお仕えして九年が経ったクァン様は王命で六十日後に科挙に受けるらしい、これで取引材料が増えたクァン様はきっと科挙に首席で合格するだろうし、私も文官の科挙に首席で合格しなければ、クァン様と同じ部署にはいけない》





更に読み進めていき≪八月三十日が今日は私の誕生日だったそしてクァン様はそれを覚えてださったそしてクァン様から贈り物を頂き更に私が奴婢になった原因であった父が無実の罪で有罪になり極刑に処された件をクァン様が独自に調べてくださりそれを王様に報告して父の無実が証明された、科挙を受けると決めた時は問題視されるのではないかと不安だったがクァン様がそれを打ち消してくださった、しかも私は近々元の身分両班に戻ることになったその時ここのクァン様の護衛を職を退きへ、家を出ていくことにしよう≫









「礼なんて要らないよ、私は私の信念を貫いただけだから、」更に読み進めていくと≪九月二十日今日私は王宮に呼ばれてクァン様と一緒に王様に拝謁した、そして四十日後私の身分が元の両班に戻ることが決まった、私は決めた出ていく三十九日にへ、家を出ていくことをお伝えしようと≫





≪十月三十日いよいよ、家を出る前日だクァン様に家を出ることを伝えたら強い力で腕を捕まれ泣かれてしまったその姿を見ていたら出ていきたくない、黒い月に入会したくないそんなことばかりを気づいたら考えてて決して揺らぐことないと思っていた決意がクァン様に引き留められ揺らいでしまった、そして私は無意識にクァン様を抱き締めてしまっていた≫







≪十月三十一日、私は今日このへ、家を出た今後はクァン様を名では呼べない、クァン様からそう命じられた、私もクァン様も見事科挙に首席で合格して私は望み通り文官で首席で合格してクァン様と同じ司憲府の官僚になった、クァン様は最後の最後まで私がへ、家を出ていくことをご納得していなかったようだ、最後で私の腕を掴み引き留めようとしていた私はその時後ろを振り向かなかった振り向いたら私は引き返したくなるから、貴女様をお守りすることよりも貴女様のお側にいることを選んでしまいそうでどうしても私は振り向けなかった≫







「ごめん…ごめん…私のせいで沢山辛い思いをさせてタド……」涙を流しながら私は読み進めていくと








≪十一月二日今日は黒い月の組織のアジトに行ったそして入会させてほしいと頼み込み組織の偉い人達の名が書いてある黒い月の名簿の写しを見せると望みを聞かれた、クァン様に十年間手を出さないでほしいと頼んだ、司憲府とクァン様の動きを見張り情報を流すことを条件に交渉は無事私は黒い月の情報屋として入会することになった》






≪そして黒い月に入会して四年が経った、クァン様は近頃私のことを調べているのみたいだ、恐らく内部に黒い月の組織の密偵がいるのだと気づいたのだろう、私がクァン様に断罪されるのも時間の問題、クァン様が私が黒い月の密偵だと存じたらクァン様は何て私に言うのだろう?≫







≪黒い月の組織に入会して五年と三十日が経った、どうやらクァン様は完全に私を黒い月の組織の密偵だと確信してるみたいだ、やっと解放されるのとほっとしてるけど半分はクァン様に申し訳なくて私が両班のくせにこんなやり方でしかクァン様をお守りできない無力な罪人だから》





「タド……」私は片手で目元を押さえるそしてまた読み始めると《クァン様、もし貴女様がこの日記をお読みになる時がきたらお伝えしたいのです、私は貴女様の護衛でいられた日々がこの世の何よりも誇りだと、ですから私が貴女様をお守りし大逆罪人になったと存じてもご自分を攻めないでください、そして私の死をいつまでも悔やむのではなくて、いつものように「黙れ罪人!、賤民は家畜なんかじゃない」とおしゃりながら罪なき民を卑劣両班達から守ってあげてください、そしていつの日か力なき民達が安心して暮らせるそんな世の中をつくってください、》




私はタドとの今までの日々を思い出しながら読み続ける《最後に私のような偽りだらけの罪人にこんな言葉を言われても信じてもらえないかもしれませんが、クァン様、私の毎日が灰色でただ苦痛でしかなかった日々がクァン様と出会い、毎日が色鮮で楽しい日々に変わりました、ですので私は決してこの選択を後悔致しません、クァン様、クァン様の存在は私にとって生きる意味そのものでございましたこの言葉だけは誠だと信じてもらえたら嬉しいです≫







私は読み終わり胸に日記を当てて「タド、タドは最後まで私の為に頑張ってくれたんだね、ありがとうねタド」































































































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